2017/12/24

この記事には「 独自研究 」に基づいた記述が含まれているおそれがあります。

この記事はPowerShell Advent Calendar 2017の24日目です。

一般的なプログラミング言語では、文(statement)と式(expression)の違いは、値を返すのが式で、返さないのが文、という説明がされることが多いと思います。しかし、PowerShellではこの説明は成り立たたず、文が値を返したりしてるように見えて良く分かりません。そこでPowerShellにおける文と式とはそもそも何なのかということを、仕様書(PowerShell 3.0のものですが)やAST(ShowPSAstモジュールが便利!)を眺めながら考えてみたので軽くまとめようと思います。

文(statement)と式(expression)の定義

PowerShellでは言語要素として、文(statement)と式(expression)が明確に定義されています。すなわち、言語要素の何が文であって、何が式であるかという定義は仕様できちんと決まっていて、ある言語要素が、状況によって文になったり式になったりと変化する、ということはありません。

パイプライン、代入、ifやforやfunctionなどは文です。

変数、数値/文字リテラル、オブジェクトのメンバ呼び出し、スクリプトブロック、単項または二項算術演算子で構成される式、カンマ演算子で構成される配列などは式です。

ただ、仕様書での定義と、実際に構築されるASTに齟齬があることはあります。

例えば「$a=1」のような代入については、ASTではAssignmentStatementAstとなります。一方、言語仕様上はassignment-expressionと書かれています。厳密には、言語仕様書のgrammer節によれば、assignment-expressionはexpressionではなくpipelineであるということになっています(お前は何を言っているんだ)。いずれにせよパイプラインは文であるので、AST通り、代入は文であるという解釈で良いと思います。

※仕様書にはassignment expressionとはっきり書いてあるんだから代入は式だろ!という意見を否定するものではないです。が、代入は文であると考えたほうが他の文法と整合性を取りやすいので、そういう立場をとりました。

しばたさんが9日目に書かれた記事で取り上げられているように、配列に関しても同様の齟齬があります。いずれにせよ「1,2,3」のような配列は、式と考えて良いと思います。

文と式の構造

PowerShellには文と式が存在することは分かりました。では文と式は何が違うのか? それを考察するために、具体的にいくつかの文と式の構造を取り上げて見ていきます。

パイプライン(文)

パイプラインといえば「Get-Process | Where-Object Handles -gt 100 | Select-Object ProcessName」みたいな|で繋ぐやつのことでしょ、と思われがちですが、言語仕様上は以下のようなものはすべてパイプラインです。

Get-Process -Name PowerShell # @コマンド1つだけ
1 # A数値リテラルだけ
1 + 1  # B算術演算子で構成される算術式
$a = 1 # C代入
gps | where Handles -gt 100 | select ProcessName # Dパイプ記号でコマンドを連結したもの
1 + 1 | Write-Host # E算術式をパイプラインでコマンドと繋げたもの

要はパイプラインというのは、一般的なプログラミング言語で、;で終わる一文に相当するものと考えればだいたい間違いないと思います。ただしPowerShellだと文末の;は必須ではなく、改行でもOKです。

パイプラインは以下のような構造を取ります。[]は省略可能を意味します。

パイプライン要素1 [ | パイプライン要素2] [ | パイプライン要素3] ...

または、

代入文

すなわち、代入文(後述)を除くパイプラインは1個以上のパイプライン要素から構成されており、複数のパイプライン要素が存在する場合はパイプ演算子|で連結されます。

パイプライン要素には式とコマンド(Get-Processとか)が存在します。ただし式は1つ目のパイプライン要素にのみ許可されます。

以上を踏まえると、@、Dはコマンドのみで構成されるパイプライン、A、Bは単独の式のみで構成されるパイプライン、Eは1つの式とコマンドで構成されるパイプライン、Cは代入文であることが分かります。

代入文

代入文はパイプラインなので、文です。代入文は以下のような構造を取ります。(ここでは+=などの複合代入演算子については省略)

式 = 文

ただし、左辺の式は、変数やプロパティなど、代入が可能な式である必要があります。

よって以下のような記述が可能です。

$a = $b # @変数
$a = 1 + 1 # A算術式
$a = Get-Process # Bパイプライン(コマンド1つ)
$a = gps | where Handles -gt 100 # Cパイプライン(コマンド複数)
$a = if($true){"a"}else{"b"} # Dif文
$a = $b = 1 # E代入文の結果を更に代入

言語仕様上、代入文の右辺には文であれば何でも書けるのですが、実際に代入が行われるのは、パイプライン、if文、for文、switch文といった、パイプラインに値を出力する文と代入文に限られます。ちなみにDのようにパイプラインと代入文以外の文を右辺に指定できるようになったのは、PowerShell2.0からです。

ところで上記@やAは右辺が式です。代入文の右辺は文じゃなかったの?と思われると思いますが、パイプラインの節で述べた通り、単独の式もパイプラインであり、パイプラインは文なので、三段論法でいくと式は文として扱われることになります。

※AST上では$a = $bの右辺はPipelineAst/CommandExpressionAst/VariableExpressionAstではなく、いきなりCommandExpressionAst/VariableExpressionAstとなっているので、この説明はASTの実装とはかみ合わないかもしれません。AssignmentStatementAst.Rightは確かにStatementAstを取るのですが、CommandExpressionAstはStatementAstから派生しているクラスなので、式の代入は問題なく行えます。

代入文は上記Eのようなことができることから分かる通り、値を返す文ですが、パイプラインには値を出力しません。値は返すがパイプライン出力がないものは、インクリメント演算子で構成される式($a++等)も同様です。

if文

パイプラインと代入文以外の文は色々あるわけですが、代表的なものとしてif文を取り上げます。一番シンプルなif文はこういう構造です。

if (パイプライン) {
    文1
    文2
....}

おそらく多くの人が誤解しているのではないかと思いますが、条件節に書くのは式ではなくパイプラインです。パイプラインを実行した結果、出力値がtrue、またはboolに型変換してtrueになる場合に、ブロック内の複数の文が実行されます。

よって以下のような記述が可能です。

if ($true) {} # @変数
if ($a -eq 1) {} # A論理演算子で構成された式
if ("a.txt" | Test-Path) {} # Bパイプライン
if ($a = 1) {} # C代入文

@とAは普通の書き方ですが、実際には、1つの式のみ有するパイプラインを実行し、出力される値が判定されています。

条件節はパイプラインなので、当然Bのような書き方もできるわけです。また、代入文もパイプラインであるので、Cの書き方もできてしまい、注意を要します。

条件節に指定できるのはパイプラインだけで他の文は許容されないので、
if (if($true){}){}
というような書き方はできません。

※といっても実はこう書くと文法上はvalidであり、条件節内は「ifコマンド、パラメータ値1($true)、パラメータ値2(スクリプトブロック)」という解釈になってしまいます。

また、条件節にはパイプラインは1つのみ指定可能で、複数文を書くことはできないので、
if ($a;$b) {}
という書き方はできません。(パーサーもエラーを出す)

丸括弧式

さて、普通のプログラミング言語だと、()はグループ化や演算子の優先順を変更するのに用いられるものの、別に文法そのものに影響を与えるものではないと思います。多くの場合、ASTでも()の情報はそぎ落とされます。

ところがPowerShellでの丸括弧()は文法的な意味を有しており、ASTにもParenExpressionAstとして存在する、立派な式です。丸括弧式の構造は以下の通りです。

(パイプライン)

これは要するに、「パイプラインに()を付けると式になる」、ということです。()内のパイプラインで出力された値が返される式となります。具体的にどういうところで使うのかを示します。

2 * (1 + 3) # @数値演算の優先順を変更する
($a = 1) # A値を返すがパイプラインには出力しない代入文の値を出力させる
$a[(Get-Hoge)] # B式は許容するがパイプラインは許容しない構文で、式に変換する
Get-Process -Name (Get-Hoge) # Cコマンドのパラメータにコマンド実行結果を指定する

@の使い方は普通です。ただし、()はパイプラインを生成するので、「(1+3)」は「1つの式のみ有するパイプラインを実行し、パイプラインに値を出力し、その値を返す」という見た目より複雑な処理になります。

※少なくともAST上はそうなりますが、実際は何らかの最適化処理が入ってる可能性はあります。

代入を重ねる場合にはAのような書き方は必要ないのですが、代入した結果をパイプラインの出力としたい場合は()を付ける必要があります。この場合、$aに1が代入され、コンソールにも1が出力されます。

Bで挙げている、式を許容するがパイプラインは許容しない言語要素というのは実はあまりないです。前述した通りif文の条件節は式じゃなくて、パイプラインを取るといった案配です。ただ、たとえば配列や連想配列の要素を取得するインデックス演算子[]は、式のみ許容されます。なのでコマンドなどのパイプラインの出力値を指定したい場合は()が必須となるわけです。

ちなみに、()内にはパイプライン以外の文(if文等)は指定できません。また、複数のパイプラインも指定できず、あくまで1つだけです。

※任意の文あるいは複数の文を式としたい場合には、部分式演算子$()または@()を用います。両者とも内部の文がパイプラインに出力した値を返す、「部分式」となります。両者とも複数値が出力されると配列になりますが、@()は出力値が1つでも要素数1の配列を返す点が異なります。

まとめ?

