2010/09/20

文字列を連結する際、+=演算子などを使うとループ回数によっては非常に時間がかかることがあります。これは+=演算子が実行されるたびに毎回string型の新しいインスタンスを生成しているからです。同じ文字列変数に対して+=演算子で文字列を追加していくループがある場合は、+=演算子の代わりにStringBuilderクラスを使うのが良いです。

たとえば、

$str=""
@("aaaa","bbbb","cccc","dddd")|
%{$str += $_}
$str

というようなコードと同様の結果を得るためには、

$sb=New-Object System.Text.StringBuilder
@("aaaa","bbbb","cccc","dddd")|
%{[void]$sb.Append($_)}
$sb.ToString()

のようにします。[void]にキャストしているのは、AppendメソッドがStringBuilderのインスタンスを返すため、それを表示させないようにするためです。結果はいずれも

aaaabbbbccccdddd

となり、文字列の連結が可能です。

このようにループ回数が少ない場合はそれほど所要時間に差はないのですが、数千の文字列を連結していく場合だと+=演算子を使うと非常に時間がかかります。どれくらい差が出るのか、スクリプトを書いて検証してみました。

function Measure-StringJoinCommand
{
    param([int]$itemCount)
    
    $randomStrs=@()
    @(1..$itemCount)|%{$randomStrs += Get-Random}
    $StringJoinTime=@()
    $StringBuilderTime=@()
    @(1..3)|
    %{
        $StringJoinTime +=
            (Measure-Command {
                $str=""
                $randomStrs|%{$str+=$_}
                $str
            }).Ticks
        $StringBuilderTime +=
            (Measure-Command {
                $sb=New-Object System.Text.StringBuilder
                $randomStrs|%{[void]$sb.Append($_)}
                $sb.ToString()
            }).Ticks
    }   
   
    $result=New-Object psobject
    $result|Add-Member -MemberType noteproperty -Name ElementCount -Value $itemCount
    $result|Add-Member -MemberType noteproperty -Name StringJoinTime -Value (($StringJoinTime|Measure-Object -Average).Average/10000)
    $result|Add-Member -MemberType noteproperty -Name StringBuilderTime -Value (($StringBuilderTime|Measure-Object -Average).Average/10000)
    $result|Add-Member -MemberType noteproperty -Name StringJoinTicksPerElement -Value (($StringJoinTime|Measure-Object -Average).Average/$itemCount)
    $result|Add-Member -MemberType noteproperty -Name StringBuilderTicksPerElement -Value (($StringBuilderTime|Measure-Object -Average).Average/$itemCount)
    $result 
}

@(100,300,500,800,1000,3000,5000,8000,10000,30000,50000,80000)|
    %{Measure-StringJoinCommand -itemCount $_}|
    Format-Table -Property `
        @{Label="Elements";Expression={$_.ElementCount.ToString("#,##0")};Width=8},
        @{Label="StringJoin(msec)";Expression={$_.StringJoinTime.ToString("#,##0")};Width=20},
        @{Label="StringBuilder(msec)";Expression={$_.StringBuilderTime.ToString("#,##0")};Width=20},
        @{Label="StringJoin(tick/element)";Expression={$_.StringJoinTicksPerElement.ToString("#,##0")};Width=30},
        @{Label="StringBuilder(tick/element)";Expression={$_.StringBuilderTicksPerElement.ToString("#,##0")};Width=30}

CPU=Intel(R) Core(TM)2 CPU 6600 @ 2.40GHz,memory=3GB,Windows 7 x86での実行結果は次の通り

Elements StringJoin(msec)     StringBuilder(msec)  StringJoin(tick/element)       StringBuilder(tick/element)   
-------- ----------------     -------------------  ------------------------       ---------------------------   
100      8                    6                    830                            646                           
300      22                   22                   719                            746                           
500      36                   34                   718                            689                           
800      60                   55                   755                            690                           
1,000    86                   72                   857                            721                           
3,000    264                  192                  880                            638                           
5,000    573                  334                  1,146                          667                           
8,000    1,534                522                  1,917                          653                           
10,000   2,562                731                  2,562                          731                           
30,000   23,386               2,204                7,795                          735                           
50,000   60,805               3,730                12,161                         746                           
80,000   184,407              6,541                23,051                         818   

