2017/12/10

この記事はPowerShell Advent Calendar 2017の10日目です。

PowerShellはオブジェクトを扱うシェルですが、別にテキストデータを扱えない訳ではありません。むしろ、PowerShellで取得したデータをテキストファイルとして保存したり、スクリプトで用いるデータをテキストファイルで保存しておくことは日常的に行われることだと思います。

ただし、PowerShellで扱うデータはオブジェクトであり、テキストファイルは文字通り文字列であることから、コマンドレットを用いる等、何らかの手段で変換が必要になります。また、テキストデータ形式にも様々な種類があり、それぞれメリット、デメリットが存在します。今回の記事では、PowerShellで用いるデータを保持しておく際のテキストデータ形式について比較をしてみます。

プレーンテキスト

プレーンテキスト、すなわち書式なしのテキストファイルです。もっともシンプルな使い方をする場合、文字列配列の各要素に含まれる文字列が、テキストファイルの1行と対応します。

書き出し
$lines | Set-Content -LiteralPath file.txt -Encoding UTF8

$linesは文字列変数です。

特に理由がなければ文字コードはUTF-8で良いと思います。

追記
$lines | Add-Content -LiteralPath file.txt -Encoding UTF8

Add-Contentは実行のたびにファイルを開いて、書き込んでから閉じるという動作をするので、1行ずつforeachで実行するのはNGです。

読み込み
$lines = @(Get-Content -LiteralPath file.txt -Encoding UTF8)
メリット
  • 文字列配列をテキストファイルに書き出すのは多分これが一番楽だと思います。
  • 書き出したデータは人間にも読みやすい。 編集もしやすい。
デメリット
  • 文字列だけを保存しておきたいというケースがそもそも少ない。
CSV

コンマ等の特別な文字で区切り、1行あたりに複数のデータを保存できる形式です。

PowerShellのコマンドレットで扱う場合、オブジェクトが持つプロパティがヘッダ列名に対応します。各行にオブジェクト配列1要素のプロパティ値が、カンマ区切りで保持されます。

書き出し
$objects | Export-Csv -LiteralPath file.csv -NoTypeInformation -Encoding Default

$objectsは任意のオブジェクト配列です。必要であればSelect-Objectコマンドレットを併用して、プロパティを絞り込みます。

文字コードはExcelでそのまま読み込み/書き出しができるDefault(日本語環境ではShift_JIS)がお勧めです。(最近のExcel2016ならUTF8も一応読めますが)

追記
$objects | Export-Csv -LiteralPath file.csv -Append -NoTypeInformation -Encoding Default
読み込み
$objects = Import-Csv -LiteralPath file.csv -Encoding Default
メリット
  • オブジェクトのプロパティ値が、すべて数値あるいは文字列で表現できる値を持つ場合に最も適合する。
  • 人間にも読みやすく、ある程度は編集もできる。
  • Excelで開ける。
デメリット
  • オブジェクトのプロパティが、数値と文字列以外のオブジェクトである場合、すなわち、階層構造を持つデータの保存には適さない。
  • 数値も文字列として読み込まれてしまうので、数値として扱いたい場合は変換が必要になる。
  • Export-CsvとImport-Csvで扱うCSVファイルはヘッダが必須。つまり、ヘッダなしのCSVファイルが既にあって、それを読み書きするという用途には適さない。(できなくはないが)
  • 書き出し時の列順を制御することができない。つまり、PowerShellで書き出したCSVを、列順が固定であるとの想定である他のプログラムで読み込むことは基本NG。
  • 書き出し時、1つ目の要素に存在しないプロパティは、2つ目以降では存在しないものとして扱われる。同種のオブジェクトで構成される配列なら通常は問題ないのだが、要素によって動的に追加されるプロパティがあったりなかったりすると厄介。(ADでありがち)
JSON

JavaScriptのような表記でデータを保持するデータ形式です。データの受け渡しに様々な言語で利用できます。Web APIでもよく利用されます。

PowerShellではv3からJSONを扱うコマンドレットが提供されています。

書き出し
$objects | ConvertTo-Json | Set-Content -LiteralPath file.json -Encoding UTF8
読み込み
$objects = Get-Content -LiteralPath file.json -Encoding UTF8 -Raw | ConvertFrom-Json
メリット
  • CSVと異なり、階層構造を持ったデータでも扱える。
  • CSVと異なり、数値は数値型のまま読み書き可能。 (整数値はint、小数値はdecimal)
  • 人間にもまぁまぁ読めるし、頑張れば編集できなくもない。
デメリット
  • -Depthパラメータによりプロパティを展開する階層の深さを指定はできるが、プロパティに応じて深さ指定を変化させるというようなことはできない。基本的には、自分で構築したPSCustomObjectを使うか、JSON化する前に自分で元オブジェクトを整形しておく必要がある。
  • 直接ファイルに書き出し、追記、ファイルから読み込みするコマンドレットはない。
  • 実は細かい話をしだすと色々と罠があります…。
CLIXML

PowerShellではPSリモーティング等、プロセス間でオブジェクトのやり取りを行う際に、CLIXML形式を介してシリアライズ/デシリアライズが実行されます。シリアライズ対象によっては、完全に元のクラスのオブジェクトに復元されます。(復元されないオブジェクトにはクラス名にDeserialized.との接頭辞が付与され、プロパティ値のみ復元される)

ユーザーもコマンドレットを用いて、任意のデータをCLIXML形式でシリアライズし、XMLファイルとして保存することができます。

書き出し
$objects | Export-Clixml -LiteralPath file.xml
読み込み
$objects = Import-Clixml -LiteralPath file.xml
メリット
  • 元のオブジェクトの構造、プロパティ値と型情報を含めてほぼ完全にテキストファイルに保存できる。
  • 復元したオブジェクトはプロパティ値を参照できるのはもちろん、オブジェクト全体が完全にデシリアライズされ、元の型に戻った場合には、メソッドを実行することも可能。
  • 例え元の型に戻らず、Deserialized.との接頭辞が付いた状態でも、コンソールに表示する場合は元の型のフォーマットが使われるので見やすい。
デメリット
  • すべてのオブジェクトが元の型に戻せるわけではない。戻せるかどうかは確認が必要。
  • 人間が読み書きするようなものではない。

ちなみに、ConvertTo-Xmlという似たようなコマンドレットがありますが、出力形式はCLIXMLではない上、復元の手段もなく、かといって別に読みやすいXMLというわけでもなく、正直何のために使うのかよく分かりません(適切なxsltでも用意すればいいのかな?)。まだConvertTo-Htmlの方が使えそうです。

psd1

psd1は「PowerShellデータファイル」で、モジュールマニフェストやローカライズデータに使われるファイル形式です。スクリプトファイルの1種ですが、数値や文字列リテラル、配列、連想配列、コメントなど基本的な言語要素のみ使用可能です。PowerShell 5.0以降ではImport-PowerShellDataFileコマンドレットを用いて、任意のpsd1ファイルのデータを読み込み、変数に格納することが可能です。