PowerShellの文と式は厳密に定義されています。文は複数の文と式で構成されるし、式は複数の文と式で構成されています。文や式の構成要素が取る文や式の種類についても、各々、きちんと定義されています。

ただし、PowerShellにおいて「値を返すか返さないか」、「パイプラインに出力されるかされないか」、「式であるか文であるか」という概念はすべて独立しています。そのため、PowerShellの文とは何である、式とは何である、ということを一言で説明することは難しいんじゃないかと思います。

なので、本記事でこれまで述べてきたとおり、「パイプラインは文で、要素として式やコマンドを取りますよ」とか、「ifは文で、条件節にはパイプラインを取りますよ」みたいな、各論でしか表現できないのではないかなぁと、私はそういう結論に至りました。

しかしここまで書いてちゃぶ台をひっくり返すようなことを言いますが、ある言語要素が文であるか式であるか、ここまで仕様書を読んだりASTを追ったりして把握するのは、まあ楽しくなくはないですが、知らなくても別に大丈夫だと思われます。別に、ifの条件節には条件式を書くのだと理解していても不都合は特にないかと。

効用があるとすれば、例えば「if ((Test-Path a.txt)) {}」とか「foreach ($i in (1..5)) {}」とかの、余分な()を取り除くのには文法の知識が役立ちます。それもまぁ、心配だから怪しい所には常に()付けておく or 何か変だったら()付けてみる とかでもそれ程問題にはならないかもしれません。

2017/12/10

この記事はPowerShell Advent Calendar 2017の10日目です。

PowerShellはオブジェクトを扱うシェルですが、別にテキストデータを扱えない訳ではありません。むしろ、PowerShellで取得したデータをテキストファイルとして保存したり、スクリプトで用いるデータをテキストファイルで保存しておくことは日常的に行われることだと思います。

ただし、PowerShellで扱うデータはオブジェクトであり、テキストファイルは文字通り文字列であることから、コマンドレットを用いる等、何らかの手段で変換が必要になります。また、テキストデータ形式にも様々な種類があり、それぞれメリット、デメリットが存在します。今回の記事では、PowerShellで用いるデータを保持しておく際のテキストデータ形式について比較をしてみます。

プレーンテキスト

プレーンテキスト、すなわち書式なしのテキストファイルです。もっともシンプルな使い方をする場合、文字列配列の各要素に含まれる文字列が、テキストファイルの1行と対応します。

書き出し
$lines | Set-Content -LiteralPath file.txt -Encoding UTF8

$linesは文字列変数です。

特に理由がなければ文字コードはUTF-8で良いと思います。

追記
$lines | Add-Content -LiteralPath file.txt -Encoding UTF8

Add-Contentは実行のたびにファイルを開いて、書き込んでから閉じるという動作をするので、1行ずつforeachで実行するのはNGです。

読み込み
$lines = @(Get-Content -LiteralPath file.txt -Encoding UTF8)
メリット
  • 文字列配列をテキストファイルに書き出すのは多分これが一番楽だと思います。
  • 書き出したデータは人間にも読みやすい。 編集もしやすい。
デメリット
  • 文字列だけを保存しておきたいというケースがそもそも少ない。
CSV

コンマ等の特別な文字で区切り、1行あたりに複数のデータを保存できる形式です。

PowerShellのコマンドレットで扱う場合、オブジェクトが持つプロパティがヘッダ列名に対応します。各行にオブジェクト配列1要素のプロパティ値が、カンマ区切りで保持されます。

書き出し
$objects | Export-Csv -LiteralPath file.csv -NoTypeInformation -Encoding Default

$objectsは任意のオブジェクト配列です。必要であればSelect-Objectコマンドレットを併用して、プロパティを絞り込みます。

文字コードはExcelでそのまま読み込み/書き出しができるDefault(日本語環境ではShift_JIS)がお勧めです。(最近のExcel2016ならUTF8も一応読めますが)

追記
$objects | Export-Csv -LiteralPath file.csv -Append -NoTypeInformation -Encoding Default
読み込み
$objects = Import-Csv -LiteralPath file.csv -Encoding Default
メリット
  • オブジェクトのプロパティ値が、すべて数値あるいは文字列で表現できる値を持つ場合に最も適合する。
  • 人間にも読みやすく、ある程度は編集もできる。
  • Excelで開ける。
デメリット
  • オブジェクトのプロパティが、数値と文字列以外のオブジェクトである場合、すなわち、階層構造を持つデータの保存には適さない。
  • 数値も文字列として読み込まれてしまうので、数値として扱いたい場合は変換が必要になる。
  • Export-CsvとImport-Csvで扱うCSVファイルはヘッダが必須。つまり、ヘッダなしのCSVファイルが既にあって、それを読み書きするという用途には適さない。(できなくはないが)
  • 書き出し時の列順を制御することができない。つまり、PowerShellで書き出したCSVを、列順が固定であるとの想定である他のプログラムで読み込むことは基本NG。
  • 書き出し時、1つ目の要素に存在しないプロパティは、2つ目以降では存在しないものとして扱われる。同種のオブジェクトで構成される配列なら通常は問題ないのだが、要素によって動的に追加されるプロパティがあったりなかったりすると厄介。(ADでありがち)
JSON

JavaScriptのような表記でデータを保持するデータ形式です。データの受け渡しに様々な言語で利用できます。Web APIでもよく利用されます。

PowerShellではv3からJSONを扱うコマンドレットが提供されています。

書き出し
$objects | ConvertTo-Json | Set-Content -LiteralPath file.json -Encoding UTF8
読み込み
$objects = Get-Content -LiteralPath file.json -Encoding UTF8 -Raw | ConvertFrom-Json
メリット
  • CSVと異なり、階層構造を持ったデータでも扱える。
  • CSVと異なり、数値は数値型のまま読み書き可能。 (整数値はint、小数値はdecimal)
  • 人間にもまぁまぁ読めるし、頑張れば編集できなくもない。
デメリット
  • -Depthパラメータによりプロパティを展開する階層の深さを指定はできるが、プロパティに応じて深さ指定を変化させるというようなことはできない。基本的には、自分で構築したPSCustomObjectを使うか、JSON化する前に自分で元オブジェクトを整形しておく必要がある。
  • 直接ファイルに書き出し、追記、ファイルから読み込みするコマンドレットはない。
  • 実は細かい話をしだすと色々と罠があります…。
CLIXML

PowerShellではPSリモーティング等、プロセス間でオブジェクトのやり取りを行う際に、CLIXML形式を介してシリアライズ/デシリアライズが実行されます。シリアライズ対象によっては、完全に元のクラスのオブジェクトに復元されます。(復元されないオブジェクトにはクラス名にDeserialized.との接頭辞が付与され、プロパティ値のみ復元される)