この表は左から、連結する文字列要素数(ループ回数)、+=演算子を使った場合の所要時間(ミリ秒)、StringBuilderを使った場合の所要時間(ミリ秒)、+=演算子を使った場合の1要素あたりの所要時間(tick=100ナノ秒)、StringBuilderを使った場合の1要素あたりの所要時間(tick=100ナノ秒)、です。なお1要素当たりの平均文字数は9文字程度です。また、測定は3回おこない平均値を取っています。

この表によるとループ回数が5000回程度であれば所要時間にさほど差違は見られませんが、それ以降は急激に+=演算子の所要時間が増えることが分かります。また、+=演算子はループが5000回より増えるとループ回数が増えれば増えるほど1要素あたりにかかる時間も増えるのに対し、StringBuilderの場合はほぼ一定です。

というわけで1ループあたりに追加する文字数とループ回数が少ない場合は+=演算子でもそれほど問題にはなりませんが、そうでない場合はStringBuilderを使うのが良さそうです。これらの値が増加する可能性がある場合は、最初からStringBuilderを使っておけば、ある日突然処理がめちゃくちゃ重くなる、という事態も避けられるでしょう。PowerShellでStringBuilderを使っているサンプルがネットにはあまり見当たらなかったのですが、PowerShellでも積極的に使うと幸せになれると思います。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2010/09/20/193089.aspx

2010/02/13

PowerShellは.NET Framework 2.0を利用するWindowsのシステム管理用シェルである。シェルであるためコンソールで対話的にコマンドを実行することができるのはもちろん、スクリプトファイル(*.ps1)を記述しバッチ的に実行することも可能である。ここではPowerShellスクリプトで(コンソールでも使用は可能だが)用いることのできる基礎文法を紹介する。なお、PowerShellでは文法上、大文字小文字を区別しない。

※(★2.0)の注釈があるものはPowerShell 2.0で新たに追加された要素である。

1.基礎

表示

コンソールに文字列を表示。

"Hello world" 

コマンドレット(後述)を使用した場合。

Write-Host "Hello world" 

コマンドレット

PowerShellはコマンドレットと呼ばれる100種類以上のコマンドライン・ツール群を単独で、あるいはパイプライン(後述)で連結して使用するのが基本となる。コマンドレットは原則verb-nounという命名規則にしたがっている。パラメータをつける場合は「-パラメータ名」あるいは「-パラメータ名 パラメータ値」を指定する。

# コマンドレットの一覧表示
Get-Command 

# サービスの一覧を表示
Get-Service 

# アプリケーション イベントログの最新15個のエントリを表示
Get-EventLog -logName Application -newest 15

パイプライン

コマンドレットが値を返却する場合、.NET Frameworkのオブジェクトが含まれる配列であることが多い。このオブジェクト配列がパイプラインを渡って後続のコマンドレットに入力される。

# プロセスのリスト(System.Diagnostics.Processオブジェクトの配列)を取得し、
# Where-Objectコマンドレットでハンドル数(handlesプロパティ)の値が500より大きいものだけを取り出し
# Select-Objectコマンドレットで最初の5つのオブジェクトだけを切りだして表示
Get-Process | Where-Object {$_.handles -gt 500} | Select-Object -first 5

# C:\Windows 配下のフォルダ、ファイルの一覧(System.IO.DirectoryInfo,System.IO.FileInfoオブジェクトの配列)を取得し、
# ForEach-Objectコマンドレットで配列を列挙しすべてのオブジェクトのFullNameプロパティ(フルパス)の値を表示
Get-ChildItem C:\Windows | ForEach-Object {$_.FullName} 

