2014/09/09

8/23わんくま横浜勉強会で、PowerShellコマンドの書き方というセッションをしたのですが、その際、株式会社Codeerさんが公開されているFriendlyというライブラリを使ったコマンドレットを動作させるデモを行いました。

準備の時間がなくて、突貫工事で作ったサンプルで恐縮ですが、公開することにします。(一応動かしてみたら動いた、レベルのものなのであしからず…)

コード
using System;
using System.Diagnostics;
using System.Collections.Generic;
using System.Linq;
using System.Text;
using System.Threading.Tasks;
using System.Management.Automation;
using Codeer.Friendly.Windows;
using Codeer.Friendly.Dynamic;
using System.Windows.Forms;

namespace Winscript
{
    [Cmdlet(VerbsCommon.Get, "FormControlText")]
    public class GetFormControlTextCommand : Cmdlet
    {
        [Parameter(Mandatory = false, ValueFromPipeline = false, Position = 1)]
        public string[] ControlName { get; set; }

        [Parameter(Mandatory = true, ValueFromPipeline = true, Position = 0)]
        public Process Process { get; set; }

        protected override void ProcessRecord()
        {
            var _app = new WindowsAppFriend(this.Process);
            dynamic form = _app.Type<Control>().FromHandle(this.Process.MainWindowHandle);
            foreach (var c in form.Controls)
            {
                if (ControlName == null || ControlName.Contains((string)c.Name))
                {
                    WriteObject((string)c.Text);
                }
            }
        }
    }

    [Cmdlet(VerbsCommon.Set, "FormControlText")]
    public class SetFormControlTextCommand : Cmdlet
    {
        [Parameter(Mandatory = true, ValueFromPipeline = false, Position = 1)]
        public string ControlName { get; set; }

        [Parameter(Mandatory = true, ValueFromPipeline = false, Position = 2)]
        public string Text { get; set; }

        [Parameter(Mandatory = true, ValueFromPipeline = true, Position = 0)]
        public Process Process { get; set; }

        protected override void ProcessRecord()
        {
            var _app = new WindowsAppFriend(this.Process);
            dynamic form = _app.Type<Control>().FromHandle(this.Process.MainWindowHandle);
            foreach (var c in form.Controls)
            {
                if (ControlName == (string)c.Name)
                {
                    c.Text = Text;
                }
            }
        }
    }
}
ビルド方法
  1. Windows 8.1 SDK をインストールする。
  2. Visual Studio 2010以降でC#のクラスライブラリを新規作成する。
  3. C:\Program Files (x86)\Reference Assemblies\Microsoft\WindowsPowerShell\3.0 にある.dllを参照設定する。
  4. 対象フレームワークを.NET 4.5、対象プラットフォームをx64にする。
  5. 上記のコードを貼り付ける。
  6. NuGetでFriendlyおよびFriendly.Windowsを追加する。
  7. ビルドする。
使用方法

上記をビルドして生成したDLLにはGet-FormControlTextと、Set-FormControlTextの2つのコマンドレットが含まれます。

# コマンドレットのインポート
Import-Module "dllのフルパス"

# 操作対象のプロセスオブジェクト取得
$p = Get-Process WindowsFormsApplication1 

# プロセスを指定して、すべてのコントロールのテキストを取得
Get-FormControlText -Process $p

# プロセスとコントロール名を指定して、テキストを取得
Get-FormControlText -Process $p -ControlName textBox1

# 位置パラメータなので以下のようにも書ける
Get-FormControlText $p textBox1

# パイプラインからプロセスオブジェクトを入力することもできる
$p | Get-FormControlText -ControlName textBox1 

# プロセスとコントロール名を指定して、テキストを変更する
Set-FormControlText -Process $p -ControlName textBox1 -Text Wankuma
Set-FormControlText $p textBox1 Yokohama
$p | Set-FormControlText -ControlName textBox1 -Text 6
制限事項

フォーム直下に配置されたコントロールしか取得できない(と思います)。

Windows Formアプリケーションにしか対応していない(と思います)。

x64アプリしか操作できない(と思います。x86用はアセンブリを分ける必要がある??)。(←9/9追記)

コントロール名指定はCase sensitiveでワイルドカード不可です。(この辺ただの手抜きですが)

今後の方針?