ユーザーもコマンドレットを用いて、任意のデータをCLIXML形式でシリアライズし、XMLファイルとして保存することができます。

書き出し
$objects | Export-Clixml -LiteralPath file.xml
読み込み
$objects = Import-Clixml -LiteralPath file.xml
メリット
  • 元のオブジェクトの構造、プロパティ値と型情報を含めてほぼ完全にテキストファイルに保存できる。
  • 復元したオブジェクトはプロパティ値を参照できるのはもちろん、オブジェクト全体が完全にデシリアライズされ、元の型に戻った場合には、メソッドを実行することも可能。
  • 例え元の型に戻らず、Deserialized.との接頭辞が付いた状態でも、コンソールに表示する場合は元の型のフォーマットが使われるので見やすい。
デメリット
  • すべてのオブジェクトが元の型に戻せるわけではない。戻せるかどうかは確認が必要。
  • 人間が読み書きするようなものではない。

ちなみに、ConvertTo-Xmlという似たようなコマンドレットがありますが、出力形式はCLIXMLではない上、復元の手段もなく、かといって別に読みやすいXMLというわけでもなく、正直何のために使うのかよく分かりません(適切なxsltでも用意すればいいのかな?)。まだConvertTo-Htmlの方が使えそうです。

psd1

psd1は「PowerShellデータファイル」で、モジュールマニフェストやローカライズデータに使われるファイル形式です。スクリプトファイルの1種ですが、数値や文字列リテラル、配列、連想配列、コメントなど基本的な言語要素のみ使用可能です。PowerShell 5.0以降ではImport-PowerShellDataFileコマンドレットを用いて、任意のpsd1ファイルのデータを読み込み、変数に格納することが可能です。

書き出し

書き出し用のコマンドレットはありません。

読み込み

例えば以下のような内容をbackup_setting.psd1として保存しておきます。ルート要素は必ず連想配列にします。

@{
	Directories = @(
		@{
			From = "C:\test1"       # コピー元
			To = "D:\backup\test1"  # コピー先
			Exclude = @("*.exe", "*.dll")
			Recurse = $true
		},
		@{
			From = "C:\test2"
			To = "D:\backup\test2"
			Exclude = @("*.exe")
			LimitSize = 50MB
		},
		@{
			From = "C:\test3"
			To = "D:\backup\test4"
		}
	)
	Start = "0:00"
}

なお、dataセクションで全体を括ってもいいですが、psd1で許容される言語要素はdataセクションより更に制限がきついので、敢えてしなくてもいいんじゃないかと思います。

このファイルは以下のように読み込めます。

$setting = Import-PowerShellDataFile -LiteralPath backup_setting.psd1

$settingには連想配列が格納され、以下のように値が参照できます。

$setting.Directories | foreach {Copy-Item -Path $_.From -Destination $_.To}
メリット
  • PowerShellの構文でデータを記述できる。
  • 通常のps1ファイルを呼び出すのとは異なり、式の評価やコマンド実行などはされない分、セキュアである。
  • 配列と連想配列の組み合わせにより、JSONライクな階層構造を持てる。型情報も保持される。
  • JSONとは違い、コメントが入れられる。
デメリット
まとめ

PowerShellで扱うデータをテキストファイルとして保存する際には、各テキストデータ形式の特性を理解し、メリット、デメリットを踏まえて選定する必要があります。

また、当然ながらテキストファイルに保持することが不適切なデータもありますので、そこは注意してください。(画像データを敢えてBase64とかでエンコードしてテキストファイル化する意味があるのか、とかですね)

個人的には…

ちょっとした作業ログ等を記録しておきたい→プレーンテキスト

.NETオブジェクトの一部のプロパティだけ抜き出してファイル化したい→CSV

自分で構築したPSCustomObjectをファイル化したい→JSON

.NETオブジェクト全体をファイル化したい→CLIXML

スクリプトで使う設定データを用意したい→psd1

みたいな感じでなんとなく使い分けていると思います。psd1はまだ採用例はないですが…。

今回はビルトインのコマンドレットで扱えるもののみ取り上げましたが、他にもyaml等のテキストデータ形式が存在し、有志によるモジュールを用いて扱うことが可能です。

2017/12/01

この記事はPowerShell Advent Calendar 2017の1日目です。

毎年恒例のPowerShell Advent Calendar、今年も始まりました。ここ数年は私がトップバッターを務めさせていただいて、1年間のPowerShell界隈の出来事をさくっとまとめてみています。→2016年2015年

昨年2016年はPowerShell 10周年の年であり、PowerShell 5.1、Windows Server 2016、Nano ServerとPowerShell Core Editionが各々正式版としてリリースされ、さらにはPowerShellがオープンソース化、マルチプラットフォーム展開を始めるという大きな変革があった年でした。

今年2017年は昨年ほど大きな変化はないとはいえ、昨年のOSS化からのマルチプラットフォーム展開を着実に進行させた年だと言えると思います。

以下、いくつかトピックを紹介します。

WMF 5.1インストーラーの登場

PowerShell 5.1を含むWMF (Windows Management Framework) 5.1は、Windows2016に同梱され、昨年8月にリリースされたWindows 10 Anniversary Updateにも同梱されました。今年1月に公開されたWMF5.1のインストーラーは、下位OS(Windows 7/8.1/Server 2008 R2/2012/2012 R2)のためのものです。

なお、Win10/2016に同梱のPester(テストフレームワーク)やPSReadline(コンソール入力支援)についてはWMF5.1には含まれていないので、別途PowerShellGetでインストールするのがお勧めです。

Azure Cloud ShellでのPowerShell サポート

Webブラウザ上で動作するAzureの管理用シェルである、Azure Cloud ShellではまずBashがサポートされていましたが、今年9月にPowerShellもサポート(まだプレビューですが)されました。

自動的に認証された状態で最新のAzure PowerShellのコマンドが使え、AzureのリソースにAzure:ドライブを介してアクセスすることが可能です。

注意点があって、このPowerShell版Azure Cloud Shell、どうも現バージョンでは(Nano Serverではなく)Windows Server Coreのコンテナ上で動作しているらしく、Bashに比べ起動が若干遅いのと、実体はPowerShell CoreではなくWindows PowerShell 5.1であることはちょっと念頭においておいたほうがいいかもしれません。

これ、PowerShell CoreではまだAzure PowerShellの全機能がサポートされてないからだと思うんですが、今後に期待ですね。

PowerShell for Visual Studio Code 正式版リリース

先だってオープンソース化された、マルチプラットフォーム対応のコードエディタであるVisual Studio CodeでPowerShellスクリプトの開発を行うためのExtension、PowerShell for Visual Studio Codeの正式版(1.0)が5月に公開されました。なお、現時点での最新バージョンは1.5.1となっています。

当初は、PowerShellに付属の標準スクリプト開発環境、PowerShell ISEの方が多機能だったようにも思いますが、今はもう完全にISEの機能を追い越したんじゃないかと思います。シンタックスハイライト、インテリセンス、デバッグ、コンソールといった基本機能はもちろん、Gitによるバージョン管理もVSCode自体でサポートされていることに加え、静的解析機能を提供するPowerShell Script Analyzer、テストフレームワークのPester、プロジェクト管理機能を提供するPlasterなどが統合されており、本格的な開発環境となっています。

また当然ではありますが、マルチプラットフォーム対応なので、WindowsではWindows PowerShell 、LinuxやMacではPowerShell Coreの開発が各々可能です。

公式ブログでのアナウンスによれば、今後ISEがなくなることはありませんが、ISEに新機能が追加されることはなくなり、PowerShell for VSCodeの開発に注力されることになります。ISEはとにかく標準添付である(GUI有効ならサーバーOSでも動く!)という強みがあり、シンプルなスクリプト記述であればそこそこ便利に使えるので、これからもシチュエーションに応じて使い分けて行けば良いのかなと思います。

PowerShell Core RCのリリース

昨年OSS化したPowerShell Core 6はα版として開発が続いていましたが、今年5月にはβ版となり、先月(11月)、ついにRC(Release Candidate)となりました。6.0.0のGAリリースは来年1月になるそうです。