# 通常の配列に関してもパイプラインを使用可能。
# 重複を取り除き、ソートをかける
@(3,5,10,1,2,1,1,1,2,6,4,4)|Sort-Object|Get-Unique 

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変数の宣言

PowerShellは変数の宣言をしなくても変数を使用可能。以下のようにするとどのような型でも代入可能な変数が作られる。

$a = 1
$a = $b = $c = 1 #複数変数に一度に同じ値を代入する場合
$items = Get-ChildItem # コマンドレットの戻り値を格納 

変数の型を指定することは可能。以下のようにするとint型のみ格納可能な変数が作られる。

[int]$a = 1 

あるいは、コマンドレットを用いて$aという変数を宣言することもできる。この場合変数の型は指定できない。

New-Variable -name a 

変数のスコープ

# どのスコープからも読み書き可能
$global:a = 1

# 現在のスコープからのみ読み書き可能
$private:a = 1 

# 現在のスクリプトからのみ読み書き可能
$script:a = 1 

文法チェック

以下を実行することで未定義の変数を参照するとエラーが出るようになる。

Set-PSDebug -strict 

スクリプトの実行

デフォルトの実行ポリシーではスクリプトの実行は不許可であるため、以下のようにポリシーを変更しておく。(RemoteSignedはローカルにあるスクリプトファイルは無条件で実行可、リモートにあるスクリプトファイルは署名付きのもののみ実行可)

Set-ExecutionPolicy RemoteSigned 

スクリプト/コマンドを実行するにはコマンドラインで次のようにする。

コマンドを実行する

powershell -command {Get-ChildItem C:\} 

ファイルを実行する

powershell  .\script.ps1 

ドットソース(スクリプトの内容をグローバルスコープに読み込む)

powershell  . .\script.ps1 

ファイルを実行する(★2.0)

powershell -file script.ps1 

PowerShellスクリプトから別のスクリプトを実行する場合(関数のインクルードにも用いられる)

.\script.ps1
. .\script.ps1 # ドットソース 

デバッガの起動

Set-PSDebug -trace 2 

ステップ実行

Set-PSDebug -step 

2.数値

数値の表現

PowerShellにおける数値は.NET Frameworkの数値を表す構造体のインスタンスである。数値には整数、浮動小数点があり、変数に代入した段階で適切な型が設定される。

# int型(System.Int32型)
$int = 1

# System.Double型
$double = 1.001

四則演算

# 足し算
$i = 1 + 1

# 引き算
$i = 1 - 1 

# 掛け算
$i = 1 * 1 

# 割り算
$i = 1 / 1 

余りと商の求め方

# 割り算の余り
$mod = 7 % 3 

# 上記の場合の商
$div = (7 - 7 % 3) / 3 

べき乗

# 2の8乗
$i = [math]::Pow(2,8) 

インクリメントとデクリメント

# インクリメント
$i++ 

# デクリメント
$i-- 

3.文字列

PowerShellにおける文字列は.NET Frameworkの System.Stringクラスのインスタンスである。

文字列の表現

文字列はシングルクォーテーションかダブルクォーテーションで囲む。ダブルクォーテーションの中では`t(タブ)や`r`n(改行)などの特殊文字が使用でき、変数が展開される。

$str1 = 'abc'
$str2 = "def"
$str3 = "a`tbc`r`n" 

#変数展開(結果は abc def)
$str4 = "$str1 def" 

文字列操作

各種文字列操作

# 結合
$join1 = "aaa" + "bbb"
$join2 = [string]::Join(",",@("aaa","bbb","ccc") )

# 結合(★2.0)
$join2 = @("aaa","bbb","ccc") -join "," 

# 分割
$record1 = "aaa,bbb,ccc".Split(",") 

# 分割(★2.0)
$record2 = "aaa,bbb,ccc" -split "," 

# 長さ
$length = "abcdef".Length 

# 切り出し
$substr = "abcd".SubString(0,2) # ab

正規表現検索

# hitした場合はTrue,しなかった場合はFalse
$result = "abcd" -match "cd"

# 最初に見つかった文字列。添え字の1,2…には()内のサブ式にhitした文字列が格納。
$matches[0] 

正規表現置換

$result = "abc" -replace "c","d" 