書き出し

書き出し用のコマンドレットはありません。

読み込み

例えば以下のような内容をbackup_setting.psd1として保存しておきます。ルート要素は必ず連想配列にします。

@{
	Directories = @(
		@{
			From = "C:\test1"       # コピー元
			To = "D:\backup\test1"  # コピー先
			Exclude = @("*.exe", "*.dll")
			Recurse = $true
		},
		@{
			From = "C:\test2"
			To = "D:\backup\test2"
			Exclude = @("*.exe")
			LimitSize = 50MB
		},
		@{
			From = "C:\test3"
			To = "D:\backup\test4"
		}
	)
	Start = "0:00"
}

なお、dataセクションで全体を括ってもいいですが、psd1で許容される言語要素はdataセクションより更に制限がきついので、敢えてしなくてもいいんじゃないかと思います。

このファイルは以下のように読み込めます。

$setting = Import-PowerShellDataFile -LiteralPath backup_setting.psd1

$settingには連想配列が格納され、以下のように値が参照できます。

$setting.Directories | foreach {Copy-Item -Path $_.From -Destination $_.To}
メリット
  • PowerShellの構文でデータを記述できる。
  • 通常のps1ファイルを呼び出すのとは異なり、式の評価やコマンド実行などはされない分、セキュアである。
  • 配列と連想配列の組み合わせにより、JSONライクな階層構造を持てる。型情報も保持される。
  • JSONとは違い、コメントが入れられる。
デメリット
まとめ

PowerShellで扱うデータをテキストファイルとして保存する際には、各テキストデータ形式の特性を理解し、メリット、デメリットを踏まえて選定する必要があります。

また、当然ながらテキストファイルに保持することが不適切なデータもありますので、そこは注意してください。(画像データを敢えてBase64とかでエンコードしてテキストファイル化する意味があるのか、とかですね)

個人的には…

ちょっとした作業ログ等を記録しておきたい→プレーンテキスト

.NETオブジェクトの一部のプロパティだけ抜き出してファイル化したい→CSV

自分で構築したPSCustomObjectをファイル化したい→JSON

.NETオブジェクト全体をファイル化したい→CLIXML

スクリプトで使う設定データを用意したい→psd1

みたいな感じでなんとなく使い分けていると思います。psd1はまだ採用例はないですが…。

今回はビルトインのコマンドレットで扱えるもののみ取り上げましたが、他にもyaml等のテキストデータ形式が存在し、有志によるモジュールを用いて扱うことが可能です。

2014/12/01

はじめに

この記事はPowerShell Advent Calendar 2014の1日目の記事です。

次期バージョンのPowerShell 5.0について、そろそろ情報が出回ってきました。現在のところWindows Management Framework 5.0 Preview November 2014、もしくはWindows 10 Technical PreviewWindows Server Technical Previewに同梱のもので試すことができます。

v5での新機能、改善点は多岐に上ります。OneGet / PowerShellGet / クラス定義 / DSC機能増強 / ODataエンドポイントのコマンドレット化 / zipファイル / シンボリックリンク 等々。詳しくは、リリースノートが一番充実しているかと思います。日本語だとぎたぱそ氏の記事がまとまっているかと思ます。

さて、ここまで挙げた新機能や改善点は、とても順当でまっとうな進化点なのですが、v5にはちょっと異彩を放つ新機能がしれっと追加されています。それが、Auto-Generated Example-Driven Parsing です。

Auto-Generated Example-Driven Parsing とは

CSV、JSON、XMLのような既知のフォーマットではないが、何らかの法則性のあるテキストデータがあるとします。そんなテキストデータは(不幸なことに)割と世の中にあふれていますが、そのままでは(人が読む以外には)利用できないので、データとして扱うには、解析し、レコード(プロパティ:プロパティ値)として再構築する必要があります。

しかしながらフォーマットが既知のものではないため、既存のパーサーを使って解析することはできません。

従来のアプローチだと、このようなデータに対しては、まずユーザー(人間)がデータの法則性を読み取り、その法則をコンピュータに分かる表現(コードや正規表現など)に変換してやる必要がありました。

Auto-Generated Example-Driven Parsing とは、事前にユーザーがテキストデータの一部分のみを取り出し、各項目に対してプロパティ名を指示したデータ(テンプレート)を用意しておくと、元のテキストデータとユーザーが用意したテンプレートから法則性を解析し、元のテキストデータ全体を自動的にテキストデータからオブジェクトに変換してくれる機能です。

Auto-Generated Example-Driven Parsing とはもともとMicrosoft Research で研究されているFlashExtract というデータ解析手法の PowerShell コマンドレット(ConvertFrom-String)による実装になります。ConvertFrom-StringData じゃないですよ。全然別物です。これうっかりしてるとスルーしてしまいそうです。

具体例

たとえば、こんなデータがあったとします。

山内 佳乃 (やまうち よしの)
生年月日...1982/1/27 (32歳)、女性
田畑 真帆 (たばた まほ)
生年月日...1966/4/14 (48歳)、女性
三好 一樹 (みよし かずき)
生年月日...1972/7/10 (42歳)、男性
酒井 幸平 (さかい こうへい)
生年月日...1954/3/1 (60歳)、男性
藤島 恵子 (ふじしま けいこ)
生年月日...1969/5/4 (45歳)、女性
加藤 美優 (かとう みゅう)
生年月日...1986/12/8 (27歳)、女性
金谷 康文 (かなや やすふみ)
生年月日...1983/10/7 (31歳)、男性
岸本 紗季 (きしもと さき)
生年月日...1984/5/16 (30歳)、女性
永野 ケンイチ (ながの けんいち)
生年月日...1961/7/8 (53歳)、男性
小関 三郎 (こぜき さぶろう)
生年月日...1975/1/22 (39歳)、男性
山岸 光 (やまぎし ひかる)
生年月日...1939/2/13 (75歳)、女性
黒谷 恵麻 (くろたに えま)
生年月日...1949/2/13 (65歳)、女性

名前や生年月日が書かれたデータで、一応、法則性はあるようです。が、これをまともにパースしようと思うと、2行ごとに切り出して、正規表現を書いて…と、ちょっと面倒ですね。

ちなみにこのダミーデータ作成にはなんちゃって個人情報を使わせていただきました。CSVで出力した後、以下のようなスクリプトでわざわざ醜く変形しました。

Import-Csv -Encoding Default -Path dummy.cgi|%{"$($_.名前) ($($_.ふりがな))`n生年月日...$($_.誕生日) ($($_.年齢)歳)、$($_.性別)性"}|set-content -Encoding UTF8 -Path dummy.txt

さて、このテキストデータに対し、Auto-Generated Example-Driven Parsingで用いるテンプレートを書いてやりましょう。たとえば、以下のように適当に3件(ここでは3〜5個目のレコード)抜き出して、プロパティ名をつけてやります。赤字が、手動で元データに付与した文字列です。

{Name*:三好 一樹} ({Furigana:みよし かずき})
生年月日...{BirthDay:1972/7/10} ({Age:42}歳)、{Sexuality:}{Name*:酒井 幸平} ({Furigana:さかい こうへい})
生年月日...{BirthDay:1954/3/1} ({Age:60}歳)、{Sexuality:}{Name*:藤島 恵子} ({Furigana:ふじしま けいこ})
生年月日...{BirthDay:1969/5/4} ({Age:45}歳)、{Sexuality:}

みて頂ければ分かると思いますが、基本は、各データ項目に対して、{プロパティ名:データ}のように指定してやるだけです。主キーとなるデータ項目にはプロパティ名の後に「*」をつけてやります。こうやって作ったテンプレートをtemplate.txtと名前を付けて保存しましょう。

元データとテンプレートが揃ったので、あとは以下のようにしてConvertFrom-Stringコマンドレットを実行するだけです。

image

テンプレートを元に、元テキストに含まれるすべてのデータが、プロパティ値を持ったオブジェクトデータに変換されていることが分かるかと思います。これちょっとすごくないですか?

