2017/12/01

この記事はPowerShell Advent Calendar 2017の1日目です。

毎年恒例のPowerShell Advent Calendar、今年も始まりました。ここ数年は私がトップバッターを務めさせていただいて、1年間のPowerShell界隈の出来事をさくっとまとめてみています。→2016年2015年

昨年2016年はPowerShell 10周年の年であり、PowerShell 5.1、Windows Server 2016、Nano ServerとPowerShell Core Editionが各々正式版としてリリースされ、さらにはPowerShellがオープンソース化、マルチプラットフォーム展開を始めるという大きな変革があった年でした。

今年2017年は昨年ほど大きな変化はないとはいえ、昨年のOSS化からのマルチプラットフォーム展開を着実に進行させた年だと言えると思います。

以下、いくつかトピックを紹介します。

WMF 5.1インストーラーの登場

PowerShell 5.1を含むWMF (Windows Management Framework) 5.1は、Windows2016に同梱され、昨年8月にリリースされたWindows 10 Anniversary Updateにも同梱されました。今年1月に公開されたWMF5.1のインストーラーは、下位OS(Windows 7/8.1/Server 2008 R2/2012/2012 R2)のためのものです。

なお、Win10/2016に同梱のPester(テストフレームワーク)やPSReadline(コンソール入力支援)についてはWMF5.1には含まれていないので、別途PowerShellGetでインストールするのがお勧めです。

Azure Cloud ShellでのPowerShell サポート

Webブラウザ上で動作するAzureの管理用シェルである、Azure Cloud ShellではまずBashがサポートされていましたが、今年9月にPowerShellもサポート(まだプレビューですが)されました。

自動的に認証された状態で最新のAzure PowerShellのコマンドが使え、AzureのリソースにAzure:ドライブを介してアクセスすることが可能です。

注意点があって、このPowerShell版Azure Cloud Shell、どうも現バージョンでは(Nano Serverではなく)Windows Server Coreのコンテナ上で動作しているらしく、Bashに比べ起動が若干遅いのと、実体はPowerShell CoreではなくWindows PowerShell 5.1であることはちょっと念頭においておいたほうがいいかもしれません。

これ、PowerShell CoreではまだAzure PowerShellの全機能がサポートされてないからだと思うんですが、今後に期待ですね。

PowerShell for Visual Studio Code 正式版リリース

先だってオープンソース化された、マルチプラットフォーム対応のコードエディタであるVisual Studio CodeでPowerShellスクリプトの開発を行うためのExtension、PowerShell for Visual Studio Codeの正式版(1.0)が5月に公開されました。なお、現時点での最新バージョンは1.5.1となっています。

当初は、PowerShellに付属の標準スクリプト開発環境、PowerShell ISEの方が多機能だったようにも思いますが、今はもう完全にISEの機能を追い越したんじゃないかと思います。シンタックスハイライト、インテリセンス、デバッグ、コンソールといった基本機能はもちろん、Gitによるバージョン管理もVSCode自体でサポートされていることに加え、静的解析機能を提供するPowerShell Script Analyzer、テストフレームワークのPester、プロジェクト管理機能を提供するPlasterなどが統合されており、本格的な開発環境となっています。

また当然ではありますが、マルチプラットフォーム対応なので、WindowsではWindows PowerShell 、LinuxやMacではPowerShell Coreの開発が各々可能です。

公式ブログでのアナウンスによれば、今後ISEがなくなることはありませんが、ISEに新機能が追加されることはなくなり、PowerShell for VSCodeの開発に注力されることになります。ISEはとにかく標準添付である(GUI有効ならサーバーOSでも動く!)という強みがあり、シンプルなスクリプト記述であればそこそこ便利に使えるので、これからもシチュエーションに応じて使い分けて行けば良いのかなと思います。

PowerShell Core RCのリリース

昨年OSS化したPowerShell Core 6はα版として開発が続いていましたが、今年5月にはβ版となり、先月(11月)、ついにRC(Release Candidate)となりました。6.0.0のGAリリースは来年1月になるそうです。