4.配列

PowerShellにおける配列は.NET Frameworkの System.Arrayクラスのインスタンスである。

配列の参照と代入

# 5個の要素を持つ配列宣言と代入
$arr1 = @(1,3,5,7,9)
 
# 以下のようにも記述できる
$arr1 = 1,3,5,7,9 

# 型指定する場合
[int[]]$arr1 = @(1,3,5,7,9) 

# 1〜10までの要素を持つ配列宣言と代入
$arr2 = @(1..10) 

# 1要素の配列宣言と代入
$arr3 = @(1) 
$arr3 = ,1 

# 空の配列宣言と代入
$arr4 = @() 

配列の要素の参照と代入

# 4番目の要素を参照 
$ret = $arr2[3] 

# 6〜9番目の要素を含んだ配列を参照
$ret = $arr2[5..8] 

# 1〜4番目と8番目の要素を含んだ配列を参照
$ret = $arr2[0..3+7] 

# 配列の末尾の要素を取り出す
$ret = $arr2[-1] 

# 5番目の要素に値を代入
$arr2[4] = 11 

# 3より小さな要素を含んだ配列を返す
$ret = $arr2 -lt 3 

配列の個数

$arr1_num = $arr1.Length 

配列の操作

$arr1 = @(1,3,5,7,9) 
$arr2 = @(1..10) 

# 配列の末尾に要素を加える(push)
$arr2 += 50 

# 配列を結合し新しい配列を作成
$arr5 = $arr1 + $arr2 

# 配列にある要素が含まれるかどうか(ここではTrue)
$arr2 -contains 2 

5.ハッシュ

PowerShellにおけるハッシュは.NET Frameworkの System.Collections.Hashtableクラスのインスタンスである。

ハッシュ変数の宣言と代入

# 3つの要素を持つハッシュの宣言と代入
$hash1 = @{a=1;b=2;c=3}
 
# 空のハッシュの宣言と代入
$hash2 = @{} 

ハッシュの要素の参照と代入

# 要素の参照
$hash1.a 
$hash1["a"] 

#要素の代入
$hash1.b = 5
$hash1["b"] = 5 

ハッシュの操作

# ハッシュに要素を追加
$hash1.d = 4 
$hash1.Add("e",5)
 
# ハッシュの要素の削除
$hash1.Remove("a") 

# ハッシュのキーの取得
$keys = $hash1.Keys 

# ハッシュの値の取得
$values = $hash1.Values 

# ハッシュの要素を列挙
foreach ($key in $hash1.Keys)
{
    $key + ":" + $hash1[$key]
} 

# キーの存在確認
$hash1.Contains("b") 

6.制御文

if文

if (条件) {

}

if 〜 else文

if (条件) {

}
else{

}

if 〜 elsif 文

if (条件) {

}
elseif (条件) { 

} 

while/do文

while (条件) {

}

do {

} while (条件)

for文

for ($i = 0; $i -lt 5; $i++) {

} 

foreach文

foreach ($item in $items) {

} 

switch文

case を書かないのが特徴的。またスクリプトブロックを条件文に記述できる。

switch ($i) {
    1 {"1";break}
    2 {"2";break}
    {$_ -lt 5} {"5より小さい";break}
    default {"default句";break}
}
# ここで$iに配列を指定すると配列要素すべてに対してswitch文が実行される。 

比較演算子

比較演算子の一覧。PowerShellではPerlの文字列比較演算子のような記述をおこなうが、Perlとは異なり文字列も数値も同じ書式である。

$num1 -eq $num2 # $num1は$num2と等しい
$num1 -ne $num2 # $num1は$num2は等しくない
$num1 -lt $num2 # $num1は$num2より小さい
$num1 -gt $num2 # $num1は$num2より大きい
$num1 -le $num2 # $num1は$num2以下
$num1 -ge $num2 # $num1は$num2以上 