まとめ

Auto-Generated Example-Driven Parsingは個人的には、非常に面白い機能だと感じています。コンピュータに対して、「手本見せるよ、これはこう、これはこう。わかった? じゃ、あとは同じようにまとめといてね!」というのができるようになったわけで、ちょっと未来を感じました。

研究所レベルの研究成果を、製品として実装した初の例が、PowerShellだったというのも面白味を感じます。

ただ、CSVでもJSONでもXMLでもない、わけのわからない謎フォーマットで保存されたテキストデータを解析しなきゃならない事態というのは、そもそも不幸な状況であることも、また事実かと思います。

ConvertFrom-Stringは、そんな訳の分からないものを撲滅して、今度こそまともなフォーマットのデータに変換して保存するための、最終兵器のようなものかもしれません。

なお、Auto-Generated Example-Driven Parsingでは他にもプロパティに型を指定したり、部分的に正規表現を用いたり、階層構造を持つデータにも対応してたりと、かなり色々なことができるようになっています。ぜひ、v5環境を整えて、ConvertFrom-Stringを試してみてください。

さてさて、PowerShell Advent Calendar 2014、今年は参加者が少なく、完走はかなり危ぶまれますが、できるところまで行きたいですね! これをお読みのあなたの記事が読みたいです! ぜひ、ご参加いただけると幸いです。

2013/09/04

ぎたぱそ氏がPowerShell で TCP/IP 接続監視をしたい | guitarrapc.wordpress.comというエントリを上げておられます。

ループを回して定期的に出力するとTableが一つにまとまらない、とのことですが、パイプラインの先頭で無限リストを出力するようにすればOKです。

あとデータの再利用を考えるなら、最初からCSVで出力しておくのが無難かと思います。

画面出力と同じものをファイル出力するだけで良いなら、Tee-Objectコマンドレットでもいいかと。

ついでに本体の関数も何となく短くしてみました。

function Get-NetTCPConnectionCheck
{
    $result = [ordered]@{Date = Get-Date}
    echo Listen, Established, TimeWait, CloseWait, LastAck |
        %{$result[$_] = 0}
    Get-NetTCPConnection |
        group state -NoElement |
        ?{$result.Contains($_.Name)} |
        %{$result[$_.Name] = $_.Count}
    [PSCustomObject]$result
}

&{process
    {
        while($true)
        {
            Get-NetTCPConnectionCheck
            sleep -Seconds 1
        }
    }
} |% {
    $_ | Export-Csv -Append C:\Users\daisuke\Documents\test.csv
    $_
} | Format-Table 

以上。

2013/03/29

はじめに

Twitterブログ: 日本の皆さんにも「全ツイート履歴」が使えるようになりました の記事のとおり、自分の全ツイートデータをダウンロードする機能がTwitterで利用可能になっています。

ダウンロードされるzipファイルには、ツイートを表示するためのHTML、JavaScriptファイルのほか、CSV形式のデータ(tweets.csv)も含まれています。CSVファイルの処理といえばPowerShellが得意とするところです。このファイルを読み込んで、PowerShellで自分のツイートを分析してみましょう。

準備

具体的にダウンロードする方法は上記記事を参考にしていただいて、まずはダウンロードしたzipファイルからtweets.csvを解凍し、PowerShellのカレントディレクトリをtweets.csvのあるフォルダに移動させておいてください。

毎回CSVを読み込むと時間がかかるので、まず以下のようにしてImport-CsvコマンドレットによりCSVファイルを読み込み、変数にオブジェクトとして入れておきます。

$tweets = Import-Csv tweets.csv

なお私の総ツイート数は4万ほどで、tweets.csvは10MB程です。これくらいの容量だとそのままでもまずまずまともな速度で分析が可能ですが、何十万ツイートもしていらっしゃるTwitter廃人マニアの方は、適宜ファイルを分割するなどして対処願います。

CSVファイルのヘッダ行は

"tweet_id","in_reply_to_status_id","in_reply_to_user_id","retweeted_status_id","retweeted_status_user_id","timestamp","source","text","expanded_urls"

となっています。Import-Csvコマンドレットはデフォルトでは1行目を出力オブジェクトのプロパティ名とするので、データ行の1行がtweet_idプロパティ等を持つオブジェクトとして読み込まれ、$tweets変数にはそのオブジェクトの配列が格納されることになります。

ツイート抽出/検索
一番最初のツイートを表示
PS> $tweets | select -Last 1

tweet_id                 : 948090786
in_reply_to_status_id    : 
in_reply_to_user_id      : 
retweeted_status_id      : 
retweeted_status_user_id : 
timestamp                : 2008-10-06 10:54:10 +0000
source                   : web
text                     : はぐれメタルがあらわれた!
expanded_urls            : 

Select-Objectコマンドレット(エイリアスselect)はオブジェクトの絞り込みに使います。このCSVファイルではツイートの並び順がタイムスタンプの降順なので、最初のツイートは一番最後の行となります。

直近5ツイート表示
PS> $tweets | select -First 5 | fl timestamp,text

timestamp : 2013-03-21 17:02:23 +0000
text      : Need for Speedがなんか懐かしい。初めて買ったPCに体験版がバンドルさ
            れてた記憶がある。

timestamp : 2013-03-21 17:01:23 +0000
text      : そいえばEAのシムシティ不具合お詫び無料DL特典、何選ぼうかなあ。シム
            シティ4あるけど英語版という噂だし2013やった後につらいもんがありそう
            。

timestamp : 2013-03-21 16:45:09 +0000
text      : というわけでシムシティ大好きなんで、私の街を返してください…

...

Format-Listコマンドレット(エイリアスfl)を使うと必要なプロパティ値のみ抽出してリスト形式で表示できます。

文字列で検索
PS> $tweets | where {$_.text -match "眠い"} | fl timestamp,text

timestamp : 2013-03-05 10:46:39 +0000
text      : 眠いのってもしかしてアレルギールの副作用かも。蕁麻疹がひどいときし
            か飲んでないんだけどねえ

timestamp : 2013-03-05 05:42:18 +0000
text      : なんでこんなに眠いのかな

timestamp : 2013-03-04 07:44:18 +0000
text      : 眠いなあ

...