OSS化直後からRCに至るまでの変更点は多岐に渡り、とても一言で説明できるものではないですが、ポイントとしては以下の3点に集約されるんじゃないかと思います。

  1. PowerShellが長年抱えていた問題点の洗い出しと修正

    PowerShellがOSS化した当初は、ほとんどがWindows PowerShell 5.1のコードそのままであったと言ってよいかと思います。10年以上増改築が繰り返されたコードが突如、全世界に公開されたわけです。コミュニティの力でバグや変な仕様といった問題点が洗い出され、どんどん修正されていきました。
    また、不足していると思われる機能はどんどん追加されました。既存コマンドレットのパラメータが増えるというパターンが多かったように思います。

    特筆すべきは、破壊的変更であっても妥当性があれば躊躇せずに取り入れていったことかと思います。これは英断ではありますが、一方でWindows PowerShell 5.1とPowerShell Coreでは細かいところで非互換性が色々出ていますので、移行の際には注意を要します。

  2. マルチプラットフォーム対応

    前述の通り、OSS化した当初のPowerShell 6.0は、ほぼWindows PowerShell 5.1なので、Windowsでしか動作しない部分が多々ありました。それをLinuxやMac環境でも動作するように多くの修正が加えられました。

    ところで、PowerShell 6.0は当初、条件付きコンパイルにより、Windows用に.NET Framework(Full CLR)をターゲットにして、Desktop Edition相当のPowerShellをビルドすることが可能でした。

    しかしβ版になったタイミングで、OSS版PowerShell 6.0は、「PowerShell Core 6.0」すなわち、「.NET Core上で動作するPowerShell Core」であることが明確にされました。よってFull CLRターゲットのビルドはできなくなり、β6ではついにFull CLR対応のコードはすべて削除され、Core CLR対応のコードのみとなりました。

  3. Windows PowerShell用コマンドレットの呼び出し

    PowerShell Core 6.0にはいくつかのコマンドレットが同梱されていますが、Windows PowerShell 5.1に含まれているすべてのコマンドレットを網羅しているわけではありません。また、WindowsやWindows Serverの管理のために提供されている、OS付属のモジュール群もCore 6.0には含まれておらず、α版の段階では実行も不可能(だったはず)でした。

    β1からターゲットが.NET Core 2.0に移行したことにより、.NET Standard 2.0がサポートされました。このことによって、Windowsに付属の数千ものコマンドレットを初めとするWindows PowerShell用コマンドレット(要はFull CLRをターゲットとしてビルドされたもの)のうち、.NET Standard 2.0に含まれるAPIしか使われていないものであれば、原理的にはPowerShell Coreでも実行可能になりました。

Windows PowerShellの今後

さて、PowerShell Core 6.0がまもなく正式版リリースということですが、では従来のWindows PowerShellはどうなるのか、という話について。

公式ブログのアナウンスによれば、Windows 10やWindows Server 2016に付属のWindows PowerShell 5.1については、今後もサポートライフサイクルに則り、重大なバグフィックスやセキュリティパッチ提供等のサポートは継続されます。もちろん下位バージョンのOS/Windows PowerShellも同様です。

しかしながら、Windows PowerShellに新機能が追加されることは今後はなく、開発のメインはPowerShell Coreへと移行します。つまりは、PowerShell Coreの開発の中で追加された新機能、変更点、バグフィックスについては、基本的にはWindows PowerShellとは無関係ということです。

また、現状ではPowerShell CoreはWindows PowerShell環境に追加インストールし、サイドバイサイド実行が可能となっていますが、将来的にPowerShell CoreがWindowsに同梱されるかどうかについては言及されておらず、今のところは不明です。

以下は私見になります。

このような状況で、Windows PowerShellユーザー、とりわけWindows Serverの管理はするが、Linuxとかは特に…というユーザーはこれからどうすべきか?という点は割と悩ましいところだと思います。個人的には、WindowsやWindows Serverを管理するスクリプトが現時点であるなら、それを無理に今すぐCore対応にする必要はないと思います。現時点で今すぐCoreに移行すべき理由というのはとくに無いと感じます。Coreで追加、改善された機能はあるものの、Coreには無い機能もたくさんあるからです。
また新規にスクリプトを作る場合でも、対象がWindowsに限定されるのであれば、Windows PowerShell用に作れば良いのではないかと。OS付属のコマンドレットの動作は確実に保証されているわけですから。

ただし、ご存じの通りWindows10とServer 2016は半期に一度の大型アップデートで新機能が次々追加されていきます。その過程でPowerShell Coreが含まれるようになったり、Coreのみ対応のコマンドレットが追加される可能性は無きにしもあらずなのではないかとも思います。なので、Coreの状況をチラ見しつつ、未来に備えておく必要はあると思います。Windows10/Server2016の「次」も見据えて。

それとPowerShellでWindowsもLinuxも面倒みていきたい、という野心がある方は、Coreを採用していくのがいいのではないかと思います。ただし、現状しばらくは茨の道ではあるとは思います。

あとはスクリプトやモジュールを作成し公開する方は、より多くの環境で使われるように、可能であればCore対応を進めるのは悪くないんじゃないかと思います。

おわりに

他にもWin10/Server2016におけるPowerShell 2.0の非推奨化の話とか、DSC Core構想とか、なにげに結構いろいろ話題はありました。

さて、Windows PowerShellとしては一端落ち着いた感もある界隈ですが、PowerShell Coreとしてはこれからも活発に動いていくものと思います。注目していきたいですね。

そんな2017年の締めくくり、今年はどんな記事が集まるでしょうか。PowerShell Advent Calendar 2017の参加、お待ちしております。

2016/12/01

この記事はPowerShell Advent Calendar 2016の1日目です。

PowerShellアドベントカレンダー、今年も始まりました。みなさまのご協力の甲斐あって、過去5年間はすべて完走していますが、今回もできれば完走を目指していく感じでまいりましょう。色々な立場の方からの視点でPowerShellを俯瞰できるこのイベント、私自身も毎年楽しんでおります。

さて、去年も2015年のPowerShellをまとめる的な記事から始めたわけですが、今年も去年に負けず劣らず、大変革の年だったと思いますので、今回も1年を振り返るところからスタートしましょう。

Bash on Ubuntu on Windows の登場

去年のPowerShell5.0登場、周辺モジュールのOSS化といった大きな動きがあってから、今年の前半は少しおとなしめ?の界隈でした(5.0のインストーラーにバグがあって一時非公開とか小騒動はありました)が、まず驚いたのがPowerShellそのものではなくて、Windowsで動くbashが登場したというトピックですね。発表があったのは今年の3月末の事です。

bashとは言わずと知れた、Linuxの標準シェルですが、これをWindows 10の"Windows Subsystem for Linux"という仕組みの上で動作するUbuntu上で動作するbashとして動作させてしまおうというものです。なので正式には"Bash on Ubuntu on Windows"という名称になります。

このbash、Windowsのシステムを管理するためのものではなく、Web等の開発用途を想定して提供されたものです。なので本来的にはPowerShellとは関係ないのですが、当初は色々と誤解が飛び交ったように思います。曰く、MSはPowerShellを捨ててやっとbashを採用した。PowerShellとは何だったのか。等々…。

これらの誤解や疑問には、PowerShellの公式ブログで、bashという新たなシェルがWindowsに追加されたが、両者は並立するものだ、PowerShellはこれからも進化するよ!といった異例の公式見解が示されたりもしました。

Bash on Ubuntu on Windowsは、後述するPowerShell 5.1とともに、8月リリースのWindows 10 Anniversary Updateで正式に利用可能となりました。

PowerShell 5.1 の登場

今年7月には、PowerShell 5.1 / WMF (Windows Management Framework 5.1)のプレビュー版が登場しました。[リリースノート]

そもそもPowerShell 5.0はWindows Server 2016のためのシェルとして開発が進められていたはずですが、先にWindows 10に同梱されたものの、2016正式版までやや時間を要すこととなりました。その間にPowerShell 5.0にはいくつかの機能や改良が加えられ、結局、5.1というバージョンが登場するに至ったものと思われます。

PowerShell 5.1は、前述の下位OS用のプレビュー版の他、今年8月初めのWindows 10 Anniversary Updateという大型アップデート適用で使えるようになりました。そしてその後、今年10月に正式版が登場したWindows Server 2016にも(もちろん)同梱されました。