論理演算子

# 論理否定
$ret = -not $true
$ret = !$true

# 論理積
$ret = $true -and $false 

# 論理和
$ret = $true -or $false 

# 排他的論理和
$ret = $true -xor $false 

ビット演算子

# ビット単位の否定
$ret = -bnot 0x14F4

# ビット単位の積
$ret = 0x14F4 -band 0xFF00 

# 上記結果を16進数で表示する場合
$ret = (0x14F4 -band 0xFF00).ToString("X") 

# ビット単位の和
$ret = 0x14F4 -bor 0xFF00 

# ビット単位の排他的論理和
$ret = 0x14F4 -bxor 0xFF00 

7.サブルーチン

PowerShellのサブルーチンには関数とフィルタがある。関数とフィルタは呼び出し行の前で宣言する必要がある。 filter構文もfunction構文と並んで独自関数を記述するものだが、filter構文はパイプラインに渡されたオブジェクトをフィルタするのに用いる。 functionとの違いは、パイプラインに渡した配列を一度に処理するか(function)個別に処理するか(filter)

# 関数宣言の基本
function Get-Test {
    return "test"
}
# 注:returnを付けなくても関数内で出力された値はすべて呼び出し元に返却される。返却したくない場合は出力値をを[void]にキャストするか|Out-Nullに渡す。

# 引数を指定する場合
function Get-Test {
    param($param1,$param2)
    return $param1 + $param2
}
 
# 引数を指定する場合の簡易的な記述法
function Get-Test($param1,$param2) {
    return $param1 + $param2
} 

# 引数の型を指定する場合
function Get-Test {
    param([string]$param1,[string]$param2)
    return $param1 + $param2
} 

# 関数の呼び出し方(,区切りではなくスペース区切りであることに注意)
Get-Test "引数1" "引数2"

# 引数の順序はパラメータ名(引数名)を指定すると自由に指定可能
Get-Test -param2 "引数2" -param1 "引数1" 

# フィルタ宣言の基本
filter Get-Odd {
    if($_ % 2 -eq 1){
        return $_ 
    }else{
        return
    }
} 

# フィルタの使用
@(1..10) | Get-Odd

8.テキストファイル入出力

コマンドレットで可能。エンコーディングは日本語環境のデフォルトではShift-JIS。コマンドレット出力のテキストファイルへの書き出しに関してはリダイレクトも可能。この場合エンコーディングはUnicode。

$str1 = "testテスト"
Set-Content test.txt $str1 # 書き込み
Add-Content test.txt "追記" # 追記
$str2 = Get-Content test.txt # 読み込み

Set-Content test.txt $str1 -encoding UTF8 # UTF-8で書き込み

# リダイレクト
Get-Process > test.txt # 書き込み
Get-Process >> test.txt # 追記
Get-Process | Out-File test.txt -encoding UTF8 # エンコーディングを指定する場合

9.例外

PowerShellで例外が発生すると、デフォルトではエラーメッセージを表示し次の行を実行する(シェル変数$ErrorActionPreferenceの設定により挙動の変更可能)。VBでいうとOn Error Resume Nextに近い。エラーが発生すると$Errorにエラー情報の配列が格納され、$?にFalseが格納される。エラーをトラップするには次の構文を使用する。VBでいうとOn Error Goto lineに近い。

# すべてのエラーをトラップ
trap {

}

# エラーの型名を指定してトラップ
trap [System.Management.Automation.CommandNotFoundException] {

} 

# エラーを発生させる
throw "エラー"
throw New-Object NullReferenceException 

構造化例外処理(★2.0)

# 基本
try{

}
catch{

}
finally{

} 

# エラーの型を指定してcatch
try{

}
catch [System.Net.WebException],[System.IO.IOException]{

}

10.知っておいたほうがよい文法

行継続文字

1行にすると長いコードを複数行に書くには行継続文字`を用いる。VBの_。

$items = Get-ChildItem a*,b*,c*,d*,e* `
-force -recurce 

ただし以下のような場合は`を使用しなくてもよい

$items =
    Get-ChildItem a*,b*,c*,d*,e* -force –recurse
    
Get-Process | 
    Where-Object {$_.handles -gt 500} |
    Select-Object -first 5 