上のコードをみてもらえればわかると思いますが、ちょっと触ってみたら一応動くものができるくらい、Friendlyは分かりやすいです。皆さんもぜひ使ってみてください。

本来は、テキストじゃなくてコントロールそのものをGetしたりSetしたりInvoke(クリックとか)したりできるようにしたかったんですが、Controlはシリアル化できないオブジェクトなので、Friendlyで実物を持ってきてコマンドレットに出力する、というのは無理でした。何らかのプロキシオブジェクトみたいなのでラップしたりすれば良いかと思います。

それにしてもPowerShellとFriendlyの組み合わせはものすごい可能性を秘めている予感がします。

システム管理方面では…

セッションでもやりましたが、PowerShellコマンドレットベースのアプリケーションを作ると、GUIとCUIのいいところどりが出来る、とはいうものの、コマンドインターフェースがなくGUIオンリーのアプリケーションはまだまだたくさんあるのが現実かと思います。そういうアプリケーションも、PowerShellデフォルトの機能のみではつらいですが、上記のようにFriendlyを併用すれば、GUI操作の自動化が容易になると思います。

開発方面では…

C#でFriendlyを使ったGUIのテストコードを書く以外に、上記のようなFriendlyの機能をラップしたコマンドレットを用意することで、PowerShellスクリプトでもテストコードを書くことができるようになると思います。その際、Pester等のPowerShell用テストフレームワークを併用すると、より一貫したテストコードが記述できるようになるんじゃないかと思います。

いずれは(いつ?)、Friendlyの機能をラップしたコマンドレット群をきちんと設計、実装して、モジュールとして公開したいですね!

2014/08/25

2014/08/23わんくま横浜#06にお越しいただいた方、どうもありがとうございました。

私の「PowerShellコマンドの書き方」というセッションの資料を公開します。

以下、セッション概要の再掲です。

PowerShellのコマンドを記述する方法としては、大きく分けて、.NET言語で記述する「コマンドレット」と、スクリプトで記述する「高度な関数」があります。
他言語の関数などと異なり、PowerShellのコマンドは他コマンドと連携させるためには、パイプラインの動作をきちんと把握して作成する必要があります。
今回はPowerShellのパイプラインの挙動と、それを踏まえたコマンドレットと高度な関数の書き方を解説します。
デモのお題としては、Friendlyを使ったUI操作自動化コマンドなんていかがですかね?

ところで、同内容のセッションを今度は関西でもやる予定です。詳細が決まり次第、ここで告知します。

9/9追記。http://winscript.jp/powershell/282に、本セッションで行ったデモ用のサンプルコードを公開しました。

2014/03/23

昨日は、MVP Community Camp 2014の大阪会場にお越しいただき、ありがとうございました。

私のセッションスライドを公開します。

前回のエントリーでも書きましたが、DSCについては何度かセッションをやってきており、今回が一応の集大成的なものとなるかと思います。

今回はDSCというPowerShell4.0で追加された応用的な内容でしたが、4/12に開催されるPowerShell勉強会@大阪では基礎的なところからセッションをやる予定です。PowerShell勉強会@大阪については後ほど詳しく紹介エントリーを上げます。

さて、今回デモをやろうとしたんですが、見事に失敗してしまいました。大変申し訳ありません!

原因としてはHyper-Vにドメインコントローラー(兼、Configuration配布用サーバー)と設定対象サーバーの2台を同一ドメインに所属させていたのですが、手違いで設定対象サーバーからDCへの認証ができなくなっていて、結果、DSC反映時に必要なKerberos認証に失敗したためでした。やはりDCを仮想化させるのはいくらHyper-V 3.0でも注意深くやらないとダメですね。直前まではうまく動いてたんですけどもね…DCはやはり独立して用意すべきでした

本番ではデモに失敗したんですが、環境を再整備して動作することを確認しました。そこで、今回、デモで用いる予定だったスクリプトを一式、公開する事にしました。こちら:dsc_demo.zip

使用方法を以下に説明します。なお、すべては無保証なので、必ず、壊れてもいいサーバーを新規で用意してください。また、デモ環境をHyper-Vの仮想サーバーとしておくと、DSC適用前の状態のスナップショットを取れるのでいつでもデモ実行前の状態に戻せて便利です。

事前準備
  1. Configuration配布用サーバー(コンピューター名:dscpull)、設定対象サーバー(コンピューター名:target)を用意し、双方にWindows Server 2012 R2をGUI有効にしてインストールする。
  2. Windows Server 2012 R2がRTM版である場合は、General Availability Update Rollupを適用してGA相当にアップデートする(ビルド番号6.3.9600.16394の状態にする)。
  3. 両サーバーを同一ドメインに所属させる。
  4. 両サーバー間でKerberos認証が通りWinRMでリモート接続できることを確認しておく。
    たとえば、dscpullサーバーからEnter-PSSession targetとしてtargetサーバーにリモート接続できるかどうかで確認できます。
  5. dsc_demo.zip中に含まれるdscpullフォルダをConfiguration配布用サーバーのC:\直下にコピーする。
  6. dsc_demo.zip中に含まれるtargetフォルダを設定対象サーバーのC:\直下にコピーする。
Pushモードのデモ

このデモでは、dscpullサーバーでDSCをpushモードで実行することにより、「targetサーバーにIISをインストールし、Webサイトを作成し、開始する」という操作を適用します。よって、事前にtargetサーバーにはIISが入っていないことを確認しておいてください。