5.1ではローカルユーザーやグループを扱うコマンドレット等が(ようやく?)追加されたりもしています。が、一番大きな変更点は、Windows Server 2016に追加された新機能である、Nano Server用のPowerShellが、従来のPowerShellと分離した点でしょう。

従来の、.NET Frameworkで動くフル機能のPowerShellは、5.1からは"Desktop Edition"と呼ばれます。対して、コンテナに最適化させるため、フットプリントを最小にしたNano Server(や、Windows IoT等)で動作するコンパクトなサブセット、"Core Edition"が新たに登場しました。

Core Editionは、.NET Frameworkのコア部分を実装した、.NET Core上で動作します。ちなみに.NET CoreはOSS(オープンソースソフトウェア)となっています。

Core Editionはサブセット版というだけあって、今となっては若干レガシーにもなった一部のコマンドレットが使えないことを初め、いくつかの制限事項もありますが、概ね、Nano Serverの管理に必要十分な機能を保っているのではないかと個人的には思っています。

PowerShell オープンソース化

今年、PowerShell界をもっとも震撼させたニュース、それは間違いなく、今年8月に実施された、PowerShellのオープンソース化でしょう[GitHub]。周辺モジュールのOSS化など、これまでの流れからいくと、確かに本体OSS化の機運は高まっているように個人的にも感じていましたが、OSS化するとしてもCore Edition部分止まりだろうなーと思っていたら、まさかのDesktop Editionを含んだ全体だったので驚きました。

そしてOSS化の副産物(と個人的には感じる)である、PowerShell on Linux、PowerShell on Macが登場しました。これも一部の方、特にWindowsやMicrosoft製品を普段あまり使われない方に、割と大きなインパクトを与えていたように思います。

PowerShellがオープンソースになったこと、"PowerShell for every system!"になったことの意義についてはちょっと語りつくすには時間が足り無さそうですが、敢えて現実ベースの話を先にすると、一般ユーザー(PowerShellをシステム管理に用いている管理者)にとって、すぐに世界が変化するかというとそうではないんじゃないかという気がしています。

というのも、現在のところOSS版のPowerShellのバージョンは「6.0」とされているものの、まだα版の段階で、基本機能はほぼほぼ5.1と変わらないです。OSS版が改良されても、別に今Windowsで使っているPowerShellがすぐに強くなるわけではありません(現在のところ、サイドバイサイドでインストールする)。オープンソース、マルチプラットフォーム展開を始めたといっても、それは現在の所、PowerShell本体とコアモジュールに留まっていて、コマンド数もたかだか数百個程度でしょう(もうちょっとあるかな?)。PowerShellでOS、サーバー、アプリ、インフラを管理するには、専用のコマンドが山ほど必要になってきますが、それらは今まで通り、Windowsの製品にしか含まれないものです。そのような状況で、たとえばLinuxを管理するのには自分でコマンドを作るか、普通にLinuxのコマンドを呼ぶか…あれそれって別に普通のシェルスクリプトでいいんじゃ…とか。

今後は、OSS側での成果が、Windows / Windows Server上のPowerShellに反映され、両者は一本化される、はず、です、たぶん、が、それはまだアナウンスもなく、いつ、どのような形でもたらされるかは不明と云わざるを得ません。

もちろん、この状況はあくまで現時点の状況です。ゆくゆくはPowerShellで、WindowsもLinuxもMacも一貫したコマンド&スクリプトで管理できる日が来るかもしれませんね。現在のところは、PowerShellの謎挙動に遭遇したとき、ソースを合法的に眺めて思いを馳せることができるようになったのが大きいかと個人的には思います。もちろん腕に覚えのある方は、(ルールに従って)どしどしプルリクエストを投げて、PowerShellを自ら育てていただければな、と思います。

PowerShell 10周年

とまぁ、激動の1年が終わりかけた先日の11/14には、PowerShell 1.0が登場してちょうど10年ということで、PowerShell10周年イベントがあったりしました。思えば遠くへ来たものですね。

さてさて、PowerShellを取り巻く状況は刻一刻と変化し、去年と今年ではその傾向が顕著です。おそらく節目の年である今年の最後を飾ることになる、PowerShell Advent Calendar 2016を、どうぞよろしくお願い致します。

2016/04/23

Japan PowerShell User Group (JPPOSH) 主催の第 6 回 PowerShell 勉強会(4/9)には多数の方にお越しいただき、ありがとうございました。

PowerShell勉強会は今後も年2回くらいのペースで続けて行きたいと思っていますので、どうぞよろしくお願い致します。

さて、私のセッション「PowerShell 5.0 新機能と関連OSSのご紹介」のスライドを公開します。前半は以前のものとだいたい同じですが、正式版対応版にアップデートしています。

今回は去年から今年にかけて、PowerShell関連ソフトウェアとしてOSS化したものを、まとめて紹介しました。以下は今回紹介したもののリストです。

またデモで用いたサンプルファイルも公開します。

このzipにも同梱してますが、PSScriptAnalyzerのカスタムルールはこんな感じで作ります。作り方は、ASTを受け取って、中身をチェックして、ルールに該当するならDiagnosticRecordを返すというのが基本になります。

using namespace Microsoft.Windows.PowerShell.ScriptAnalyzer.Generic
using namespace System.Management.Automation.Language

Import-Module PSScriptAnalyzer

function Test-UsingVarsWithNonAsciiCharacter
{
    # 変数に半角英数字以外の文字種が含まれていると警告するカスタムルール。
    [CmdletBinding()]
    [OutputType([DiagnosticRecord[]])]
    Param
    (
        [Parameter(Mandatory = $true)]
        [ValidateNotNullOrEmpty()]
        [ScriptBlockAst]
        $ScriptBlockAst
    )

    Process
    {
        [Ast[]]$variableAsts = $ScriptBlockAst.FindAll({
            param([Ast]$ast)
            $ast -is [VariableExpressionAst]
        }, $true)

        $variableAsts | 
        where {
            $_.VariablePath.UserPath -notmatch '^[a-zA-z0-9_]+$'
        }|
        foreach {
            $result = [DiagnosticRecord[]]@{
                "Message"  = "変数 `$$($_.VariablePath.UserPath) に半角英数字以外の文字種が使われています。"
                "Extent"   = $_.Extent
                "RuleName" = "AvoidUsingVarsWithNonAsciiCharacter"
                "Severity" = "Warning"
            }
            $result
        }
    }
}
Export-ModuleMember Test-UsingVarsWithNonAsciiCharacter

ついでにPesterのサンプルコードも。2つのパラメータを足し算する関数、Invoke-Additionに対するテストコードの例となります。

$here = Split-Path -Parent $MyInvocation.MyCommand.Path
$sut = (Split-Path -Leaf $MyInvocation.MyCommand.Path) -replace '\.Tests\.', '.'
. "$here\$sut"

Describe "Invoke-Addition" {   # テストの定義
    Context "足し算の実行" {   # テストのグループ化
        It "整数値を2個指定すると、足し算された結果が返る" {  # テストケース
            Invoke-Addition 3 5 | Should Be 8 # アサーション
        }

        It "小数値を2個指定すると、足し算された結果が返る" {
            Invoke-Addition 3.4 5.8 | Should Be 9.2
        }
    }

    Context "エラーの発生" {
        It "足し算できないものを指定するとエラー" {
            {Invoke-Addition 10 "x"} | Should Throw 
        }
    }
}

2015/12/01

この記事はPowerShell Advent Calendar 2015の1日目です。

アドベントカレンダーは今年で5回目ですが、例年よりだいぶ参加者が少ないので、敢えて完走を目指さずまったりいきましょう。

とはいえ今年から来年にかけては、PowerShellの変革の年といっても過言ではないかと思います。

今年7月にはWindows 10のリリースとともに、WMF (Windows Management Framework) 5.0 / PowerShell 5.0 (2012R2/8.1向けにはProduction Preview)が登場しました。(私の書いたPS5.0新機能のセッション資料はこちら。)