ステートメント分割

ステートメントを分割するには改行コードもしくは;を使用する。VBの:。JavaScriptと同様、文末に;はつけてもつけなくてもよい。

$i = 1; $j = 5; $k = $i + $j 

ヒア文字列

複数行の文字列を記述する方法。

$str = @"
aaaaaa
bbbbb
cccc
ddd
ee
"@ 

.NET Frameworkクラスの利用

.NET Frameworkに含まれているクラスのプロパティやメソッドを使用できる。基本的に完全修飾名を指定しなければいけないが、"System."は省略可能。また、intなど型エイリアスがいくつか定義されている。

# スタティックメンバの使用
[System.Math]::Pow(2,8) 

# インスタンスの生成とメソッドの実行
$arrayList = New-Object System.Collections.ArrayList
$arrayList.Add("a") 

# コンストラクタがある場合。複数ある場合は配列として指定
$message = New-Object System.Net.Mail.Message from@example.com,to@example.com

# COMオブジェクトの生成
$wshShell = New-Object -com WScript.Shell 

# デフォルトで読み込まれていないアセンブリを読み込む
[void] [System.Reflection.Assembly]::LoadWithPartialName("System.Windows.Forms")
[System.Windows.Forms.MessageBox]::Show("hello!") 

# クラスにどんなメンバがあるかの確認
# インスタンスメンバ
Get-ChildItem | Get-Member 

# スタティックメンバ
[math] | Get-Member -static 

キャスト

-asを使った場合はキャスト失敗時もエラーにならずNullが格納される。

$dt = [System.DateTime]"2010/02/13"
$dt = "2010/02/13" -as [System.DateTime] 

ユーザー定義オブジェクト

PowerShellにはクラスを定義する構文はないが、空のオブジェクト(PSObject)を生成し、任意のプロパティ(ノートプロパティ)を付加することができる。

$obj = New-Object PSObject
$property = New-Object System.Management.Automation.PSNoteProperty "Name","名前"
$obj.PSObject.Members.Add($property) 

シェル変数

あらかじめ定義されている変数。シェル変数には自動変数(変更不可能)とユーザー定義変数(変更すると挙動を変更することができる)がある。自動変数の例を挙げる。

$_ :現在パイプラインにわたっているオブジェクト
$args :関数やスクリプトに与えられたパラメータの配列
$pshome :PowerShellがインストールされているフォルダのフルパス
$MyInvocation :スクリプトの実行情報。$myInvocation.ScriptNameでスクリプトのフルパス取得(★2.0)。$myInvocation.MyCommand.Path(1.0の場合)
$true :true。
$false :false。
$null :null。

 

サブ式

$()内には複数行のコードが記述できる。

$arr = $(1;2;1+4)

式モードとコマンドモード

PowerShellの構文解析は式モードとコマンドモードがある。式モードは通常のモード。コマンドモードは引用符がなくても文字列を文字列として扱う。コマンドレットのパラメータなどはコマンドモードで扱われる。ただしコマンドモードになるところでも()もしくは$()もしくは@()をつけるとその中身は式モードとして解釈、実行される。

$i = 1 + 1 # 式モード
Write-Host aaa # コマンドモード(表示:aaa)
Write-Host aaa bbb # コマンドモード(表示:aaa bbb)
Write-Host 1+1 # コマンドモード(表示:1+1)
Write-Host (1+1) # 式モード(表示:2)
$itemCount = @(Get-ChildItem).Length # 式モード

実行演算子とスクリプトブロック

&演算子を用いるとスクリプトブロック{}の内容を実行できる。この場合、スクリプトブロック内のコードは別スコープになる。

$script = {$i = 1+6; Write-Host $i}
&$script
& 'C:\Program Files\Internet Explorer\iexplore.exe' # パスにスペースの含まれるファイルを実行したりするのにも使える