  1. targetサーバーのInstall_Website_Resource.ps1を実行する。
    この操作により、xWebAdministrationリソースモジュールがtargetサーバーに配置されます。
  2. dscpullサーバーのStart_Website_of_Target.ps1を実行する。
    この操作により、xWebAdministrationリソースモジュールがdscpullサーバーにも配置され、xWebSite等のリソースを呼び出すConfigurationに従ってMOFファイルを生成し、Start-DscConfigurationコマンドレットによって実際にMOFファイルの内容をtargetサーバーに反映させます。
    ※Pushモードの場合、カスタムリソースを利用する際は、実行側と対象の双方にカスタムリソースの事前配置が必要です。
  3. Start_Website_of_Target.ps1の実行が終了したら、targetサーバーをチェックして下さい。IISがインストールされ、IISマネージャ上ではDefault Web Siteは停止状態となり、MyWebSiteというサイトが作成され開始されていると思います。http://target/を開いてみてください。
  4. targetサーバーの設定を色々と変更して(Webサイトを停止する、削除する、IISをアンインストールする、InetPubフォルダのコンテンツを削除するetc)、再度Start_Website_of_Target.ps1を実行した場合でも、同じ設定に戻ることを確認してください。
Pullモードのデモ

このデモではまずdscpullサーバーにDSC Serviceをインストールし、PullサーバーとしてMOFファイルを配布できるようにします。続いてtargetサーバーの設定をPullモードにし、dscpullサーバーから設定を定期的に取得、反映させるようにします。(このデモでは「印刷サービス」(プリントサーバー)をインストールするConfigurationをサンプルとして利用しています)

  1. dscpullサーバーのInstall_DSC_Service.ps1を実行する。
    この操作により、xPSDesiredStateConfigurationリソースモジュールがdscpullサーバーに配置され、このモジュールに含まれるxDscWebServiceリソースを呼び出すConfiguration(Sample_xDscWebService)を実行し、Pullサーバーが構築されます。
  2. dscpullサーバーのDeploy_Config.ps1を実行する。
    この操作により、プリントサーバーをインストールするConfigurationからMOFファイル(ファイル名は対象サーバー名ではなく、対象サーバーを識別するConfigurationIDとなる)を生成し、New-DscCheckSumコマンドレットによりチェックサムファイルを出力し、両ファイルをPullサーバーのMOFファイル配布用フォルダにコピーすることで、設定の配置が完了します。
  3. targetサーバーのConfig_LCMforPull.ps1を実行する。
    この操作により、LCM(Local Configuration Manager)設定用のConfigurationからMOFファイルを生成し、Set-DscLocalConfigurationManagerによりMOFファイルを反映し、targetサーバーのLCMがPushモードからPullモードに変更されます。また対象サーバーを識別するためのConfigurationIDも定義します。このスクリプトを実行すると処理の最後で自動的に再起動を実行します。(DSCのモード切替は再起動後に反映されます)
  4. 再起動後、targetサーバーに印刷サービスがインストールされていることを確認してください。上手くいかない場合は、イベントビューアで”Desired State Configuration”を確認してください。またLCMのConfigurationに指定した間隔で設定が再反映されていること、あるいは新設定をPullサーバーに取得しにいっていることを確認してください。

2013/03/24

Windows 8[業務アプリ]開発読本:書籍案内|技術評論社

9784774156057

というわけで、私が企画協力させていただいた「Windows 8 [業務アプリ] 開発読本」という書籍が技術評論社さんから3/27に発売となります。この書籍は書名通り、Windows 8対応の業務アプリを作成するためのノウハウを、私のお友達を中心とした皆さんによって書かれたものとなります。執筆者を募集したときは特に意識はしてなかったのですが、結果的にMicrosoft MVPやMicrosoftエバンジェリストをはじめとしたエキスパートで占められるという何とも豪華な執筆陣となっています。

Windows 8の開発書籍ということで、Windowsストアアプリ開発法をメインに据えた構成となっているのはもちろんのこと、従来のデスクトップ(Windows Forms / WPF)アプリとの違いや移行方法、ストアアプリとデスクトップアプリをどう作り分けていくか(既存のデスクトップアプリのうちどこをストアアプリ化するのか)、といった視点も盛り込んでいます。

というのもストアアプリはタッチデバイスを想定した新しいプラットフォームではあるものの、業務システムすべてをストアアプリに置き換えるというのは得策とは言えないケースが多々あるためです。逆に業務システムのうちストアアプリ化すると効率が上がる部分も多く存在しており、本書では業務システムをグレードアップさせるためのストアアプリ開発を、概念、UI設計から具体的なコードにいたるまで詳しく取り上げています。