OSS化直後からRCに至るまでの変更点は多岐に渡り、とても一言で説明できるものではないですが、ポイントとしては以下の3点に集約されるんじゃないかと思います。

  1. PowerShellが長年抱えていた問題点の洗い出しと修正

    PowerShellがOSS化した当初は、ほとんどがWindows PowerShell 5.1のコードそのままであったと言ってよいかと思います。10年以上増改築が繰り返されたコードが突如、全世界に公開されたわけです。コミュニティの力でバグや変な仕様といった問題点が洗い出され、どんどん修正されていきました。
    また、不足していると思われる機能はどんどん追加されました。既存コマンドレットのパラメータが増えるというパターンが多かったように思います。

    特筆すべきは、破壊的変更であっても妥当性があれば躊躇せずに取り入れていったことかと思います。これは英断ではありますが、一方でWindows PowerShell 5.1とPowerShell Coreでは細かいところで非互換性が色々出ていますので、移行の際には注意を要します。

  2. マルチプラットフォーム対応

    前述の通り、OSS化した当初のPowerShell 6.0は、ほぼWindows PowerShell 5.1なので、Windowsでしか動作しない部分が多々ありました。それをLinuxやMac環境でも動作するように多くの修正が加えられました。

    ところで、PowerShell 6.0は当初、条件付きコンパイルにより、Windows用に.NET Framework(Full CLR)をターゲットにして、Desktop Edition相当のPowerShellをビルドすることが可能でした。

    しかしβ版になったタイミングで、OSS版PowerShell 6.0は、「PowerShell Core 6.0」すなわち、「.NET Core上で動作するPowerShell Core」であることが明確にされました。よってFull CLRターゲットのビルドはできなくなり、β6ではついにFull CLR対応のコードはすべて削除され、Core CLR対応のコードのみとなりました。

  3. Windows PowerShell用コマンドレットの呼び出し

    PowerShell Core 6.0にはいくつかのコマンドレットが同梱されていますが、Windows PowerShell 5.1に含まれているすべてのコマンドレットを網羅しているわけではありません。また、WindowsやWindows Serverの管理のために提供されている、OS付属のモジュール群もCore 6.0には含まれておらず、α版の段階では実行も不可能(だったはず)でした。

    β1からターゲットが.NET Core 2.0に移行したことにより、.NET Standard 2.0がサポートされました。このことによって、Windowsに付属の数千ものコマンドレットを初めとするWindows PowerShell用コマンドレット(要はFull CLRをターゲットとしてビルドされたもの)のうち、.NET Standard 2.0に含まれるAPIしか使われていないものであれば、原理的にはPowerShell Coreでも実行可能になりました。

Windows PowerShellの今後

さて、PowerShell Core 6.0がまもなく正式版リリースということですが、では従来のWindows PowerShellはどうなるのか、という話について。

公式ブログのアナウンスによれば、Windows 10やWindows Server 2016に付属のWindows PowerShell 5.1については、今後もサポートライフサイクルに則り、重大なバグフィックスやセキュリティパッチ提供等のサポートは継続されます。もちろん下位バージョンのOS/Windows PowerShellも同様です。

しかしながら、Windows PowerShellに新機能が追加されることは今後はなく、開発のメインはPowerShell Coreへと移行します。つまりは、PowerShell Coreの開発の中で追加された新機能、変更点、バグフィックスについては、基本的にはWindows PowerShellとは無関係ということです。

また、現状ではPowerShell CoreはWindows PowerShell環境に追加インストールし、サイドバイサイド実行が可能となっていますが、将来的にPowerShell CoreがWindowsに同梱されるかどうかについては言及されておらず、今のところは不明です。

以下は私見になります。

このような状況で、Windows PowerShellユーザー、とりわけWindows Serverの管理はするが、Linuxとかは特に…というユーザーはこれからどうすべきか?という点は割と悩ましいところだと思います。個人的には、WindowsやWindows Serverを管理するスクリプトが現時点であるなら、それを無理に今すぐCore対応にする必要はないと思います。現時点で今すぐCoreに移行すべき理由というのはとくに無いと感じます。Coreで追加、改善された機能はあるものの、Coreには無い機能もたくさんあるからです。
また新規にスクリプトを作る場合でも、対象がWindowsに限定されるのであれば、Windows PowerShell用に作れば良いのではないかと。OS付属のコマンドレットの動作は確実に保証されているわけですから。