フォーマット演算子

-f演算子を使うと、.NET Frameworkのカスタム書式が使用可能。

"{0:#,##0}Bytes" -f 38731362 # 表示:38,731,362Bytes

バイト数の簡易表記

$i = 1KB # 1024が代入される
$i = 1MB # 1048576が代入される
$i = 1GB # 1073741824が代入される

そのほかの基礎文法最速マスターへのリンク

プログラミング基礎文法最速マスターまとめ - ネットサービス研究室
http://d.hatena.ne.jp/seikenn/20100203/programmingMaster

PowerShellの詳しい機能解説についてはこちらの記事を参照してください。
PowerShell的システム管理入門 ―― PowerShell 2.0で始める、これからのWindowsシステム管理術 ―― ─ @IT
進化したPowerShell 2.0 ─ @IT

文法や機能について詳しく学びたい方には書籍もあります
Windows PowerShellポケットリファレンス
PowerShellによるWindowsサーバ管理術

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2010/02/13/186034.aspx

2008/02/25

複数の戻り値

Rubyで気に入ったところ

PowerShellはどうなのかというと

function hoge{
	1000
	3000
	"fuga"
	"moge"
}

$a = hoge
$a | % {$_}
$a.GetType().FullName

実行結果

PS D:\script> D:\script\test\test.ps1
1000
3000
fuga
moge
System.Object[]

どうですか?気持ち悪いでしょうw returnすらいらないんですよ(returnも使えますが)。逆に言うと関数内でコンソールに値を出力する行がある場合、それを呼び出し元に返したくない場合は[void]にキャストするか、|Out-Nullにパイプで渡します。結構はまりやすいので注意が必要です。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2008/02/25/124861.aspx

2006/12/08

コマンドレットオンラインヘルプ作成
http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2006/11/07/43965.aspx
の続編です。本文中のコマンドレットにリンクを張るようにしました。その他いろいろ改善。
旧バージョンをお使いの方は一度*.htmlを削除してください。ファイル名が変わりました。

function Sanitize{
    #サニタイズ処理
    param ([string]$strSource)
    return ($strSource.Replace("&","&").Replace("<","<").Replace(">",">"))
}
 
function MakeLink{
    #用語にリンクを張る
    param ([string]$strSource)
    foreach ($key in $keys){
        $strSource = $strSource -replace "(\s)($key)(\s)",
        ("`$1`$2`$3")
    }
    return ($strSource);
}
 
#キーワードを格納するArrayList
$keys = new-object System.Collections.Arraylist
get-help -category all | ?{"Cmdlet","Provider","HelpFile" -contains $_.category}|
%{if ($_.Name -ne $null) {[void] $keys.Add($_.Name)}}
 
# "Cmdlet","Provider","HelpFile"のカテゴリを持つヘルプをHTML化
get-help -category all | ?{"Cmdlet","Provider","HelpFile" -contains $_.category}|
%{"
" + 
$(MakeLink $(Sanitize (get-help $_.Name -detail|out-string))).Replace("`r`n","
") + "戻る
"| out-file($_.name + ".html")} $temp="" # ヘルプのHTMLのインデックスを作成する # Aliasのヘルプ get-help -category Alias |sort name| %{$temp+=""} # Cmdlet,Provider,HelpFileの各ヘルプ get-help -category all | ?{"Cmdlet","Provider","HelpFile" -contains $_.category} | sort category,name| %{$temp+=""} $temp+="
名前種類簡易説明
" + $_.name + "" + $_.category + "" + $_.synopsis + "
" + $_.name + "" + $_.category + "" + $_.synopsis + "
" out-file index.html -inputobject $temp

コマンドレットとパイプを多用するスクリプトの見やすい記法ってなんかないですかね?自分で読んでもよくわかりませんなこれw

あと気づいたこと。メソッドを呼び出すときはmethodname (parameter)のようにメソッド名と引数の間にスペースを入れてはいけない!VBSとかになれているとはまります。

関数の呼び出しはfuncname param1 param2のようにする(引数は,で区切るのではない!)。関数の戻り値を読むときは$(funcname param1 param2)のようにする。関数中で何か値が返されるとそれがそのまま関数の戻り値になる(returnは明示しなくてもいいということ。複数の値を返すと戻り値は[object[]]の配列になる。逆に値を返したくない場合は[void]にキャスト)