私もWindows 8業務アプリを開発する上で、DevOps(開発と運用の協調)を実現するためにPowerShellモジュールをアプリに組み込み、運用サイドでもアプリ操作の自動化を容易に行う方法についての記事を書かせていただいてます。

本書はストアアプリを中心にクラウド等の周辺テクノロジーを包括した、Windows 8時代の業務システム開発とはどのようなものであるか、どのように行っていけばいいのか、という指針を提示できているのではないかと思っています。Windows開発に携わる方はぜひお手にとって見ていただきたい一冊です。どうぞよろしくお願いします。

3/29追記。
本書のサポートページが公開になりました。特集1と私の記事のサンプルファイルがダウンロード可能になっていますので、ご活用ください。

2013/02/13

【改訂新版】Windows PowerShellポケットリファレンス:書籍案内|技術評論社 [表紙]【改訂新版】Windows PowerShellポケットリファレンス

というわけで、2/23に拙著「【改訂新版】Windows PowerShell ポケットリファレンス」が発売となります。初版は2008年に出版され、ご愛顧いただいていたのですが、このたびPowerShell 3.0 / Windows 8 / Windows Server 2012に対応して改訂新版として装いも新たに再登場となります。

今回はPowerShellの基礎知識や文法、リモート接続方法等を項目ごとに解説した「Part1 PowerShellの基礎」、PowerShell 3.0に含まれる全コアコマンドレットを分野別に分類し、その構文、パラメータと使用例を含め解説した「Part2 コマンドレット」、PowerShellから利用する頻度の高い.NET Frameworkクラスに含まれるメソッドとプロパティを解説した「Part3 .NETクラス」、Windows 8 / Server 2012に含まれる全モジュールとそれに含まれる全コマンドレット(2000以上!)のリスト(コマンドレットごとにも一言説明文付き)を掲載した「Part4 モジュール」の4部構成となっております。

PowerShell 1.0/2.0/3.0全対応で、2.0以上で対応の機能、3.0で対応の機能にはそれぞれ分かりやすくマークを入れてあります。

今回もいくつかサンプルスクリプトを掲載しており、それはサポートページでダウンロードできるようにする予定です。

392ページだった初版から大幅増ページで592ページとなり、ポケットリファレンスといいつつ本当にポケットに入るのか?というボリュームとなっていますが、きっと皆様のPowerShellライフのお役に立てるものと思います。書店等で見かけた際は是非、お手に取ってご覧になっていただきたいと思います。

2011/12/13

はじめに

この記事はPowerShell Advent Calendar 2011の13日目、そして私の2回目の記事となります。

今日のテーマは前回の続きで、PowerShellのバックグラウンドジョブの結果を読み取ったり、バックグラウンドジョブに値を与えたりして、ジョブと通信を行う方法を解説します。

ジョブから呼び出し元に値を返却する

ジョブの結果を取得するにはReceive-Jobコマンドレットを使用すれば良いと前回書きましたが、今回はジョブ側から結果を返す実際の方法を示します。

基本的にPowerShellのスクリプトやスクリプトブロックが呼び出し元に返却する値というのは、そのスクリプト(or ブロック)でパイプラインを通じて最終的にデフォルト出力に渡されたすべての値です。複数行に渡って出力されている場合は、呼び出し元にはその配列(object[])として返却されます。

ジョブにおいてもそれは同様で、基本的にStart-Jobなどで生成したスクリプトやスクリプトブロックが出力したすべての値がジョブの出力となり、呼び出し元からはReceive-Jobコマンドレットで受け取ることができます。

以下に現在の日付時刻を出力するサンプルを示します。サンプルなのでジョブなのに同期的な処理になってますがご了承を。

$job=Start-Job {
    Start-Sleep -sec 5
    Get-Date
}
Wait-Job $job|Receive-Job

複数だと以下のようになります。

$job=Start-Job {
    Start-Sleep -sec 1
    "Give me job."
    Get-Date
    1+1
}
Wait-Job $job|Receive-Job

この場合だと文字列、日付時刻、数値の3種類のオブジェクトが出力されますので、結果は長さ3のobject配列になります。そのためこれらの値を個別に取り出す場合は次のようにします。

$job=Start-Job {
    Start-Sleep -sec 1
    "Give me job."
    Get-Date
    1+1
}
$result=Wait-Job $job|Receive-Job
Write-Host $result[0]
Write-Host $result[1].ToString("yyyyMMdd")
Write-Host $result[2]

このように配列のインデックスで各値にアクセスできますが、これだと受け取り側での処理が分かりにくいと思われるかもしれませんね。

そこでお勧めなのが、このように複数値を返却するのではなく、カスタムオブジェクトを1つだけ返却するようにする方法です。

$job = Start-Job {
    Start-Sleep -sec 1
    $ret = New-Object PSObject -property @{
        String = "Give me job.";
        Date = Get-Date;
        Number = 1+1
    }
    $ret
}
$result = Wait-Job $job|Receive-Job
Write-Host $result.String
Write-Host $result.Date.ToString("yyyyMMdd")
Write-Host $result.Number