ただし、ご存じの通りWindows10とServer 2016は半期に一度の大型アップデートで新機能が次々追加されていきます。その過程でPowerShell Coreが含まれるようになったり、Coreのみ対応のコマンドレットが追加される可能性は無きにしもあらずなのではないかとも思います。なので、Coreの状況をチラ見しつつ、未来に備えておく必要はあると思います。Windows10/Server2016の「次」も見据えて。

それとPowerShellでWindowsもLinuxも面倒みていきたい、という野心がある方は、Coreを採用していくのがいいのではないかと思います。ただし、現状しばらくは茨の道ではあるとは思います。

あとはスクリプトやモジュールを作成し公開する方は、より多くの環境で使われるように、可能であればCore対応を進めるのは悪くないんじゃないかと思います。

おわりに

他にもWin10/Server2016におけるPowerShell 2.0の非推奨化の話とか、DSC Core構想とか、なにげに結構いろいろ話題はありました。

さて、Windows PowerShellとしては一端落ち着いた感もある界隈ですが、PowerShell Coreとしてはこれからも活発に動いていくものと思います。注目していきたいですね。

そんな2017年の締めくくり、今年はどんな記事が集まるでしょうか。PowerShell Advent Calendar 2017の参加、お待ちしております。

2015/12/01

この記事はPowerShell Advent Calendar 2015の1日目です。

アドベントカレンダーは今年で5回目ですが、例年よりだいぶ参加者が少ないので、敢えて完走を目指さずまったりいきましょう。

とはいえ今年から来年にかけては、PowerShellの変革の年といっても過言ではないかと思います。

今年7月にはWindows 10のリリースとともに、WMF (Windows Management Framework) 5.0 / PowerShell 5.0 (2012R2/8.1向けにはProduction Preview)が登場しました。(私の書いたPS5.0新機能のセッション資料はこちら。)

PowerShell 5.0では特に、"Infrastructure as Code"、すなわちインフラの構成をコードで記述可能にし自動化するための機能である、PowerShell DSC周りが格段にパワーアップしています。DSCの機能増強により、Microsoft Azure等のクラウド、オンプレミスのサーバーはともに大きな恩恵を受けることが期待されます。Azure DSC Extensionも追従する形で凄まじい勢いでバージョンアップしてますね。

PowerShell 5.0の登場に合わせて、各種のPowerShell関係のモジュールやアプリケーションが新登場していますが、これらはいずれもOSS(オープンソースソフトウェア)となりました。

一例を挙げると、DSCで用いるロジック本体となる「DSCリソース」を作製する際に有用なDSCリソースキット、対応リポジトリをプロバイダという形で拡張可能であるパッケージ管理システムPackageManagement、PowerShellモジュールを専用リポジトリであるPowerShell Galleryからコマンド1発で取得可能となるPowerShellGet、PowerShellスクリプトの静的解析を行うスクリプトアナライザー、Windowsのみならず他プラットフォームの一括管理を目指すDSC for Linux等々です。

先日OSS化したばかりの、マルチプラットフォーム対応のコードエディタであるVisual Studio Codeと、PowerShellスクリプトが記述可能となるPowerShell Extensionあたりもトピックとして熱いですね。

Visual Studio 2015には、VSでPowerShellスクリプト開発を行うためのOSSなプラグインであるPowerShell Tools for Visual Studioが標準搭載されたことも記憶に新しいですね。(12/1追記)

逆に、PowerShellのテストスクリプトを記述するためのフレームワーク(DSL)であるPesterや、コンソールの入出力をパワーアップさせるPSReadlineといった、OSSで開発されている既存のPowerShellモジュールが、Windows 10に標準機能として取り込まれるなど、OSSとの関係性については大きく変化したと言えるでしょう。

そして次期Windows Serverである、Windows Server 2016の足音も聞こえてきました。現在はTP4が公開されており、試すことができます。Windows Server 2016の目玉は何といっても、Windows ContainersNano Serverでしょう。

アプリケーションをコンテナという単位で配置し、自由なすげ替え、あるいは使い捨てが可能な環境を構築するツールであるDockerというOSSに対し、インターフェースの互換性を持たせたWindows版コンテナがWindows Containersです。

そして、コンテナ機能を最大限に活用するためにフットプリントの最小化を目指し、GUIどころかコンソールすら廃した新しいWindows Serverの形態が、Nano Serverです。