PowerShell 5.0では特に、"Infrastructure as Code"、すなわちインフラの構成をコードで記述可能にし自動化するための機能である、PowerShell DSC周りが格段にパワーアップしています。DSCの機能増強により、Microsoft Azure等のクラウド、オンプレミスのサーバーはともに大きな恩恵を受けることが期待されます。Azure DSC Extensionも追従する形で凄まじい勢いでバージョンアップしてますね。

PowerShell 5.0の登場に合わせて、各種のPowerShell関係のモジュールやアプリケーションが新登場していますが、これらはいずれもOSS(オープンソースソフトウェア)となりました。

一例を挙げると、DSCで用いるロジック本体となる「DSCリソース」を作製する際に有用なDSCリソースキット、対応リポジトリをプロバイダという形で拡張可能であるパッケージ管理システムPackageManagement、PowerShellモジュールを専用リポジトリであるPowerShell Galleryからコマンド1発で取得可能となるPowerShellGet、PowerShellスクリプトの静的解析を行うスクリプトアナライザー、Windowsのみならず他プラットフォームの一括管理を目指すDSC for Linux等々です。

先日OSS化したばかりの、マルチプラットフォーム対応のコードエディタであるVisual Studio Codeと、PowerShellスクリプトが記述可能となるPowerShell Extensionあたりもトピックとして熱いですね。

Visual Studio 2015には、VSでPowerShellスクリプト開発を行うためのOSSなプラグインであるPowerShell Tools for Visual Studioが標準搭載されたことも記憶に新しいですね。(12/1追記)

逆に、PowerShellのテストスクリプトを記述するためのフレームワーク(DSL)であるPesterや、コンソールの入出力をパワーアップさせるPSReadlineといった、OSSで開発されている既存のPowerShellモジュールが、Windows 10に標準機能として取り込まれるなど、OSSとの関係性については大きく変化したと言えるでしょう。

そして次期Windows Serverである、Windows Server 2016の足音も聞こえてきました。現在はTP4が公開されており、試すことができます。Windows Server 2016の目玉は何といっても、Windows ContainersNano Serverでしょう。

アプリケーションをコンテナという単位で配置し、自由なすげ替え、あるいは使い捨てが可能な環境を構築するツールであるDockerというOSSに対し、インターフェースの互換性を持たせたWindows版コンテナがWindows Containersです。

そして、コンテナ機能を最大限に活用するためにフットプリントの最小化を目指し、GUIどころかコンソールすら廃した新しいWindows Serverの形態が、Nano Serverです。

Windows ContainersとNano Serverの管理は当然、PowerShellがメインとなります。また、ようやくWindowsにやってくる、SSHクライアントとサーバーはPowerShell上で動くようです。

PowerShellは5.0に進化することで、足回りを強化しました。そして各種OSSと連携して、クラウドとオンプレミスのサーバー群の基礎を支える存在として、ますます重要性を帯びていくことでしょう。

昨今のPowerShellを取り巻く状況は、私の理解ではざっとこんな感じです。この中に興味を持たれたテーマはありませんか? もちろん、新機能以外にも、まだまだ知られていない機能や利用法も埋もれていると思います。

もしそんなテーマがあったら、PowerShell Advent Calendar 2015で共有していただければ嬉しいなあと思います。

というわけで、例年にない感じの初日記事を書いてみました。今回のアドベントカレンダーもどうぞよろしくおねがいします。

2015/11/14

既出ですが、まとめておきます。

今回登場する関数は、elevate.ps1という名前で一つにまとめて保存しておくと便利です。

起動中のスクリプトが管理者権限で実行されているかどうかの確認
function Test-Admin
{
     (
        [Security.Principal.WindowsPrincipal] [Security.Principal.WindowsIdentity]::
        GetCurrent()
     ).IsInRole([Security.Principal.WindowsBuiltInRole]::Administrator)
}

スクリプト中でこのTest-Admin関数を実行してTrueが返れば、スクリプト(もしくはコンソール)は管理者権限で実行されている。

管理者権限で任意のスクリプトを起動
function Start-ScriptAsAdmin
{
    param(
        [string]
        $ScriptPath,
        [object[]]
        $ArgumentList
    )
    if(!(Test-Admin))
    {
        $list = @($ScriptPath)
        if($null -ne $ArgumentList)
        {
             $list += @($ArgumentList)
        }
        Start-Process powershell -ArgumentList $list -Verb RunAs -Wait
    }
}

Start-ScriptAsAdmin "任意のps1ファイルパス" を実行すると、指定のスクリプトが管理者権限で実行される。(実行前にUACダイアログが表示される)

なお、"powershell"の部分を、今起動しているホストの実行ファイルと同じにするには、(Get-Process -Id $pid).Path としても良い。ただ、ISEの場合だと単にスクリプトファイルが開かれた状態になるだけで実行まではしてくれない。

管理者権限がない場合、昇格してスクリプトを再実行する

管理者権限を要する処理の直前で、以下のようにStart-ScriptAsAdmin関数を実行すると、仮に管理者権限がない場合はスクリプトを再起動し、昇格して再実行する。(管理者権限がある場合は再実行せずそのまま継続する。)

. .\elevate.ps1
Start-ScriptAsAdmin -ScriptPath $PSCommandPath
if(Test-Admin)
{
    "昇格を要する処理"
}

v3未満の場合は、実行中のスクリプトパスを示すシェル変数$PSCommandPath の代わりに &{$MyInvocation.ScriptName}が使える

再起動するまでに実行した処理は再実行しないようにするには、以下のようにスクリプトファイルにパラメータを定義すれば良い。

param([switch]$SkipNormalTask)
. .\elevate.ps1

if(!$SkipNormalTask)
{
    "昇格不要な処理1"
}

Start-ScriptAsAdmin -ScriptPath $PSCommandPath -ArgumentList "-SkipNormalTask"

if(Test-Admin)
{
    "昇格を要する処理"
}

if(!$SkipNormalTask)
{
    "昇格不要な処理2"
}
UACダイアログを出さずに管理者権限でスクリプトを実行する

一般的な方法と同様、タスクスケジューラを利用する。

PowerShellからタスクスケジューラにスクリプトを登録するには、PowerShell3.0以上に同梱されているPSScheduledJobモジュールが必要。

function Register-ScriptAsAdmin
{
    param(
        [string]
        $ScriptPath,
        [object[]]
        $ArgumentList
    )

    $jobArgs=@{
        FilePath = $ScriptPath
        ScheduledJobOption = New-ScheduledJobOption -RunElevated
        Name = "RunAsAdmin $(Split-Path -Leaf $ScriptPath)"
    }
    if($null -ne $ArgumentList){$jobArgs+=@{ArgumentList = $ArgumentList}}

    Register-ScheduledJob @jobArgs 
}

function Invoke-ScriptAsAdmin
{
    param(
        [string]
        $ScriptPath
    )
    $job = Get-ScheduledJob -Name "RunAsAdmin $(Split-Path -Leaf $ScriptPath)"
    $job.RunAsTask()
}

function Unregister-ScriptAsAdmin
{
    param(
        [string]
        $ScriptPath
    )
    Unregister-ScheduledJob -Name "RunAsAdmin $(Split-Path -Leaf $ScriptPath)"   
}

まず、管理者権限で実行したいスクリプトをRegister-ScriptAsAdmin "スクリプトのフルパス"としてタスクスケジューラに登録。

この操作には当然ながら管理者権限を要するので、もし登録用スクリプトから登録をするには前述のStart-ScriptAsAdminを併用しても良い。(さすがにUACダイアログを1回も表示させない方法はなさげ…)

登録が済んだら後は、Invoke-ScriptAsAdmin "スクリプトのフルパス"とすれば、UACダイアログを表示させずに管理者権限でスクリプトを実行できる。

スクリプトの登録を解除するには、Unregister-ScriptAsAdmin "スクリプトのフルパス"を実行する。(この操作には管理者権限不要)