この方法ではジョブの中でNew-Objectコマンドレットでカスタムオブジェクトを作成し、それを返却しています。返却値は1つのオブジェクトでそのプロパティに値が格納されているのでドット演算子で値を参照できるようになりました。

ただしこの方法にも欠点があって、Receive-Objectで結果を参照するとき、ジョブが終了するまですべての値が参照できません。実はジョブが完了してない段階でも、Receive-Objectを実行するとジョブがそこまで出力した値を逐次取得することができるのです。よって

$job=Start-Job {
    Start-Sleep -sec 3
    "Give me job."
    Start-Sleep -sec 3
    Get-Date
    Start-Sleep -sec 3
    1+1
}

のようにしてジョブを走らせた後、適当な間隔で

$job|Receive-Job

を実行すると、それまでに出力した部分までを取得して書き出します。先程の例のように出力をカスタムオブジェクトでまとめてしまうとこの手法が使えなくなってしまいます。

どちらもメリット、デメリットがあるのでうまく使い分けると良いかと思います。具体的にはジョブの実行途中では結果を取得せず、ジョブ完了後の最終的な結果のみまとめて参照したい場合はカスタムオブジェクトで返却し、それ以外はそのまま随時値を返却するようにすればいいと思います。

さて、ジョブの結果を受け取る際にもう一点注意しなければならないことがあります。それはジョブが返すオブジェクトの型です。PowerShellのジョブ機能はリモーティング機構の上に構築されているというのは前回も書きましたが、その関係上、呼び出し元とジョブとの間でオブジェクトを受け渡しする場合は一度シリアル化され、受け取り側でデシリアライズされます。

オブジェクトのクラスもしくは構造体がシリアライズ可能(Serializable属性がついている)なら、PowerShellによりシリアル化→デシリアライズされたオブジェクトはシリアル化される前のオブジェクトと同一のものです。しかしそうではないオブジェクトの場合だと完全に元と同じオブジェクトには復元されません。

たとえば(Get-Process)[0]をジョブで実行するとSystem.Diagnostics.Processオブジェクトが得られますが、それをジョブの呼び出し元に返却するとDeserialized.System.Diagnostics.Processというカスタムオブジェクトに変換されます。このオブジェクトは各プロパティ値は(シリアル化可能なものだけ)保持しているものの、メソッド定義などは消失しているのでこのオブジェクトのメソッドを実行することはできません。

ちなみにSystem.StringクラスやSystem.Int32やSystem.DateTime構造体はSerializable属性がついているのでジョブの結果として取得しても元のオブジェクトと同一なので、メソッドなどが呼び出し可能です。

ジョブに呼び出し元の値を渡す

今度は逆の場合です。ジョブを走らせるとき、呼び出し元からジョブに値を渡す方法です。

$job = Start-Job {
    param($date,$value)
    Start-Sleep -sec 1
    "${date}の${value}日後の日付は" + $date.AddDays($value).ToString("yyyy/MM/dd") + "です。"
} -argumentList @((Get-Date),1)
Wait-Job $job|Receive-Job

このようにStart-Jobコマンドレットの-argumentListパラメータに、ジョブに渡したい値を指定すればOKです。複数ある場合はこのように配列指定も可能です。

ジョブ側ではparamキーワードで仮引数を指定しておけば、スクリプトブロック内で呼び出し元の値が格納された変数を使用できます。ここではparamを使いましたが、paramを使用しない場合は$argsに実引数が配列として格納されているので、これを利用するのでもOKです。

値を渡す場合でもシリアライズとデシリアライズが行われるので、その点だけは注意が必要です。

ジョブは呼び出し元と別インスタンスなので、呼び出し元に読み込まれた関数を参照することはできません。よってジョブでも呼び出し元で定義した関数を実行したい場合は同様に-argumentListで関数の実体であるスクリプトブロックを送ってやる必要があります。

function Get-Test
{
    "テスト!" + (1+1)
}

$job = Start-Job {
    param($sb)
    &([scriptblock]::Create($sb))
} -argumentList (Get-Item Function:\Get-Test).ScriptBlock

Wait-Job $job|Receive-Job

-argumentListでスクリプトブロックを渡すとStringにキャストされてしまうので、ジョブ内でそれをCreateメソッドでスクリプトブロックに戻してから実行演算子&で実行するという回りくどいことになってしまいました。関数にこだわらなければ呼び出し側でスクリプトブロックを作って変数に入れ、それを-argumentListに入れてやると少しだけ記述がシンプルになりますが、ジョブ内でスクリプトブロックを復元しなければならないのは同様です。