Windows ContainersとNano Serverの管理は当然、PowerShellがメインとなります。また、ようやくWindowsにやってくる、SSHクライアントとサーバーはPowerShell上で動くようです。

PowerShellは5.0に進化することで、足回りを強化しました。そして各種OSSと連携して、クラウドとオンプレミスのサーバー群の基礎を支える存在として、ますます重要性を帯びていくことでしょう。

昨今のPowerShellを取り巻く状況は、私の理解ではざっとこんな感じです。この中に興味を持たれたテーマはありませんか? もちろん、新機能以外にも、まだまだ知られていない機能や利用法も埋もれていると思います。

もしそんなテーマがあったら、PowerShell Advent Calendar 2015で共有していただければ嬉しいなあと思います。

というわけで、例年にない感じの初日記事を書いてみました。今回のアドベントカレンダーもどうぞよろしくおねがいします。

2014/04/13

昨日4/12開催の第一回 PowerShell勉強会@大阪には約40名もの方にお越しいただき、盛況のうちに無事終了しました。中には遠方からお越しの方も数名いらっしゃいました。皆様どうもありがとうございました。PowerShell勉強会は大阪でも今後も継続的に実施していければ良いな、と思っております。

さて私のセッションは「PowerShell『再』入門2014」というタイトルで行いましたがいかがでしたでしょうか。以下にセッションスライドを公開します。

PowerShellのこれまで、今、これから、を時系列に紹介してみました。これからPowerShellに触れる方をメインに想定した、ごく基本の話だったので、知っている方には少々退屈だったかもしれないですが、PowerShellの現在の立ち位置を再確認する機会にしていただけたなら幸いに思います。

そしてPowerShellの学習方法として、何から手をつけるべきか、どこで情報を得るといいのか、等の話をしてみました。最近よく、PowerShellってどこからやればいいの?ということを聞かれていたというのが、この項目を入れた動機です。たしかにPowerShellはv4になり機能も色々と増え、全体像を把握するのが大変になってきています。その一方で情報(特に日本語)が不足しているのも事実です。そんな状況のなか、初心者の方はどうやってPowerShellを入門していけばいいのか、という道しるべを示せれば良いな、と思いました。いかがでしたでしょうか。

2013/12/05

はじめに

この記事はPowerShell Advent Calendar 2013の5日目の記事です。

突然ですが、PowerShellにはJobが完了するまで待機するWait-Jobコマンドレットというのがあります。これはその名の通り、パイプラインから入力したJobオブジェクトがすべて(あるいはどれか一つが)完了状態になるまでスクリプトの実行を待機する効果があります。

当然ながらWait-JobはJobオブジェクトにしか利用できませんが、任意の入力オブジェクトに対して待機条件を指定してやれば、その条件を満たすまで実行を停止するコマンドがあると便利なんじゃないかな?と常々思っていたので書いてみました。

Wait-State関数
function Wait-State
{
    [CmdletBinding(DefaultParameterSetName="ByProperty")]
    param(
        [Parameter(ValueFromPipeline=$true)]
        [PSObject]$InputObject,
        [Parameter(Position=1,Mandatory=$true,ParameterSetName="ByProperty")]
        [string]$Property,
        [Parameter(Position=2,ParameterSetName="ByProperty")]
        [object]$Value,
        [Parameter(Position=1,Mandatory=$true,ParameterSetName="ScriptBlock")]
        [Alias("Script")]
        [ScriptBlock]$FilterScript,
        [Parameter()]
        [switch]
        $Any,
        [Parameter()]
        [switch]
        $IgnoreImmutable,
        [Parameter()]
        [switch]
        $PassThru,
        [Parameter()]
        [switch]
        $AllOutput,
        [Parameter()]
        [int]
        $IntervalSec=1,
        [Parameter()]
        [int]
        $TimeoutSec=60
    )

    begin
    {
        $objects = @()
        $watch = New-Object System.Diagnostics.StopWatch
        $watch.Start()
        $firstChecked = $false
    }

    process
    {
        foreach($o in $InputObject)
        {
            $objects += $o
        }
    }

    end
    {
        while($true)
        {
            $remains = @()
            foreach($o in $objects)
            {
                if($firstChecked)
                {
                    if($o.Refresh)
                    {
                        $o.Refresh()
                    }
                }