管理者権限がない場合はスクリプトを実行しない

逆に、管理者権限がない時は、一切処理を実施させたくない場合。

v4以上の場合は、以下をスクリプトの一行目に定義しておくだけでOK。管理者権限がない場合はエラーになってそのままスクリプトは終了する。

#Requires -RunAsAdministrator

v4未満の場合は、前掲のTest-Admin関数を以下のようにスクリプト先頭で呼び出せば良い。

if(!(Test-Admin))
{
    throw "管理者権限がありません"
}

2015/10/17

はじめに

がりっち氏がWindows10 UWPに日本語解析のAPIが備わっていた件 | garicchi.com というエントリを上げていました。

実はWin10に限らず、Win8.1 / Server 2012R2以降であれば、Windows ランタイム(WinRT)のWindows.Globalization名前空間に含まれるJapanesePhoneticAnalyzerクラスを用いた形態素解析ができます。

形態素解析とは要するに文字列を単語(正確には形態素という、文字列の最小構成要素)ごとに分割し、それぞれの単語の品詞を判別する処理になります。(JapanesePhoneticAnalyzerクラスだと分割までで、品詞の情報は取得できない?ようですが…)

またJapanesePhoneticAnalyzerでは分割した単語の読み仮名を取得することができます。

WinRTならPowerShellからも使えるんじゃないかなーと思ってやったらできたので、紹介します。

WinRTのPowerShellからの利用法

WinRTについての説明は他サイト様に譲りますが、要はWindowsストアアプリやUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリを動作させる実行環境とAPI群です。

じゃあデスクトップアプリであるPowerShellは関係ないのかというとそうではなくて、例えばストアアプリのサイドローディングを行うAppxモジュールというものがあります。

つまりWinRTは従来のデスクトップアプリからの相互運用もできるようになっています。(すべてのコンポーネントではない)

このあたりの話は、荒井さんの記事が参考になるかと思います。:特集:デスクトップでもWinRT活用:開発者が知っておくべき、ライブラリとしてのWindowsランタイム (1/5) - @IT

PowerShellからWinRTを利用するには.NET Frameworkに含まれるクラスを利用するのと基本は同じです。

ただし注意点としては、クラス名を指定する時は、クラスの「アセンブリ修飾名」を指定する必要があります。

今回の例ではJapanesePhoneticAnalyzerクラスを使いますが、アセンブリ修飾名はWindows.Globalization.JapanesePhoneticAnalyzer, Windows.Globalization, Version=255.255.255.255, Culture=neutral, PublicKeyToken=null, ContentType=WindowsRuntime

となります。

このうち必須となるのは

Windows.Globalization.JapanesePhoneticAnalyzer:クラスの完全修飾名
Windows.Globalization:クラスの含まれる名前空間
ContentType=WindowsRuntime:WinRTのコンポーネントであること

の3つだけのようです。

つまり、PowerShellからは

[Windows.Globalization.JapanesePhoneticAnalyzer, Windows.Globalization, ContentType=WindowsRuntime]

とすればクラスを参照することができます。

ちなみに任意の型のアセンブリ修飾名を知るには、[型名].AssemblyQualifiedName のようにすればOKです。

なお、WinRTにはPowerShellからも利用価値の高いクラスが他にも色々あるようです。ぎたぱそ氏が認証系のクラスについて書かれていますので、参考にしてみてください。:PowerShell も Windows Store Apps 同様に Windows.Security.Credentials namespace を使って認証情報を管理できるようにしてみる - tech.guitarrapc.com

単語を分割する

早速、形態素解析をやってみましょう。具体的にはJapanesePhoneticAnalyzerのGetWordsメソッドを呼び出すだけです。

すべての基本になるので軽く関数としてラップしておきます。

function Get-JpWord
{
    param(
        [parameter(ValueFromPipeline=$true)]
        [ValidateLength(1,99)]
        [string[]]
        $Text,
        
        [switch]
        $MonoRuby
    )
    process
    {
        foreach($t in $Text)
        {
            [Windows.Globalization.JapanesePhoneticAnalyzer, Windows.Globalization, ContentType=WindowsRuntime]::GetWords($t, $MonoRuby)
        }
    }
}

GetWordsメソッドはスタティックメソッドなので、::演算子で呼び出します。戻り値はIReadOnlyList<JapanesePhoneme>というコレクションです。

GetWordsメソッドの第2引数にTrueを指定すると、漢字の含まれた単語をルビの振れる最小単位にまで分割する、Mono Rubyモードが有効になります。

なお、GetWordsメソッドはどうも文字数制限があるようです。だいたい100文字を超えると何も出力しない感じです。この制限値はリファレンスに書いてないようなので詳細不明ですが、一応関数では99文字までという制限を入れておきました。

例えば、Get-JpWord "最近急に寒くなってきました。" のようにすると結果は以下のように表示されます。

DisplayText          IsPhraseStart YomiText
-----------          ------------- --------
最近                          True さいきん
急に                          True きゅうに
寒くな                        True さむくな
って                         False って
き                            True き
ました                       False ました
。                            True 。

出力されるJapanesePhonemeオブジェクトは3つのプロパティを持ちます。

DisplayText 分割された単語
IsPhraseStart 単語が文節の開始であるかどうか
YomiText 単語の読み仮名

このように、入力した文章を単語単位に分割し、それぞれの単語の読み仮名を取得することができます。ただこれだけだと、「で、どうしろと」という感じなので、この出力結果を利用する、より実用的な関数を書いていきましょう。

長くなったので次回に続く。

2015/09/07

Twitterでこんな問題を出してみました。

以下、解答になります。

@ &{}
結果

何も出力されません。

解説

空のスクリプトブロック{}を実行演算子&で実行しています。空なので何も出力はありません。

A &{process}
結果

「'process' の後にステートメント ブロックがありません。」というパーサーのエラーになります。

解説

PowerShellのスクリプトブロックは、beginブロック、processブロック、endブロックを内包します。スクリプトブロック直下にparamブロック、DynamicParamブロック、beginブロック、processブロック、endブロック(他にもあったかも)以外のステートメントを記述すると、Endブロック内に記述されたものと暗黙的に解釈されます。

この場合、スクリプトブロック直下にprocess…と書き始めたので、パーサーはprocessブロックが開始されたと判断しますが、続くステートメントブロック{}(≠スクリプトブロック)の記述がないため、構文エラーとなります。

B &{process{}}
結果

何も出力されません。

解説

パーサーはAのように解釈しますが、今回はステートメントブロック{}がきちんと記述されているので、エラーなく解釈されます。

processブロックは、パイプライン入力がない場合でも1回実行されますが、この場合、中身は空なので、@と同様、何も出力はありません。

C &{process{process}}
結果

Get-Processコマンドレットが実行され、プロセス一覧が表示されます。

解説

・パーサーの挙動

Bまでの解説の通り、&{process{…}}とすると、…の部分が1回実行されます。今回はprocessブロック内に「process」と記述しているので、Aのようなパーサーエラーは発生せず、「process」がステートメントとして実行されます。

さて、PowerShellのステートメント(文)には「For」とか「If」とかと並列して、「パイプライン」が存在します。「パイプライン」には1つの「式」もしくは複数の「コマンド」が含まれます。

たとえば、「Get-ChildItem | Select-Object Name」というパイプラインには「Get-ChildItem」と「Select-Object Name」という2つのコマンドが含まれます。

(ちなみに、「式」とは「$x+1」とかの、値を返すもののことです。PowerShellではパイプラインの最初の要素にのみ、「コマンド」ではなく「式」を記述することができます。)

今回のお題では、「process」はprocessブロック下に記述されており、ForやIf等のステートメントではないのでパイプラインとして扱われます。このパイプラインには1つの要素のみ含まれていますが、式ではないので、コマンドとして解釈されます。

・コマンド探索の挙動

PowerShellの「コマンド」は、関数、コマンドレット、ワークフロー、Configuration、ファイル(実行ファイル、スクリプトファイルを含む)、&演算子で実行するスクリプトブロック等が挙げられます。

コマンドの探索は、まずコマンドへのエイリアスを探します。ない場合は、関数名orコマンドレット名を探します。それでもない場合は、実行ファイルやスクリプトファイルの拡張子(.exe、.ps1等)を付与してパスの通ったディレクトリを探します(ちなみにカレントディレクトリにあったとしても、相対パスor絶対パス表記でない場合は実行しません)。