いずれにせよあんまり美しくないのでお勧めしません。こんなことをやるくらいならジョブの中あるいは -InitializationScriptパラメータの中で関数やスクリプトブロックを定義してやるか、関数を別スクリプトファイルに切り出して、そのスクリプトファイルをジョブ内で読み込むほうが良いかと思います。前者の場合だと呼び出し元とジョブ内で関数を共有することはできませんが、後者の方法だとファイルとしては分割してしまいますが可能です。

おわりに

今回はジョブと通信する方法として、ジョブから結果を出力したり、ジョブに値を渡したりする方法をまとめました。意外と落とし穴が多いので注意してください。

このシリーズはあと1回だけ続く予定です。お楽しみに。

2011/12/02

はじめに

このたび、技術系アドベントカレンダーイベントの1つとして、PowerShell Advent Calendar 2011を企画しました。この記事はその2日目の記事となります。アドベントカレンダーについてはリンク先を参照してください。

今日のテーマはPowerShellのバックグラウンドジョブ機能の使い方についてのまとめです。

バックグラウンドジョブとは

バックグラウンドジョブ機能はその名の通り、ジョブ(具体的にはスクリプト)をバックグラウンドで非同期に実行するものです。PowerShell v2で追加された機能の一つです。インタラクティブシェルでStart-Jobコマンドレットを使用してバックグラウンドジョブ(以下、単に「ジョブ」と表記)を実行すると、新しくpowershell.exeのプロセスが起動しそのままシェルに制御が戻りユーザーは後続の処理を行うことができます。もちろんスクリプトからジョブを実行することも可能です。時間のかかる処理をバックグラウンドで走らせたり、数多くの処理を並列で実行したりするのに重宝します。

起動されたジョブは操作中のpowershell.exeとは別のジョブ用のプロセスで実行され、処理が完了すると呼び出し元でその結果をReceive-Jobコマンドレットを使って受け取ることができます。ジョブは並列して何個も同時に実行できます。なおPowerShellのジョブは1ジョブ=1プロセスです。スレッドではないので注意。

PowerShellのジョブシステムはリモート処理インフラストラクチャの上に構築されているので、たとえローカルPCでもジョブ実行するにはローカルPCをリモート用構成にしておく必要があります。詳しくはabout_Remote_Requirementsを参照のこと。

ジョブはローカルでもリモートでも走らせることができます。以下に具体的な方法を述べていきます。

ローカルコンピュータでのジョブ実行

ローカルコンピュータ上に新しくジョブを作成して開始するにはStart-Jobコマンドレットを用います。

Start-Job {ジョブとして実行したいコマンド、スクリプト}

とするとジョブを実行します。

$job=Start-Job {..}

のようにするとJobオブジェクト(System.Management.Automation.PSRemotingJob)を変数に格納してあとで利用できます。変数で受けない場合はJobオブジェクトの内容が表示されます。

存在するジョブを取得するにはGet-Jobコマンドレットを用います。

Get-Job

で現在実行中のジョブ一覧を表示します。以下に出力例を示します。

Id              Name            State      HasMoreData     Location             Command
--              ----            -----      -----------     --------             -------
1               Job1            Completed  True            localhost            "test"
3               Job3            Running    True            localhost            start-sleep -sec 120;"...

以下の表は各項目の意味です。

Id ジョブID番号
Name ジョブの名前
State

Running=実行中のジョブ

Stopped=停止したジョブ

Complete=完了したジョブ

Failed=エラーが出たジョブ

HasMoreData 返却されたデータがあるかどうか
Location ジョブが実行されているコンピュータ名
Command ジョブで実行されているコマンド、スクリプト

ジョブの終了を待つにはWait-Jobコマンドレットを用います。

Get-Job|Wait-Job

とすると実行中のジョブすべてが完了するまで待ちます。-timeoutパラメータを使うと最大待ち時間(秒)を指定できます。

Get-Job|Wait-Job -any

とすると実行中のいずれかのジョブが完了するまで待ちます。正確には「対象のジョブが一つ以上完了するまで待つ」という効果なので、完了済みのジョブが1つ以上ある場合に新たにジョブを追加した場合などは想定の動作になりません。あらかじめRemove-Jobで完了済みのジョブを削除するか、Where-ObjectコマンドレットでRunningのみ対象にするようフィルタをかけるかしてください。

ジョブを中止するにはStop-Jobコマンドレットを用います。

Get-Job -id 1|Stop-Job

とするとジョブIDが1のジョブを中止します。

$jobにJobオブジェクトが格納されている場合は

$job|Stop-Job

でもOKです。

ジョブを削除するにはRemove-Jobコマンドレットを用います。

Get-Job|where {$_.state -eq "Completed" -or $_.state -eq "Stopped"}|Remove-Job

とすると完了済みと中止したジョブを削除します。実行中のジョブは削除できませんが-forceパラメータを使って強制削除することは可能です。

ジョブの実行結果データを取得するにはReceive-Jobコマンドレットを用います。

Get-Job|Receive-Job

とすると完了済みのジョブのうち、結果を返却しているもの(HasMoreDataがTrueのジョブ)があればその結果を表示します。-keepパラメータをつければ結果データを保持しますが付けてない場合は参照後破棄します。