                if($null -ne $FilterScript)
                {
                    if($o|&{process{&$FilterScript}})
                    {
                        if($PassThru)
                        {
                            if((!$IgnoreImmutable -or ($IgnoreImmutable -and $firstChecked)))
                            {
                                $o
                            }
                        }
                    }
                    else
                    {
                        $remains += $o
                    }
                }
                else
                {
                    if($Value -eq $o.$Property  -and (!$IgnoreImmutable -or ($IgnoreImmutable -and $firstChecked)))
                    {
                        if($PassThru)
                        {
                            if((!$IgnoreImmutable -or ($IgnoreImmutable -and $firstChecked)))
                            {
                                $o
                            }
                        }
                    }
                    else
                    {
                        $remains += $o
                    }
                }
            }

            if($remains.Length -eq 0)
            {
                break
            }
            elseif($Any -and $remains.Length -lt $objects.Length)
            {
                if($AllOutput -and $PassThru)
                {
                    $remains
                }
                break
            }
            elseif($watch.Elapsed.TotalSeconds -ge $TimeoutSec)
            {
                if($AllOutput -and $PassThru)
                {
                    $remains
                }
                break
            }
            
            $objects = @($remains)
            $remains = @()
            
            $firstChecked = $true

            Start-Sleep -Seconds $IntervalSec
        }
    }
}
コマンド構文
Wait-State [-Property] <string> [[-Value] <Object>] [-InputObject <psobject>] [-Any] [-IgnoreImmutable] [-PassThru] [-AllOutput] [-IntervalSec <int>] [-TimeoutSec <int>]  [<CommonParameters>]

Wait-State [-FilterScript] <scriptblock> [-InputObject <psobject>] [-Any] [-IgnoreImmutable] [-PassThru] [-AllOutput] [-IntervalSec <int>] [-TimeoutSec <int>]  [<CommonParameters>]
パラメータ

-InputObject:入力オブジェクト。パイプライン入力可。
-Property:変更を確認するプロパティ名。
-Value:-Propertyで指定のプロパティ値が、このパラメータに指定する値になるまで待機する。
-FilterScript:プロパティを指定する代わりに待機条件をスクリプトブロックで指定する。
-Any:入力のどれか一つが条件を満たすまで待機するようにする。(省略時は入力が全部条件を満たすまで待機)
-PassThru:入力オブジェクトが待機条件を満たした時点で、そのオブジェクトを出力する。省略時は出力なし。
-IgnoreImmutable:最初から条件を満たしている場合は出力しない。-PassThruと併用。
-AllOutput:タイムアウトした場合や-Any指定時に一部のオブジェクトしか出力していない場合でも、最終的に未出力のすべてのオブジェクトを出力してから終了する。-PassThruと併用。
-IntervalSec:プロパティ値のチェック、もしくは待機条件スクリプトの実行の間隔秒数を指定。デフォルト1秒。
-TimeoutSec:最大待機秒数。デフォルト60秒。この時間を過ぎると条件を満たしていなくても待機を終了する。

使用例
# 停止しているサービスがすべて開始するまで待機する。
Get-Service |? Status -eq Stopped | Wait-State -Property Status -Value Running

# 上記と同じだが、開始したサービスを逐次表示する。
Get-Service |? Status -eq Stopped | Wait-State -Property Status -Value Running -PassThru

# 停止しているサービスが少なくとも1つ開始するまで待機する。
Get-Service |? Status -eq Stopped | Wait-State -Property Status -Value Running -Any

# プロセスのワーキングセットが100MBを超えた段階で逐次表示する。
Get-Process | Wait-State {$_.WorkingSet -ge 100MB} -PassThru

# 上記と同じだが、最初から100MBを超えてるものは出力しない。
Get-Process | Wait-State {$_.WorkingSet -ge 100MB} -PassThru -IgnoreImmutable

# ディレクトリ内のファイル容量がすべて50KBを超えるまで待機し、出力のFileInfo配列を変数に代入。
$files = Get-ChildItem | Wait-State {$_.Length -ge 50KB} -PassThru -AllOutput -TimeoutSec 3600
問題点

プロパティ値を取得するときにリアルタイムに値が反映されないオブジェクト(要するにGetした時点のプロパティ値がずっと固定されてるもの)に対しては正しく動作しません。というか、PowerShellで扱うオブジェクトはほとんどそうなんじゃないかと思います(汗