Where-Objectコマンドレット(エイリアスwhere)を使うとオブジェクト配列のうち特定条件のもののみ抽出できます。ここではツイート本文(textプロパティ)に"眠い"という文字列が含まれているものを抽出しています。どんだけ眠いんですか私は…

2009年のツイートのみ表示
PS> $tweets | select @{L = "timestamp"; E = {Get-Date $_.timestamp}},text | 
    where {$_.timestamp.Year -eq 2009} | sort timestamp |
    fl timestamp,text

timestamp : 2009/01/01 0:01:08
text      : あけおめ!

timestamp : 2009/01/01 0:16:31
text      : 2chとついったー強いなーmixiしんでた

timestamp : 2009/01/01 13:37:50
text      : 家族でおせちをたべた。おいしかった

...

もちろん本文に含まれる文字列以外にも、timestamp(ツイート時刻)で抽出するなどもできます。ここではtimestampがGMTで分かりづらく、かつ文字列のため扱いづらいので、Select-Objectに集計プロパティを指定してDateTime型に変換しています。Format-ListやSelect-Objectに指定する集計プロパティの書式は、@{L="ラベル";E={値を返すスクリプトブロック}}のように連想配列で指定します。LはLabel、EはExpressionのように省略せずに指定してもOKです。

集計プロパティはあんまり解説を見かけないですけども、オブジェクトを処理するコマンドレットの多くで利用可能できわめて重要なので覚えておくと良いと思います。

よるほ成功ツイート
PS> $tweets | where {(Get-Date  $_.timestamp).ToString("HH:mm:ss") -eq "00:00:00"} | 
    fl @{L = "timestamp"; E = {Get-Date $_.timestamp}},text

応用でこんなんもできます。0:00:00ちょうどのツイートを抽出します。私はかつてよるほ成功したことがないので結果は何も返ってきませんけど。

ツイート中のURLリストを作る
PS> $tweets | where {$_.expanded_urls} | select -expand expanded_urls
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A1%E7%B4%A0%E4%B8%96
http://htn.to/4oxXDN
http://guitarrapc.wordpress.com
...

whereによる抽出を応用するとこういうこともできます。なお、expanded_urls列は本文中のURLが複数含まれているとそれらは,で区切られるため、可変長の行となります。Import-Csvコマンドレットはこのような可変長なCSVに対応していないので、複数URLがあっても最初の1つのみ取得します。それとexpanded_urlsが追加されたのはt.coによるURL短縮が始まってからなので、昔のツイートにこの値は含まれていません。

ツイート数統計
月別ツイート数表示
PS> $tweets | group @{E = {(Get-Date $_.timestamp).ToString("yyyy/MM")}} -NoElement

Count Name
----- ----
  432 2013/03
  413 2013/02
  248 2013/01
  741 2012/12
  497 2012/11
  791 2012/10
  659 2012/09
...

ツイート分析と言えばやはりツイート数統計を取ることから始まるでしょう。統計を取るにはGroup-Objectコマンドレット(エイリアスgroup)が使えます。ここでもグループ化キーとして集計プロパティを指定してやります。ツイートの「年/月」を文字列化し、それが同じツイートでグループ化することで、月別ツイート数の統計が表示できるわけです。

時間帯別ツイート数表示
PS> $tweets | group @{E = {Get-Date $_.timestamp | 
    select -expand Hour}} -NoElement |
    sort @{E = {[int]$_.Name}}

Count Name
----- ----
 2369 0
 1630 1
 1137 2
 ...
 2270 23

やり方としては先ほどのとほぼ同じです。Select-Object -ExpandPropertyはパイプライン入力でオブジェクトのプロパティ値を取得できるのでよく使います。ちなみにPowerShell 3.0だと「$obj|foreach プロパティ名」でも取れますね。

Sort-Objectコマンドレット(エイリアスsort)でもソートキーとして集計プロパティを指定できます。ここではNameプロパティ(グループ化キーの値)をintに変換したものをキーにソートしています。

曜日別ツイート数表示
PS> $tweets | group @{E = {Get-Date $_.timestamp | 
    select -expand DayOfWeek}} -NoElement |
    sort @{E = {[DayOfWeek]$_.Name}}

Count Name
----- ----
 4939 Sunday
 5164 Monday
 5463 Tuesday
 5164 Wednesday
 5563 Thursday
 5992 Friday
 6331 Saturday

これもやり方としてはほぼ同じ。ソートキーはDayOfWeek列挙体にキャストしてちゃんと曜日順に並ぶようにしてます。

ツイート数計測
総ツイート数
PS> $tweets | measure

Count    : 38616
Average  :
Sum      :
Maximum  :
Minimum  :
Property :

ここからはツイート数の計測をしていきます。単純にツイート総数を取るだけならMeasure-Objectコマンドレット(エイリアスmeasure)を使うだけでOKです。Averageなどは対応するスイッチパラメータ(-Averageなど)を指定すると計測されますが、この場合は元オブジェクトが数値ではないのでエラーになります。

ツイート文字数分析
PS> Add-Type -AssemblyName System.Web
PS> $tweets | where {!$_.retweeted_status_id} | 
    select @{L = "TextLength"; E = { 
        [System.Web.HttpUtility]::HtmlDecode($_.text).Length}} | 
    measure -Sum -Maximum -Minimum -Average -Property TextLength

Count    : 37718
Average  : 48.7322233416406
Sum      : 1838082
Maximum  : 140
Minimum  : 1
Property : TextLength

ツイート文字数を計測するとき、元のオブジェクトにはツイート文字数を返すプロパティはないので、Select-ObjectコマンドレットにTextLengthという集計プロパティを指定して新たに作ってしまいます。

Measure-Objectコマンドレットは-Propertyパラメータにより対象オブジェクトのどのプロパティ値を計測するか指定できます。そしてスイッチパラメータを全部有効にすることで、平均、合計、最大、最小値を計測しています。私の総ツイート文字数は183万です。

なお、リツイートの場合はretweeted_status_idにリツイート元のツイートIDが入るので、このIDがあるものはWhere-Objectで除外してます。またツイート本文の<や&などはHTMLエンコードされたものがtext列に格納されているので、HttpUtilityを使ってデコードしてから文字数をカウントしています。

通常ツイートとRTの比率
PS> $tweets | foreach {
  $TweetCount = 0;
  $RTCount = 0
} {
    if($_.retweeted_status_id){
        $RTCount++
    }else{
        $TweetCount++
    }
} {
    New-Object psobject @{
        AllCount = $tweets.Length;
        TweetCount = $TweetCount;
        RTCount = $RTCount;
        RTRatio = $RTCount/$tweets.Length
    }
}


Name                           Value
----                           -----
RTCount                        898
TweetCount                     37718
AllCount                       38616
RTRatio                        0.023254609488295

Measure-Objectコマンドレットは計測方法を指定することはできないので、独自の計測を行う場合はこんな感じでコードめいたものを書く必要が出てくるかと思います。RT率たったの2%か…ゴミめ…