*-Job系のコマンドレットの多くはJobオブジェクトを返却するので、パイプラインでどんどん繋げていけます。

Get-Job|Wait-Job -timeout 10|Receive-Job

のように。

ジョブの基本的な使い方に関して詳しくはabout_jobsを参照してください。

イベントサブスクライブ

PowerShell 2.0では.NET Frameworkのオブジェクトのイベントをサブスクライブすることができます。すなわちイベントハンドラを記述することができます。このイベントサブスクライブ機能もジョブ機能を元に構築されています。

たとえばTimerオブジェクトのElapsedイベントをサブスクライブし、タイマーの実行間隔(ここでは1秒)ごとにtest.txtファイルに乱数を追記していくサンプルは次のようになります。

$timer=new-object System.Timers.Timer
$timer.Interval=1000
Register-ObjectEvent -EventName Elapsed -SourceIdentifier test -Action {get-random|add-content c:\users\daisuke\test.txt} -InputObject $timer
$timer.Enabled=$true

Register-ObjectEventの結果、新しくジョブが生成しそのJobオブジェクトが返却されます。このジョブは-EventNameパラメータで指定したイベントが発生するたび、-Actionパラメータで指定したスクリプトブロックを実行します。

なお、イベントサブスクライブを解除するには

Unregister-Event test

のように-SourceIdentifierパラメータで指定した値を指定してUnregister-Eventコマンドレットを実行することで可能です。サブスクライブを解除してもジョブ自体は削除されない(StateがStoppedになるだけ)ので、必要であればRemove-Jobで削除します。

なお.NETオブジェクトの他にPowerShellスクリプトのカスタムイベント(Register-EngineEvent)、WMIオブジェクトのイベント(Register-WmiEvent)をサブスクライブすることもできます。これらのコマンドレットも同様にイベント発生時の処理をジョブとして登録します。詳しくは各コマンドレットのヘルプを参照してください。

リモートコンピュータでのジョブ実行

最初に述べたとおりPowerShellのジョブ機能はリモートインフラストラクチャの上に構築されています。よってローカルのみならずリモートコンピュータに対してジョブを実行することができます。もちろんリモートコンピュータにもリモート構成されていることが条件です。

基本はInvoke-Commandコマンドレットを用い、

$job=Invoke-Command -ComputerName リモートコンピュータ名 {リモートで実行するコマンド、スクリプト} -asjob

となります。これで{}内の処理がリモートコンピュータ上のPowerShellインスタンスで実行されます。-asJobパラメータをつけることでジョブとして(ローカルPCから見て)非同期に処理できますが、-asJobパラメータを省略すると同期的に実行されます。この場合ジョブは作成されず、リモートでの処理が終了するまでローカル側は待機することになります。

リモートコンピュータに接続するための資格情報を別途入力する必要がある場合は-credentialパラメータを使用します。

Invoke-Command -ComputerName リモートコンピュータ名 {リモートで実行するコマンド、スクリプト} -asjob -credential ユーザー名

とするとパスワードを入力するダイアログが表示されます。なお、スクリプトで動かすときなどあらかじめ入力したパスワードを指定したい場合の方法は以前書きました

同じコマンドを複数のリモートPCで同時実行することも可能で、その場合は-computerNameパラメータにリモートコンピュータ名の配列を指定します(「,」区切り)。この場合ローカルPCで見えるジョブとしては1つですが、そのジョブにリモートコンピュータの数だけ子ジョブ(ChildJobs)が作成されています。

このように子ジョブが複数ある場合にReceive-Jobするときは

$job|Receive-Job -location リモートコンピュータ名

あるいは

$job.ChildJobs

として表示される子ジョブの名前(Name)を調べ、

Receive-Job -name 子ジョブの名前

とすることでリモートコンピュータごとに結果を取得できます。

すべての結果をまとめて取得するなら

Receive-Job $job

とします。

$job|Receive-Jobはなぜか駄目なようです。

固定セッションを用いたリモーティング

同じリモートPCに対して何度もコマンドを実行させたい場合、毎回リモートコンピュータ名を指定してセッションを張るのは非効率的なので、リモートセッションを確立したあとその固定セッションを何度も使用する方法が用意されています。新しく固定セッションを確立するにはNew-PSSessionコマンドレットを用い、