ServiceControllerオブジェクト、Processオブジェクト、FileInfoオブジェクト、DirectoryInfoオブジェクトについては、Refreshメソッドを実行すると、プロパティ値を現在の値に更新してくれるので、それを利用してプロパティ値を監視できるようにはしています。

それ以外についても監視できるようにするには、たぶんそれぞれのオブジェクトに応じた監視方法を地道に調査して実装していくしかないんじゃないかなあと思います。

INotifyPropertyChangedインターフェースを実装したクラスについては、PropertyChangedイベントをSubscribeしてプロパティ値の変更を追跡できるようにしてみようとちょっと思ったんですが、PowerShellで扱うオブジェクトにINotifyPropertyChangedを実装したクラスのものってそんなにあるんだろうか?と疑問を覚えたのでやめました。

WMIオブジェクトについては何か共通の方法でプロパティ値変更を監視できないかなあと思ったんですが、結局IntervalSec間隔でクエリを発行する方法になってしまい、低コストで行う方法がちょっと思いつきませんでした。

ただ、-FilterScriptパラメータをサポートしているので、ここに書くことでいかようにも待機条件をカスタマイズできるので、極端な話、条件スクリプトブロックに{(Get-Hoge -Name $_.Name).Property -eq “ほげ”}みたいなコードを書いてゴリ押しすることもできるかと思います。

感想

というわけで、なんだか微妙な成果になって恐縮ですが、なんで無いんだろうと思っていた関数を実際に書いてみると、無い理由が分かったりするものなんだなあ、と思ったりした次第です。

スクリプトの解説を何もしてないですが、あえて解説する程のものでもないこともないですが、まあ長くなるのでやめときます。

ただ、入力オブジェクトを一旦全部取得してから、後続パイプラインに流し込む例としていくらか参考になるかもしれません。(beginで入れ物を用意して、processで詰めて、endでメインの処理を書くだけですけど)

あとはフィルタースクリプトブロックの実装方法の一例としても参考になるかも? スクリプトブロックを二重にして$_に対象オブジェクトがきちんと格納されるようにする方法、若干トリッキーな気もしますが正式にはどう書くのが良いのか不明なのでこうしてみました。

2013/07/02

というわけで、10年目に突入しました。これも私のアウトプットをインプットしてくださる皆様、私のインプットとなるアウトプットをしていただいている皆様のおかげです。いつもありがとうございます。

10周年なので軽く歴史を振り返ります。

2004年にWSH Lab.というサイトを中心としたWSH / VBScript関係の活動が評価されてfor Developer - Scriptingという分野でMSMVPを受賞したのがはじまりです。

実はWSH Lab.を始めたのが1999年のことで、それ以前も1997年頃からWindows系のニュースグループに出入りして、オンラインコミュニティではMVP受賞前も知る人ぞ知る存在ではあったように思います。(なんせ、WSHは相当ニッチな分野だったもので、まともに取り扱おうと思う人は当時はほとんどいなかったもので)

当時は私はまだ大学生(しかも分野は化学系でIT関係なし)でして、体調崩したり色々あって卒業後も就職せず迷走してた時期でした。なのでIT系の方々とも交流はなく、オンラインのみで何故かWSHというこれまたあんまり誰も手を付けないマイナー分野で突っ走ってる謎の存在だったんじゃないかなーと思います。

MVP受賞後はひょこひょこオフラインにも出没するようになり、謎めいた存在から確かに実在する存在として認識されていったのではないかと思います。2006年にはわんくま同盟に加入し、IT系の方々と交流し、また自らセッションをする機会にも恵まれました。

MSMVP受賞のおかげで2006年からは@ITさんの方でチェック式 WSH入門という連載をさせていただくことができ、商業デビュー(?)を果たしました。

だんだんWSHがフェードアウトしていくと同時にPowerShellというものが登場したのも2006年のことでした。当時は.NETのことは全然知らなかったのですが、このままでは取り残される!と思い、それなりに勉強を始めたものでした。受賞カテゴリも2007年からはfor Data Center Management- Admin Frameworksというよく分からない名前に代わり、開発系からサーバー系への移籍となりました。

もちろんWindows Serverなんてものもまともに触ったこともなく、今思えばあの頃は色々と憶えることがたくさんあったなーと思いますね。そんなこんなで2008年にはMVPカテゴリもfor Data Center Management- PowerShellとなり、PowerShell専門となりました。