ForEach-Object(エイリアスforeach)は1個のスクリプトブロックをパラメータに指定するとprocessブロック相当の列挙部分を実行しますが、このように3個指定すると、それぞれbegin(初期化処理)、process、end(終了処理)ブロックに割り振られます。

ここではbeginブロックで変数初期化、processブロックで通常ツイートとリツイートを加算、endブロックで計測値をPSObjectに格納して出力してます。ちなみにPowerShell 3.0ではカスタムオブジェクトを作る場合は「[pscustomobject]@{連想配列}」で書くほうが楽です。

お前は今まで寒いと言った回数を覚えているのか
PS> $tweets | foreach {$count = 0} {
    $count += ($_.text -split "寒い").Length - 1} {$count}
137

覚えてないから数えます。137回か。

数値だけを出力するならこんな感じでシンプルに書けますね。

ランキング
クライアントランキング
PS> $tweets | group @{E = {$_.source -replace "<.+?>"}} -NoElement | 
    sort Count -Descending

Count Name
----- ----
12927 Janetter
11333 web
 5230 Azurea for Windows
 3060 TweetDeck
 1694 Hatena
  866 twicca
  667 twigadge
...

ここからはいろんなランキングを取得してみます。まずはツイートに使ったTwitterクライアントのランキング。ここでもGroup-Objectを使っています。クライアント名はクライアント配布URLがaタグで含まれているのでそれを-replace演算子で削ったものをグループ化キーとしています。ランキングなので最後はCountで降順ソート。

リプライしたユーザーランキング
PS> $tweets | where {$_.in_reply_to_user_id} |
    select @{L = "user"; E = {if($_.text -match "^(@[a-zA-Z0-9_]+)"){$matches[1]}}} |
    group user -NoElement | sort Count -Descending

Count Name
----- ----
  807 @xxxxxxxxxx
  417 @xxxxxxxxxx
  333 @xxxxxxxxxx
...

ランキング系はどれもgroup→sort Countのパターンになるかと思います。リプライツイートはin_reply_to_user_id列にリプライしたユーザーIDが含まれるのでまずはそれでフィルタし、ユーザー名はツイート本文から取ります。ユーザー名は-match演算子を使って正規表現で抽出します。$matches自動変数は連想配列で、[0]にマッチ全体が、[1],[2],...にはサブ式のキャプチャが入ります。ちなみにサブ式に名前を付けてるとキー名が数値ではなくサブ式名となります。

ハッシュタグランキング
PS> $tweets | foreach {[regex]::Matches($_.text, "(#\S+)") | 
    % {$_.Captures} |% {$_.Value}} | 
    group -NoElement | where Count -gt 1 | sort Count -Descending

Count Name
----- ----
  199 #zanmai
   75 #nowplaying
   68 #nhk
   63 #techedj2009
...

ハッシュタグも同様のアプローチで取れますが、ハッシュタグは1ツイートに複数あることがあり、-match演算子だと複数のマッチは取れないので[regex]を使って取得しています。

おわりに

PowerShellのオブジェクト処理用コマンドレットを用いると、CSVデータの分析ができます。普通はログファイル等を解析するのに使うわけですが、こういう身近なデータを扱ってみるのも面白いんじゃないでしょうか。きっとPowerShellの勉強にもなると思います。

2012/12/14

本記事はPowerShell Advent Calendar 2012の14日目の記事になります。

前回(アドベントカレンダー1日目)は「PowerShellらしい関数の書き方」と題して、パイプライン内でうまく他のコマンドと連携させるための関数をどう書けばいいのか、ということについて書きました。前回の関数の例では入力型と出力型がstringだったのですが、実際は自分で定義した型を入力、出力値に取るように書くのが普通かと思います。今回は、それをするためにどうやって型を定義するのか、そしてその型を関数にどう指定するのか、という話をします。

PowerShellにはクラス定義構文がない

そもそもの話になるんですが、型を定義する、つまりはクラスを記述するためのPowerShellのステートメントやコマンドレットが無いため、PowerShell単独ではできません。なので無理です以上おしまい。…というわけにはいかないので、実際はどうするのがいいのかという話をしていきます。

方法としては大きく分けて二つあると思います。

1.C#など他の.NET言語を用いてクラスを記述する

2.ユーザー定義オブジェクトを作成する

今回は1の方法を説明します。

C#を用いてクラスを記述する

つまりはPowerShellでクラスを定義できないなら、C#を使えばいいじゃない。ということです。幸いPowerShell 2.0からはAdd-Typeというコマンドレットを用いると、C#やVBなど.NET言語のソースをその場でコンパイルしてアセンブリとして現在のセッションに読み込むことが可能です。

たとえば、論理ドライブを表すDriveというクラスを定義してみます。

Add-Type -TypeDefinition @"
    namespace Winscript
    {
        public enum DriveType
        {
            Unknown, NoRootDirectory, RemovableDisk, LocalDisk, NetworkDrive, CompactDisc, RAMDisk
        }

        public class Drive
        {
            public string Name {get;set;}
            public string VolumeName {get;set;}
            public DriveType Type {get;set;}
            public long Size  {get;set;}
            public long FreeSpace  {get;set;}
            public long UsedSpace  {get;set;}
            public string RootPath {get;set;}
        }
    }
"@ -Language CSharpVersion3

このようにC#のコードを文字列として-TypeDefinitionパラメータに与えると、コンパイルされて指定のクラス(ここではWinscript.Drive)がロードされます。

ここで-Language CSharpVersion3というパラメータは指定コードをC# 3.0としてコンパイルすることを指定するため、今回使用している自動実装プロパティなどC# 3.0の構文が利用できます。なおこのパラメータはPowerShell 3.0では不要です。ただし明示しておくとPowerShell 2.0でも正しく動作します。というのも-Languageパラメータ省略時はPowerShell 2.0ではC# 2.0でコンパイルされるのですが、PowerShell 3.0ではC# 3.0でコンパイルするためです(逆にPSv3でC#2.0でコンパイルするには”CSharpVersion2”という新しく追加されたパラメータ値を指定します)

なお、ここでは-TypeDefinitionパラメータを用いてクラス全体を記述しましたが、この例のように列挙体も定義してそれをプロパティの型にするなどせず、すべて基本型のプロパティで完結するのならば、-MemberDefinitionパラメータを使ってメンバ定義だけを行う方が記述が短くなります。以下はWinscript.Manというクラスを定義する例です。

Add-Type -Namespace Winscript -Name Man -MemberDefinition @"
    public int Age {get;set;}
    public string Name {get;set;}
"@ -Language CSharpVersion3

例のようにC#のコード内には特にロジックを記述せず、単にデータの入れ物となるクラスにとどめておくのが良いかと思います。別にロジックを書いてもいいのですが、ISEで記述する限りはC#の編集に関してはただのテキストエディタレベルの恩恵しか受けないですし、それなら最初からVisual Studio使ってC#で全部コマンドレットとして書けばいいのに、ともなりかねないので。PowerShellでは実現困難な処理などがあればそれをメソッドとして書く程度ならいいかもしれません。ただしメソッドを記述してもそれをユーザーに直接使わせるというよりも、関数でラップして使わせる形が望ましいでしょう。

