2012/03/06

次期Windows Server OSであるWindows Server “8”のベータ版が3/1よりWindows 8 Consumer Preview版と同時に提供が開始されました。今回のリリースでは日本語版も提供されています。

それと同時にPowerShell 3.0 betaを含むWindows Management Framework (WMF) 3.0 betaの提供も始まりました。こちらは英語版のみの提供で、日本語環境にインストールするには英語言語パッケージをダウンロードし適用する必要があります。

まだ評価を初めて間もない段階ですが、きづいた点をいくつか書いてみます。

PowerShell ISEがDeveloper Preview/CTP版から大きく変わっており、コマンドを入力する「コマンドペイン」と結果が表示される「出力ペイン」が統合され、「コンソールペイン」となりました。image

こんな感じでコンソールペインはその名の通りコンソール版のPowerShellと見た目や使用感が似ている上にISEならではの機能(インテリセンスなど)が使用可能になっており、ISEはスクリプト編集のみならずインタラクティブシェルとしてpowershell.exeの代わりに使用する場合でもより便利になったと言えるでしょう。なおISEのキーワード色分け設定は細かく指定できたりします。

Server8ではActive Directory管理センターの大幅な機能増強が目に留まります。Active Directory管理センターには「Windows PowerShell 履歴」ペインが追加され、GUIで操作した履歴がそのまま、再実行可能なPowerShellスクリプトとして表示されるようになりました。

たとえばユーザーを作成する作業をGUIでやります。

image

するとその作業内容がこのように履歴ペインに表示されます。

image

履歴はまさにPowerShellスクリプトそのままなので、これを「コピー」してISEに貼りつけるともうスクリプトファイルが完成します。

image

あとは必要に応じてパラメータを変更したり、ループを設けて繰り返し処理をしたり、自由自在に再利用ができます。ここではユーザー名を”testuser2”に変えて実行してみました。最初にGUIで作ったユーザーと同じ設定を用いて複数のユーザーを作成することが簡単に行えます。ユーザー名を記載したCSVファイルを読み込んでそのユーザーを一括作成することなどもできますね(PowerShellにはImport-CsvというCSVファイルを扱うコマンドレットもあります)。

スクリプトファイルにして保存すれば何回でも実行可能ですし、PSScheduledJobモジュールを使ってタスクスケジューラに登録すれば定期実行も可能です。

履歴スクリプトのうち、どこからどこまでが「今やった作業」なのか分かりにくいこともあると思いますが、そういうときには履歴ペインの「タスクの開始」をクリックし、今からやりたい作業名をまずメモします。

image

そしてGUIで作業を行い、終わったら「タスクの終了」をクリックします。

image

作業単位でこれを繰り返します。すべてが終わったら履歴をすべてコピーしてISEに貼りつけてみます。

image

するとこのようにタスク名がコメント行として挿入され、スクリプトのどこからどこまでが、どの作業に対応しているかが明確になるわけです。

このように管理GUIがPowerShellモジュール(コマンドレット)のフロントエンド的存在となり、GUIでの操作によりPowerShellコマンドレットが実行され、その履歴はスクリプトとして再利用が可能というMicrosoftが提唱する新しい管理方式が、ついにWindows Serverの本丸的存在Active Directoryに採用されたということになります。2008R2のActive Directory管理センターも内部的にはそういう構造だったのですが、履歴をスクリプトとして取り出す方法がなかったのですが、Server8からは可能になったということになります。

これまではこの構造が完全に組み込まれていたのはExchange Serverなど限られた製品のみでしたが、今後はこちらの構造が主流になると思われます。GUIとCUIの「いいとこどり」ができるこの構造はなかなか理想的なシステムなんじゃないかと思います。

PowerShellは3.0になってますますWindows OS管理の中核として重要度が高まっており、それに答えるように様々な機能増強が行われています。今回紹介したのはその一面ですが、特にServer8においてPowerShellがいかに重要かはWindows Server "8" に関するテクニカル プレビューの各項目の記述内容の多くにPowerShellに関する記載があることでも分かるかと思います。

2012/02/14

2/25(土)に開催されるわんくま同盟 大阪勉強会 #47で、「PowerShell 3.0 概要」と題してPowerShell 3.0のセッションをします。

PowerShell3.0はWindows 8とWindows Server 8に搭載され、従来のコンソールexeの大半がOS付属モジュールのコマンドレットに置きかわります。その数Win8では800以上、Server8では2000を超える量になります。これまでのexeも互換性のために残されますが、今後の主流は間違いなくPowerShellコマンドレットにシフトしていきます。

Windows Server 8では「役割」と「機能」に対応するPowerShellモジュールがそれぞれ用意され、管理用GUIがPowerShellモジュールの機能を呼び出す構造への移行がより一段と進みます。

Windows Server本体のみならず、サーバーアプリケーションでもMicrosoft製品はもちろん、サードパーティ製のものでもPowerShellモジュールが付属しているのが珍しくなくなりました。またOffice365やWindows AzureといったクラウドサービスもPowerShellで管理できるようになってきました。

PowerShellの利用場面の増加に答えるように、PowerShell3.0ではさまざまな改善と機能追加が行われています。今回のセッションではそれらをご紹介します。Windowsを管理する上でPowerShellはもはや必須といえる段階になってきたと思います。この機会にPowerShellを始めてみませんか?

今回は先日MVPを受賞されたちゅきさんのActiveDirectoryの話やmoririringさんによるC#開発中級編の話、TWorksさんによるスマフォやタブレットの開発をHTML5対応JSフレームワークで行う話など、もりだくさんです。お時間がございまいたら2/25はぜひ、わんくま勉強会へお越しください!


Copyright © 2005-2016 Daisuke Mutaguchi All rights reserved

mailto: mutaguchi at roy.hi-ho.ne.jp

Awards

Books

Twitter