-replace演算子でサブマッチ文字列は$1,$2..に格納される。$は変数の頭文字なので ` (アクサン グラーブ)でエスケープし、`$1とする。もしくは''(シングルクォーテーション)でくくり'$1'のようにする。

そうそう、
get-help -category all | ?{"Cmdlet","Provider","HelpFile" -contains $_.category}|
は、なんで
get-help -category Cmdlet,Provider,HelpFile
にしなかったかというと、このようにしてもなぜかAliasが含まれてしまうからです。Cmdletを指定するとAliasが含まれる仕様のようです。
でも-containsの使い方がわかってよかったです(ちょっとトリッキー?)

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2006/12/08/49387.aspx

2006/07/14

.NET Framework 2.0にはタスクトレイにアイコンを表示させるためのクラス、NotifyIconクラスがあります。これを使ってみましょう。

function CreateNotifyIconMenu()
{
 # menuItem1オブジェクトの作成
 $menuItem1 = new-object System.Windows.Forms.MenuItem("終了(&X)")
 
 # Clickイベント
 $menuItem1.Add_Click({Form_Closing})
 
 # contextMenuオブジェクトの作成
 $contextMenu = new-object System.Windows.Forms.ContextMenu
 
 # menuItemオブジェクトをcontextMenuオブジェクトのMenuItemsコレクションに追加
 [void]$contextMenu.MenuItems.Add($menuItem1)
 #↑ここの[void]を忘れるとAddメソッドの戻り値がreturnされてしまう。
 
 return ($contextMenu)
}
function Form_Closing()
{
 # フォームとシステムトレイアイコンを非表示に
 $form.Visible = $false
 $notifyIcon.Visible = $false
 
 # PowerShellの終了
 [System.Environment]::Exit(0)
}
[void] [Reflection.Assembly]::LoadWithPartialName("System.Windows.Forms") 
[void] [System.Windows.Forms.Application]::EnableVisualStyles()
# notifyIconオブジェクトの作成とプロパティの設定
$notifyIcon = new-object System.Windows.Forms.NotifyIcon
# System.Drawing.Iconクラスのコンストラクタにはicoファイルのパスを指定する
$notifyIcon.Icon = new-object System.Drawing.Icon C:\script\test\a.ico
$notifyIcon.Text = "PowerShell実行中"
$notifyIcon.ContextMenu = CreateNotifyIconMenu
$notifyIcon.Visible = $true
# formオブジェクトの作成
$form = new-object System.Windows.Forms.Form
# Closingイベント
$form.Add_Closing({Form_Closing})
# フォームの表示
[void]$form.showDialog()

理論上はフォームを表示させなくても良いはずなんですが、ループをまわすいい方法が思いつきませんでした(start-sleepを使うとその間イベントが実行されない)。あと、showDialogで表示したフォームを閉じるいい方法も思いつかなかったので[System.Environment]::Exit(0)
としてPowerShell自体のプロセスを終了させています(exitとやるとエラーが出るんですよね。なんでしょうこれは)。これらに対する良い解決策をお持ちの方は教えてください。

PowerShellのfunctionって引数がなしのとき、呼び出す際()を使うとエラーになるんですよね。あと、文頭に持ってこないといけないのも気に入りません。何とかならなかったのでしょうか…。

せっかくタスクトレイが使えるのに、フォームとコンソールまで表示されてしまいます。そこでWSHを併用してごまかす方法を。

Set WshShell=CreateObject("WScript.Shell")
WshShell.Run "powershell test.ps1",0

このようなvbsファイルを作ってps1ファイルをキックしてやります。Runメソッドの第二引数に0を指定すると、コンソールおよびフォームが非表示になりますが、タスクトレイは表示されます。この手を使うとまるでタスクトレイだけが表示されているかのような状態を作り出せます。ちなみに、MessageBoxも同じようにそれだけを表示させることができます。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2006/07/14/32470.aspx


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