さて、次はこのクラスのオブジェクトを扱う関数を記述していきます。

定義した型のオブジェクトを扱う関数の記述

ここでは3つの関数を定義しています。Get-Drive関数はシステムに含まれるすべての論理ドライブを取得、Show-Drive関数は指定のDriveオブジェクトをエクスプローラで開く、Set-Drive関数は指定のDriveオブジェクトのボリューム名(VolumeNameプロパティ)を変更するものです。

ちなみに関数の動詞部分(ここではGet, Show, Set)は、Get-Verb関数で取得できるリスト以外のものは基本的に使わないようにします。モジュールに組み込んだ場合、インポートのたびに警告が出てしまうので。

関数の基本については前回に書いているので、今回のコードはそれを踏まえて読んでみてください。

function Get-Drive
{
    [OutputType([Winscript.Drive])]
    param(
        [string[]]$Name,
        [Winscript.DriveType]$Type
    )

    Get-WmiObject -Class Win32_LogicalDisk | ForEach-Object {
        if($null -ne $Name -and $Name -notcontains $_.Name)
        {
        }
        elseif($Type -ne $null -and $_.DriveType -ne $Type)
        {   
        }
        else
        {
            New-Object Winscript.Drive -Property @{
                Name = $_.Name
                VolumeName = $_.VolumeName
                Type = [enum]::Parse([Winscript.DriveType],$_.DriveType)
                RootPath = if($_.ProviderName -ne $null){$_.ProviderName}else{$_.Name + "\"}
                Size = $_.Size
                FreeSpace = $_.FreeSpace
                UsedSpace = $_.Size - $_.FreeSpace
            }
        }
    }
}

(↑10:33 foreachステートメントではなくForEach-Objectコマンドレットを使うように修正。Get-*な関数のようにパイプラインの先頭で実行する関数でも、内部でPowerShellのコマンドレットや関数の出力を利用する場合は、配列化してforeachするよりも、ForEach-Objectで出力を逐次処理した方が良いですね。内部関数の出力がすべて完了してから一気に出力するのではなく、内部関数が1個オブジェクトを出力するたびに出力するようにできるので。)

function Show-Drive
{
    [OutputType([Winscript.Drive])]
    param(
        [Parameter(ValueFromPipeline=$true,Mandatory=$true)]
        [Winscript.Drive[]]
        $Drive,
        
        [switch]
        $PassThru
    )

    process
    {
        foreach($d in $Drive)
        {
            Start-Process $d.Name
            if($PassThru)
            {
                $d
            }
        }
    }
}
function Set-Drive
{
      param(
        [Parameter(ValueFromPipeline=$true,Mandatory=$true)]
        [Winscript.Drive]
        $Drive,
        
        [Parameter(Mandatory=$true)] 
        [string]
        $VolumeName
    )

    process
    {
        Get-WmiObject Win32_LogicalDisk -Filter "DeviceID='$($Drive.Name)'" |
            Set-WmiInstance -Arguments @{VolumeName=$VolumeName} | Out-Null
    }
}

細かい説明は省きますが、前回説明した関数の基本フォーマットに、自分で定義した型を適用してロジックを書くとこうなる、という参考例としてとらえてください。

一つだけ前回に説明し忘れてたことがあります。それは[OutputType]属性です。これは文字通り、関数の出力型を指定するものです。この属性を指定しておくと何が嬉しいかというと、関数の出力を変数に代入したりWhere-Objectコマンドレットでフィルタをかけるコードを記述する際、関数の実行「前」にもプロパティ名をちゃんとタブ補完してくれるようになります。残念ながらこの静的解析機能はPowerShell 3.0からのものなので2.0だとできませんが、OutputType属性自体は2.0でも定義可能なので、定義しておくことを推奨します。

さて、型の定義と関数の定義をしたので実際に関数を実行してみます。

PS> Get-Drive # 全ドライブ取得

Name       : C:
VolumeName :
Type       : LocalDisk
Size       : 119926681600
FreeSpace  : 12262494208
UsedSpace  : 107664187392
RootPath   : C:\

Name       : D:
VolumeName :
Type       : LocalDisk
Size       : 500086886400
FreeSpace  : 198589583360
UsedSpace  : 301497303040
RootPath   : D:\

Name       : Q:
VolumeName :
Type       : CompactDisc
Size       : 0
FreeSpace  : 0
UsedSpace  : 0
RootPath   : Q:\

Name       : V:
VolumeName : 
Type       : NetworkDrive
Size       : 1500299390976
FreeSpace  : 571001868288
UsedSpace  : 929297522688
RootPath   : \\server\D

PS> Get-Drive | where {$_.Size -gt 1TB} # Where-Objectでフィルタ

Name       : V:
VolumeName : 
Type       : NetworkDrive
Size       : 1500299390976
FreeSpace  : 571001868288
UsedSpace  : 929297522688
RootPath   : \\server\D

PS> Get-Drive -Type NetworkDrive | Show-Drive -PassThru | ConvertTo-Csv #ネットワークドライブのみエクスプローラーで開く。取得結果はCSVとして出力。
#TYPE Winscript.Drive
"Name","VolumeName","Type","Size","FreeSpace","UsedSpace","RootPath"
"V:","","NetworkDrive","1500299390976","571001868288","929297522688","\\server\D"
PS> Get-Drive -Name D: | Set-Drive -VolumeName 新しいドライブ # D:ドライブのボリューム名を指定。(管理者権限で)

関数をきちんとPowerShellの流儀に従って記述したおかげで、このようにPowerShellの他の標準コマンドレットと同様の呼び出し方ができ、自作関数やそれ以外のコマンド同士をうまくパイプラインで繋げて実行することができています。

さて、おそらく一つ気になる点があるとすれば、ドライブの容量表示が見づらいということでしょう。容量であればGBとかの単位で表示してほしいですし、大きい数字は,で桁を区切ってほしいですよね。じゃあそういう値を文字列で返すプロパティを定義してやる必要があるというかと言えばそんなことはなく、PowerShellには型に応じた表示フォーマットを指定する方法が用意されています。次回はそのあたりを解説しようと思います。

また、C#とかめんどくさいしもうちょっと楽な方法はないのか?ということで、最初の方でちょっと触れた、ユーザー定義オブジェクトを利用する方法も、余裕があれば次回に。

さて、PSアドベントカレンダー、明日はsunnyoneさんです。よろしくお願いします!