2008年には技術評論社さんからWindows PowerShell ポケットリファレンスという書籍を書かせてもらうことができました。まさか自分が本を書くなんて思ってもいなかったですし、あれはいい経験になったと思っています。

それからも体調はずっとよくなくて迷走しまくりで随分多くの方々にご迷惑をかけ続けていましたが、なんとかMVPという繋がりを武器に社会と繋がっていようとあがいた感じです。書籍や記事執筆、スピーカー、そして密かにプログラマーとして会社に勤めたりしてた時期もありました。

私のあがきとは関係なく、PowerShellはどんどん重要性をましていって、特にWindows Server 2012とPowerShell 3.0がリリースされた2012年は全国各地で声がかかって(自分で志願したのもありますが)、計8回もセッションを担当しました。中でもMicrosoft Windows Developer DaysでMicrosoft社員さんに交じってセッションを担当したのは貴重な経験でした。そして今年はPowerShellポケットリファレンスの改訂版を世に出すことができました。

こうやって10年目にして振り返ると、確かにWindows Scripting / PowerShell周りで要所要所でいろいろやってきたなーという感じですね。今年もPowerShell 4.0 / Windows Server 2012 R2がリリースされる予定で、PowerShellは今後も着実に発展、浸透していくのだと思います。私も陰ながらと言わず割と表立って、そのお手伝いをしていければいいなーと思っています。

さて余談ですが、結局あがいた結果今はどうなん?という話なんですが、結果としてはITの世界では今まで通り、PowerShellの分野ではこういう感じの活動を続けてますが、メインのおしごとは全然ITとも化学とも違う別なことをやっていたりします。ちゃんとおしごとしてるのでそんな目で見ないでくださいね。あと、体調に関しては2年前くらいからほぼ完全に回復してるので、遠慮せず遊んでやってください。

こんなことを書いてると、なんか「お前…消えるのか…?」と思われてしまうかもしれませんがそんなことは全然ない(と思う)ので、これからも変わらず、お付き合いいただければと思います。

2013/03/24

Windows 8[業務アプリ]開発読本:書籍案内|技術評論社

9784774156057

というわけで、私が企画協力させていただいた「Windows 8 [業務アプリ] 開発読本」という書籍が技術評論社さんから3/27に発売となります。この書籍は書名通り、Windows 8対応の業務アプリを作成するためのノウハウを、私のお友達を中心とした皆さんによって書かれたものとなります。執筆者を募集したときは特に意識はしてなかったのですが、結果的にMicrosoft MVPやMicrosoftエバンジェリストをはじめとしたエキスパートで占められるという何とも豪華な執筆陣となっています。

Windows 8の開発書籍ということで、Windowsストアアプリ開発法をメインに据えた構成となっているのはもちろんのこと、従来のデスクトップ(Windows Forms / WPF)アプリとの違いや移行方法、ストアアプリとデスクトップアプリをどう作り分けていくか(既存のデスクトップアプリのうちどこをストアアプリ化するのか)、といった視点も盛り込んでいます。

というのもストアアプリはタッチデバイスを想定した新しいプラットフォームではあるものの、業務システムすべてをストアアプリに置き換えるというのは得策とは言えないケースが多々あるためです。逆に業務システムのうちストアアプリ化すると効率が上がる部分も多く存在しており、本書では業務システムをグレードアップさせるためのストアアプリ開発を、概念、UI設計から具体的なコードにいたるまで詳しく取り上げています。

私もWindows 8業務アプリを開発する上で、DevOps(開発と運用の協調)を実現するためにPowerShellモジュールをアプリに組み込み、運用サイドでもアプリ操作の自動化を容易に行う方法についての記事を書かせていただいてます。

本書はストアアプリを中心にクラウド等の周辺テクノロジーを包括した、Windows 8時代の業務システム開発とはどのようなものであるか、どのように行っていけばいいのか、という指針を提示できているのではないかと思っています。Windows開発に携わる方はぜひお手にとって見ていただきたい一冊です。どうぞよろしくお願いします。