さて、ここからが「本当は怖い」ところなんですが、ここまで探索してコマンドがなかった場合、与えられたコマンド名に"Get-"を付与してもう一度探索します。

今回のお題では、processという名前のコマンドを探して、もしパスが通ったフォルダにprocess.exeとかがあればそれが実行されますが、ない場合はGet-Processというコマンド名を探します。

もちろん、Get-Processというコマンドレットは標準で存在するので、それが実行されてしまう、というわけでした。

(ちなみにPowerShell 3.0以降なら、Get-付与で見つからない場合、さらにCmdlet Auto Discoveryにより未ロードのモジュールを探します。)

コマンド探索の詳細な挙動は、Trace-Command -Expression {コマンド}  -Name CommandDiscovery -PSHost とすると調べられるので、見てみるのもいいかもしれません。

D &{process{process{}}}
結果

「Get-Process : パラメーター 'Name' を評価できません。その引数がスクリプト ブロックとして指定され、入力が存在しないためです。スクリプト ブロックは、入力を使用せずに評価できません。」というParameterBindingExceptionが発生します。

解説

・パーサーの挙動

Get-Processが実行され(ようとす)る理由についてはCまでの理解でOKでしょう。

さて、Get-Processコマンドレットには-Nameという、プロセス名を指定する位置パラメータが存在します。位置パラメータは、パラメータ名を指定せずパラメータ値のみを指定しても、指定順にパラメータにバインドしてくれる機能を持ちます。

たとえば、Get-Process powershell とすると、「Get-Process -Name powershell」が実行されます。

今回のお題「process{}」は、パーサーによってまず、コマンド名「process」と、パラメータ値「{}」(空のスクリプトブロック)に分割されます。

(ちなみにコマンド名に「{}」を含めることができないわけではなく、そういうコマンドを実行したい場合は、`でエスケープするか、&"command{}name"のように&演算子を用いれば可能です。)

今回の場合、パラメータ名の指定はありませんが、位置パラメータ-Nameに空のスクリプトブロックがバインドされることになるわけです。

・コマンドパラメータバインドの挙動

さて、-Nameパラメータの型は、System.String[]であり、scriptblockではありません。もちろんscriptblockからSystem.String[]への暗黙の型変換はありません。でもエラーメッセージ的には、スクリプトブロックを与えたこと自体は咎めていないように思えますね。

実はこれ、スクリプトブロックパラメータと呼ばれてる機能です。詳しくはスクリプトブロックパラメータのススメを見ていただくとして、要はコマンドへのパイプライン入力を、指定のスクリプトブロックで処理し、その出力結果をパラメータ値としてバインドする機能ですね。

今回エラーになった理由は、スクリプトブロックパラメータとして解釈しようとしたが、そもそも入力がなかったから、ということになります。

あまり意味はないですが、以下のように入力を与えてやれば、スクリプトブロックパラメータとして動作します。

"powershell" | Get-Process -Name {$_}

この場合パイプライン入力が追加されるので、-Nameパラメータの指定位置がずれることになるので、パラメータ名が必要になります。また、スクリプトブロックが空だと、「パラメーター 'Name' を評価できません。その引数の入力によって出力が作成されなかったためです。」というエラーをご丁寧に出してくれます。Trace-CommandでParameterBindingソースをトレースしてみるのも一興でしょう。

ちなみにあまり関係ない余談ですが、-NameパラメータにはValueFromPipelineByPropertyName属性が付いているので、実は以下のような指定もできます。

[PSCustomObject]@{Name="PowerShell"} | Get-Process

まとめ

PowerShellパーサーと飲むとき、話の肴にどうですかね。

See also: 本当は怖いPowerShell その1

2015/06/14

わんくま同盟大阪勉強会#63でのセッション資料を公開します。

デモで使用したサンプルスクリプトも併せてご利用ください。

わんくま同盟の勉強会は今回の大阪#63で10年目に入ったのですが、実は私も9年前の大阪#4で勉強会セッションデビューをしていたりします。

さて、今回はPowerShell DSCリソースを作成するというテーマで話しました。DSCでは管理対象ごとにロジック(リソース)と設定(Configuration)を分離でき、一貫性を持ったインフラ構成の自動化が可能になる素敵な機能です。が、いかんせん、ビルトインリソース(OS標準で含まれるリソース)の種類が少ないので、実際の業務で使うにはカスタムリソースを作成する必要が出てくると思います。

今回のデモでは、テキストファイルの中身を自動構成するという、ごく単純なサンプルを作成して実演してみましたが、考え方や実装方法の基本はこれでカバーできるのではないかと思います。

より詳しくは、ぎたぱそ氏の記事を読んでいただければ良いかと思います。本番で使えるPowerShell DSCリソース作成入門 - Build Insider

サンプルスクリプトの説明
  1. 事前準備

    今回のデモはWin10 Insider Preview(PowerShell 5.0)上で行いましたが、PowerShell 4.0環境でもおそらく動作すると思います。なお、今回のConfigurationはローカルコンピュータに対しPush適用(Start-DscConfigurationコマンドレットによる手動適用)することを想定しています。あらかじめ、DSCが実行可能な環境(スクリプト実行ポリシー、PSリモーティング、Local Configuration Managerの設定等)を整えておいてください。また、スクリプトはすべて管理者権限で実行してください。

  2. xDSCResourceDesignerのインストール

    DSCリソースのひな形を作成するためのxDSCResourceDesignerをインストールします。v5環境であればPowerShellGetを用い、Install-Module xDSCResourceDesigner で入ります。v4環境の場合はTechnetからDSC Resource KitをDLしてください。

  3. xDSCResourceDesignerの使用方法の確認

    xDSCResourceDesignerの使用方法を確認します。make_Foo_resource_template.ps1を実行すると、xDSCResourceDesignerを用いてDSCリソースFooのひな形が$env:ProgramFiles\WindowsPowerShell\Modules\TestResourceに作成されます。ひな形がどのように作成されるかを確認してください。また、Get-DscResource -Name Fooとして、DSCリソースがきちんと認識されているか、確認してください。

  4. TextFileLineリソースの作成

    今回のデモで作成したTextFileLineリソースは、make_TextFileLine_resource_template.ps1を実行してまずひな形を作成しました。作成されたひな形を用いて、TextFileLine.psm1に実際のロジックを記述し、DSCリソースを完成させました。zipに含まれるTestResourceフォルダの中身が、今回作成したDSCリソースモジュールになりますので、まずは内容を確認してみてください。特に、Set-TargetResource関数はどのように実装すると冪等性を保持して作成できるのかを念頭に置いてみてください。

  5. TextFileLineリソースの展開

    zipに含まれるTestResourceフォルダを$env:ProgramFiles\WindowsPowerShell\Modules\の下にコピーしてください。

    Get-DscResource -Name TextFileLineとしてDSCリソースが認識されていることを確認してください。

  6. TextFileLineリソースを用いたConfigurationの作成

    start_dsc_configuration.ps1に含まれる、TextFileLineTestが、今回適用してみるConfigurationになります。

    start_dsc_configuration.ps1を実行すると、ドキュメントフォルダにmofファイルを生成し、Start-DscConfigurationコマンドレットにより設定を反映させます。

    正しくConfigurationが適用されれば、ドキュメントフォルダにlist.txtというファイルが生成し、中にプログラム言語のリストが記入されているはずです。

  7. Configurationが反映されたことを確認

    Test-DscConfigurationコマンドレットを実行すると、現在の状態とConfigurationに書かれた状態が一致していればTrueと表示されます。今はConfigurationを適用した直後なのでTrueになるはずです。

    またGet-DscConfigurationコマンドレットを実行すると、現在の各プロパティの状態を表示してくれます。

    list.txtに含まれる行をテキストエディタで編集して上書きしたりすると、Test-DscConfigurationの結果はFalseになるはずです。

    list.txtを手動で変更した状態で、再度start_dsc_configuration.ps1を実行すると、再びConfiguration通りの状態に戻ると思います。その際、変更のなかったプロパティに関しては、処理がスキップされていることをログをみて確認してください。

  8. その他

    Configurationを色々書き換えて試してください。例えばEnsure="Absent"にすると対象項目が存在しない状態になります。


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