2012/08/01

シェル操作課題 (cut, sort, uniq などで集計を行う) 設問編 - Yamashiro0217の日記

ログファイルをコマンド使って解析するというこの課題。

え。Windows?まさか???cygwin入れたり、vmでやってみたり、開発サーバーで作業すればいいんじゃないっすか(ホジホジ)

いやいやWindowsでシェルと言えばPowerShellでしょう!というわけでやってみました。出力形式に関しては本筋とは関係ないと思うので、PowerShellのデフォルトのままです。

準備
$logs = Import-Csv hoge.log -Header ServerName,UnixTime,UserId,AccessUrl
問1 このファイルを表示しろ
$logs
問2 このファイルからサーバー名とアクセス先だけ表示しろ
$logs|select ServerName,AccessUrl
問3 このファイルからserver4の行だけ表示しろ
$logs|where {$_.ServerName -eq "server4"}
問4 このファイルの行数を表示しろ
$logs|measure
問5 このファイルをサーバー名、ユーザーIDの昇順で5行だけ表示しろ
$logs|sort ServerName,{[int]$_.UserId}|select -First 5
問6 このファイルには重複行がある。重複行はまとめて数え行数を表示しろ
$logs|sort * -Unique|measure
問7 このログのUU(ユニークユーザー)数を表示しろ
$logs|sort UserId -Unique|measure
問8 このログのアクセス先ごとにアクセス数を数え上位1つを表示しろ
$logs|group AccessUrl -NoElement|sort Count -Descending|select -First 1
問9 このログのserverという文字列をxxxという文字列に変え、サーバー毎のアクセス数を表示しろ
$logs|group {$_.ServerName -replace "server","xxx"} -NoElement|sort Count -Descending
問10 このログのユーザーIDが10以上の人のユニークなユーザーIDをユーザーIDでソートして表示しろ
$logs|where {[int]$_.UserId -ge 10}|select -Expand UserId|sort -Unique

PowerShellはテキスト情報をテキストのまま扱うのではなく、オブジェクトとして扱うところが特徴で、CSVファイルもImport-Csvコマンドレットを用いることで、ヘッダ文字列をプロパティ名として各行をオブジェクトとして読み込んでくれます。

あとは各種オブジェクト処理のコマンドレットに、パイプライン経由でオブジェクトを渡していくだけです。コマンドが何をやっているのかも、列番号ではなくプロパティ名を指定してやるので分かりやすいと思います。この課題に寄せられた回答の中では、シェル操作課題 SQLによる解答例が近いかと思います。

今回はCSVから情報を読み込んでいますが、ソースは別になんであってもいいわけです。たとえばGet-EventLogコマンドレットだとイベントログから持ってくることもできますし、XMLなら$xml=[xml](Get-Content file.xml)みたいな感じです。一旦オブジェクトとして取得できてしまえば、あとの処理方法は基本的に同じなので悩む必要がないのが良いところです。

そしてPowerShellの良いところはやはり、外部処理コマンドを使わずとも、シェル言語と組み込みコマンド(コマンドレット)のみで処理が完結するところです。たとえばbashだけでやるとtsekine's miscellaneous thoughts: シェル操作課題への回答のような大変なことになるようです。sortなど基本的なコマンドは使用するにしても、複雑なフィルタ処理などはawkを組みあわせる等しないと、特に後半の処理は辛いでしょう。PowerShellなら異なる処理系を持ち出す必要がなく、PowerShellのみですべて行えます。

もちろん問題点も色々あります。まず第一に、今回の課題のように、ヘッダ文字列がないCSVの場合は例のようにヘッダー文字列(=プロパティ名)を自分で定義してやる必要が出てきます。そのため可読性はともかく、若干、冗長なところがでてきてます。まあ例のように一旦オブジェクトを作って変数に入れてしまえばあとは使いまわせますが、そこはちょっと厳しい点かもしれません。

あとImport-CsvコマンドレットはCSVの各エントリをすべて文字列型のプロパティとしてオブジェクトに格納するところがちょっと微妙な気がしました。数値は数値型で入れてほしいですよね。おかげで何か所か、[int]にキャストせざるを得ない部分が出てきました。

そして処理速度の問題。おそらくログファイルが巨大だとかなりリソースを食って時間もかかると思います。処理を分ける、バックグラウンドジョブやワークフローで動かす、そもそもログファイルを分割保存するようにしておく、等、実運用上では工夫が必要かと思います。

(5:14追記)
既出でした>< [Power Shell] シェル操作課題への回答 - Pastebin.com(by @usamin5885さん)

2012/03/06

次期Windows Server OSであるWindows Server “8”のベータ版が3/1よりWindows 8 Consumer Preview版と同時に提供が開始されました。今回のリリースでは日本語版も提供されています。

それと同時にPowerShell 3.0 betaを含むWindows Management Framework (WMF) 3.0 betaの提供も始まりました。こちらは英語版のみの提供で、日本語環境にインストールするには英語言語パッケージをダウンロードし適用する必要があります。

まだ評価を初めて間もない段階ですが、きづいた点をいくつか書いてみます。

PowerShell ISEがDeveloper Preview/CTP版から大きく変わっており、コマンドを入力する「コマンドペイン」と結果が表示される「出力ペイン」が統合され、「コンソールペイン」となりました。image

こんな感じでコンソールペインはその名の通りコンソール版のPowerShellと見た目や使用感が似ている上にISEならではの機能(インテリセンスなど)が使用可能になっており、ISEはスクリプト編集のみならずインタラクティブシェルとしてpowershell.exeの代わりに使用する場合でもより便利になったと言えるでしょう。なおISEのキーワード色分け設定は細かく指定できたりします。

Server8ではActive Directory管理センターの大幅な機能増強が目に留まります。Active Directory管理センターには「Windows PowerShell 履歴」ペインが追加され、GUIで操作した履歴がそのまま、再実行可能なPowerShellスクリプトとして表示されるようになりました。

たとえばユーザーを作成する作業をGUIでやります。

image

するとその作業内容がこのように履歴ペインに表示されます。

image

履歴はまさにPowerShellスクリプトそのままなので、これを「コピー」してISEに貼りつけるともうスクリプトファイルが完成します。

image

あとは必要に応じてパラメータを変更したり、ループを設けて繰り返し処理をしたり、自由自在に再利用ができます。ここではユーザー名を”testuser2”に変えて実行してみました。最初にGUIで作ったユーザーと同じ設定を用いて複数のユーザーを作成することが簡単に行えます。ユーザー名を記載したCSVファイルを読み込んでそのユーザーを一括作成することなどもできますね(PowerShellにはImport-CsvというCSVファイルを扱うコマンドレットもあります)。

スクリプトファイルにして保存すれば何回でも実行可能ですし、PSScheduledJobモジュールを使ってタスクスケジューラに登録すれば定期実行も可能です。

履歴スクリプトのうち、どこからどこまでが「今やった作業」なのか分かりにくいこともあると思いますが、そういうときには履歴ペインの「タスクの開始」をクリックし、今からやりたい作業名をまずメモします。

image

そしてGUIで作業を行い、終わったら「タスクの終了」をクリックします。

image

作業単位でこれを繰り返します。すべてが終わったら履歴をすべてコピーしてISEに貼りつけてみます。

image

するとこのようにタスク名がコメント行として挿入され、スクリプトのどこからどこまでが、どの作業に対応しているかが明確になるわけです。

このように管理GUIがPowerShellモジュール(コマンドレット)のフロントエンド的存在となり、GUIでの操作によりPowerShellコマンドレットが実行され、その履歴はスクリプトとして再利用が可能というMicrosoftが提唱する新しい管理方式が、ついにWindows Serverの本丸的存在Active Directoryに採用されたということになります。2008R2のActive Directory管理センターも内部的にはそういう構造だったのですが、履歴をスクリプトとして取り出す方法がなかったのですが、Server8からは可能になったということになります。