3/29追記。
本書のサポートページが公開になりました。特集1と私の記事のサンプルファイルがダウンロード可能になっていますので、ご活用ください。

2012/03/07

3/24(土)に広島の日本マイクロソフト株式会社中四国支店で第27回.NET 勉強会 / ヒーロー島が開催されます。今回のテーマは「ハンズオンでPowerShellに触れてみよう」ということで、丸一日かけてPowerShellセッションとハンズオンが行われます。

.NET 勉強会 / ヒーロー島 - 第27回勉強会

私はこのうちハンズオンのスピーカー(進行?)を担当させていただきます。ハンズオンの前に行われるセッションにはマイクロソフトエバンジェリストの安納さんがスピーカーをされ、PowerShell概要、そして3.0のお話をしていただきます。

ハンズオンというのは通常のセッションのようにスピーカーの話を聴くのがメインのスタイルではなく、講師の指示にしたがいながら実際に自分のノートPCで操作を行い、学習を進めていく方式になります。今回はPowerShellの基本操作を学ぶハンズオンにしていきたいと考えています。

ハンズオンに参加していただくにはノートPCが必須になります。ぜひ、ご自分のノートPCをお持ちいただきますようお願いします。Windows 7でしたら特に前準備は必要ありません。Vista, XPの場合は.NET Framework 3.5 sp1以上とPowerShell 2.0をあらかじめインストールしておいていただきますようお願いいたします。Windows 8 のプレビュー版やPowerShell 3.0 beta版をさっそくインストールされている方もそのままご参加いただけます。

ハンズオン内容に関しては現在構成中ですが、もし「これをやってみたい!」というのがありましたらコメント欄やTwitterなどでご連絡いただければ、参考にさせていただきたいと思います。

お近くの方でご興味がございましたら、ぜひご参加ください!丸一日PowerShell漬けの勉強会というのはなかなかないですので!スタートメニューにある謎の(?)プログラム、この機会に触ってみませんか!それとエバンジェリストによるPowerShell 3.0話を聴けるめったにないチャンスですよ!

というわけでみなさまのご参加、お待ちしております。

2010/12/15

TechNetスクリプトセンターは以前はMicrosoftが作成したスクリプト(英文解説付き)がメインコンテンツでしたが、最近はコミュニティベース記事としてユーザーがスクリプトを投稿できるようになっています。今回、Microsoft MVPがこのスクリプトギャラリーに投稿したスクリプトを紹介し、スクリプト作成のTipsを取り上げるコンテンツが公開されました。

MVP が伝授するスクリプト作成のヒントとコツ
http://technet.microsoft.com/ja-jp/scriptcenter/gg486878

私も3つスクリプトを紹介させていただきました。PowerShellやWSHスクリプト作成の参考にぜひどうぞ。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2010/12/15/195802.aspx

2008/11/25

PowerShell from Japan!! - ここが日本のPowerShell情報発信基地
http://powershell.hiros-dot.net/

というHIROさんという方が運営されているサイトに参加させていただきました。PowerShellに関する記事投稿サイトです。

PowerShellの日本語情報がぞくぞくと集まっているようで期待のサイトです。

わたしのはじめての投稿はこれです

わたしの記事一覧はこちらです。

私は今後もわんくまの方でメインに記事を書いていきますが、PSネタに関してはこちらにも何か寄稿ができればしようと思っていますし、基本、わんくまに投稿したPS記事のリンクは張っていこうと思っています(逆の場合もあり)。また、私がわんくまに投稿した記事の更新情報はサイドバーに表示させていただいてますし、from Japanに投稿した記事もこのブログのサイドバーに表示させる予定なので、うまいことリンクができればいいなと思っています。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2008/11/25/162085.aspx

2007/06/11

Admintech.jpの話もう一本。

第 5 回 Admintech.jp 勉強会 - Admintech.jp
http://itpro.admintech.jp/wiki/wiki.cgi?page=%C2%E8+5+%B2%F3+Admintech%2Ejp+%CA%D9%B6%AF%B2%F1

私の話はわんくま勉強会で話したことのモディファイバージョンといったところになると思います。シェルの話をメインに、既存シェル・スクリプト環境と比較を考えてみようと思います。

PowerShell専門家のnewpopsさんも講演されます。こちらは管理者向けスクリプトの話ということで私も興味しんしんです。

今回は私の東京初講演となるのでご興味のある付近の方はぜひおこしください。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2007/06/11/80262.aspx

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