これまではこの構造が完全に組み込まれていたのはExchange Serverなど限られた製品のみでしたが、今後はこちらの構造が主流になると思われます。GUIとCUIの「いいとこどり」ができるこの構造はなかなか理想的なシステムなんじゃないかと思います。

PowerShellは3.0になってますますWindows OS管理の中核として重要度が高まっており、それに答えるように様々な機能増強が行われています。今回紹介したのはその一面ですが、特にServer8においてPowerShellがいかに重要かはWindows Server "8" に関するテクニカル プレビューの各項目の記述内容の多くにPowerShellに関する記載があることでも分かるかと思います。

2011/09/08

PowerShellでクリップボードを読み書きする方法については5年ほど前にクリップボードアクセス(未完)II という記事を書きました。タイトル通り未完でして、このたび完結編を書こうと思いました。

System.Windows.Forms.Clipboardクラスを使う場合は先の記事にあるようにPowerShellをSTAで動作させる必要があります。ver.1の当時はその方法がありませんでしたが、ver.2ではpowershell.exeに-staパラメータが追加され、STAでの実行が可能となっています。

-staパラメータを使用しない場合は相変わらずこの方法は使えません。powershell.exe –staのプロセスを逐次起こして、クリップボードアクセス部分だけSTAの子プロセスでやらせることも不可能ではないですが、冗長ですしパフォーマンスの点で難があります。

ver.2ではAdd-Typeコマンドレットが追加され、任意のC#コードを動的に読み込むことができるようになりました。これを利用してクリップボードアクセスクラスを書くという手もあると思います。その中ではSTAのスレッドを起こしてクリップボードアクセスをすることになります。実際PowerShell Community Extensionsに含まれるOut-Clipboard/Get-Clipboardコマンドレットはそのような実装がされているようです。ですが動的にコードを読み込みコンパイルはやはりパフォーマンス上不利ですし、PSCXをインストールできない場合などもあるでしょう。

ところでSystem.Windows.Formsに含まれるTextBoxクラスはその名の通りテキストボックスコントロールなのですが、このコントロールにはCopy()メソッドとPaste()メソッドがあり、これらを使うとクリップボードに書き込み、クリップボードから読み込みが可能です。TextBoxクラスの良いところは、STAである必要がないところです。この方法を最初に提唱したのはこちらの方かな?

この方法を用いた関数もすでに公開されているのですが、PowerShellの作法に則った使い方ができるように少し改良を加えました。具体的には

Set-ClipBoard:  配列の指定、パイプラインからの入力を可能にした。

Get-ClipBoard: クリップボードの中身が複数行のテキストの場合、文字列配列を返すようにした。(Get-Contentと同様)

という変更を加えています。

function Set-ClipBoard
{
    param([parameter(Mandatory=$true,
            ValueFromPipeline=$true)][object[]]$InputObject)
    begin
    {
        Add-Type -AssemblyName System.Windows.Forms
        $tb = New-Object System.Windows.Forms.TextBox
        $tb.Multiline = $true
        $out=@()
    }
    process
    {
        $out+=$InputObject
    }
    end
    {
        $tb.Text = $out -join "`r`n"
        $tb.SelectAll()
        $tb.Copy()
    }
}

function Get-ClipBoard
{
    Add-Type -AssemblyName System.Windows.Forms
    $tb = New-Object System.Windows.Forms.TextBox
    $tb.Multiline = $true
    $tb.Paste()
    $tb.Text -replace "`r`n","`n" -replace "`r","`n"  -split "`n"
}

使い方例

# ファイルのフルパスをクリップボードに格納
Get-ChildItem|select -expand fullname|Set-ClipBoard

# CSV文字列がクリップボードに入っている場合以下のコマンドを実行すると、
# クリップボードの中身が対応するHTML tableタグに置換される
Get-ClipBoard|ConvertFrom-Csv|ConvertTo-Html -Fragment|Set-ClipBoard

やっぱりパイプで繋ぐのがPowerShellの醍醐味ですよね!

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2011/09/08/202547.aspx

2007/06/17

ダッチさんのメソッド名ランキングにインスパイアされてPowerShellのコマンドレットではどうなのかというのをやってみました。

get-command |group-object verb|sort count -descending

結果

Count Name                      Group
----- ----                      -----
   29 Get                       {Get-Acl, Get-Alias, Get-AuthenticodeSignatu...
   13 Set                       {Set-Acl, Set-Alias, Set-AuthenticodeSignatu...
    8 New                       {New-Alias, New-Item, New-ItemProperty, New-...
    7 Write                     {Write-Debug, Write-Error, Write-Host, Write...
    6 Out                       {Out-Default, Out-File, Out-Host, Out-Null...}
    5 Remove                    {Remove-Item, Remove-ItemProperty, Remove-PS...
    4 Add                       {Add-Content, Add-History, Add-Member, Add-P...
    4 Format                    {Format-Custom, Format-List, Format-Table, F...
    4 Clear                     {Clear-Content, Clear-Item, Clear-ItemProper...
    4 Export                    {Export-Alias, Export-Clixml, Export-Console...
    3 Invoke                    {Invoke-Expression, Invoke-History, Invoke-I...
    3 Start                     {Start-Service, Start-Sleep, Start-Transcript}
    3 Stop                      {Stop-Process, Stop-Service, Stop-Transcript}
    3 Import                    {Import-Alias, Import-Clixml, Import-Csv}
    2 ConvertTo                 {ConvertTo-Html, ConvertTo-SecureString}
    2 Copy                      {Copy-Item, Copy-ItemProperty}
    2 Update                    {Update-FormatData, Update-TypeData}
    2 Select                    {Select-Object, Select-String}
    2 Rename                    {Rename-Item, Rename-ItemProperty}
    2 Move                      {Move-Item, Move-ItemProperty}
    2 Measure                   {Measure-Command, Measure-Object}
    1 Sort                      {Sort-Object}
    1 Where                     {Where-Object}
    1 Tee                       {Tee-Object}
    1 Split                     {Split-Path}
    1 Test                      {Test-Path}
    1 Trace                     {Trace-Command}
    1 Suspend                   {Suspend-Service}
    1 ForEach                   {ForEach-Object}
    1 Group                     {Group-Object}
    1 Join                      {Join-Path}
    1 Compare                   {Compare-Object}
    1 ConvertFrom               {ConvertFrom-SecureString}
    1 Convert                   {Convert-Path}
    1 Resolve                   {Resolve-Path}
    1 Restart                   {Restart-Service}
    1 Resume                    {Resume-Service}
    1 Pop                       {Pop-Location}
    1 Push                      {Push-Location}
    1 Read                      {Read-Host}

やはりGetが多いですね。対応してSetも多いです。結果は普通ですが一行のコマンドでこんなことが分かるのが面白いでしょ?

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2007/06/17/81041.aspx


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