$session=New-PSSession リモートコンピュータ名

とすると固定セッションが確立され、$session変数にそのセッションオブジェクトが格納されます。あとは

Invoke-Command $session {リモートで実行するコマンド、スクリプト} -asjob

とすればそのたびにそのセッションを用いてリモートでコマンドを実行できるようになります。

ここまでの説明はリモートコンピュータでしてきましたが、ローカルコンピュータに対して固定セッションを張ることも可能です。

さらに、Enter-PSSessionコマンドレットを用いると作成したセッションに入ってリモートコンピュータ上のPowerShellを対話実行することも可能です。

Enter-PSSession $session

とすると、プロンプトが

PS カレントディレクトリ>

から

[リモートコンピュータ名]: PS カレントディレクトリ> 

に変化し、以降リモートのPowerShellをローカルPCから対話実行できます。

なおこの状態から抜けるにはexitもしくはExit-PSSessionと入力して実行します。

ジョブ実行できるそのほかのコマンドレット

これまで述べたコマンドレット以外にも、いくつかのコマンドレットはジョブ実行(ローカルorリモート)することができます。ジョブ実行するには-asJobパラメータを使用します。以下にv2の段階で-asJobパラメータが定義されているそのほかのコマンドレットを示します。

これらのコマンドレットはコマンドレット自体にジョブ実行機能がついているので、単独で実行するだけならStart-JobやInvoke-Commandを用いる必要がありません。v2ではWMIを扱うコマンドレットにのみ-asJobパラメータが存在するようです(ここに挙げたコマンドレットはすべてWMIの機能を呼び出すもの)。なお、-asJobパラメータが使用できるコマンドレットの一覧を取得するのに、fsugiyamaさんの1日目の記事の問15のスクリプトを使用させていただきました。

おわりに

PowerShell Advent Calendar 2011二日目は、PowerShellのバックグラウンドジョブ機能概要についてまとめてみました。実はバックグランドジョブ機能のTipsを書こうと思ってその前ふりとして書き始めたのですが、これだけでかなりの量になってしまったので概要だけ一記事としてまとめることにしました。おそらくPSアドベントカレンダーに私はあと何回か登場することになりそうですので、Tips編はその際に書こうと思います。

さて、明日三日目は@jsakamotoさんのご登場ですね。よろしくお願いします!

そして参加者はまだまだ募集中ですよ!→PowerShell Advent Calendar 2011

2011/10/09

JScriptは言語単体ではSafeArrayを作ることができません。

そこでJScriptでSafeArrayが必要な場合、VBScriptを併用しVBScriptの配列(これはSafeArrayです)をJScriptに取り込む方法や、Scripting.DictionaryのItems()メソッドを使う方法などが使われているようです。

しかしこれらの方法で多次元のSafeArrayを作るサンプルをあまり見かけませんでした。Dictionaryの方法ではそもそも1次元しか無理ですしね。そんな中、この記事を発見しました→JScriptの配列とVBScriptの配列(SafeArray)を相互変換する方法(2次元編) - プログラマとSEのあいだ
この記事の二つ目の例ではExcelを使用しRegionオブジェクトが二次元配列を返す点を利用しています。これはなかなか盲点というかアイデアものではありますが、実行速度にやや難があるかな?と思いました。

注: ただしこの記事の方法は、もともとExcelで二次元配列が必要な場合があったから考案されたもののようで、その用途においてはExcelを起動するコストは考慮しなくてよいのかもしれません。

一つ目の方法ではVBScriptを併用していますが、.wsfファイルを使用してJScriptとVBScriptを混在させる形式をとっています。この方法はWSHでは問題ありませんが、複数のスクリプトエンジンを混在できないホスト環境では問題があります。

注:そんな環境ってあるのか?と聞かれそうですが、たしかにHTML/HTA/Windowsデスクトップ(サイドバー)ガジェット/WSH/classic ASPなどほとんどの環境では大丈夫そうです。ただ私が最近はまっているJScript実行環境であるところのAzureaでは無理ですね。WSHでも.jsファイルにこだわるのであれば。

そこで考えたのが、ScriptControlを使用してJScriptのコードの中でVBScriptのコードを実行させる方法です。以下のような感じになります。

function array2dToSafeArray2d(jsArray2d)
{
	var sc = new ActiveXObject("ScriptControl");
	sc.Language = "VBScript";
	var code =
'Function ConvertArray(jsArray)\n' +
'	ReDim arr(jsArray.length - 1, jsArray.[0].length - 1)\n' +
'	outerCount = 0\n' +
'	For Each outer In jsArray\n' +
'		innerCount = 0\n' +
'		For Each inner In outer\n' +
'			arr(outerCount, innerCount) = inner\n' +
'			innerCount = innerCount + 1\n' +
'		Next\n' +
'		outerCount = outerCount + 1\n' +
'	Next\n' +
'	ConvertArray = arr\n' +
'End Function\n';
	sc.AddCode(code);
	return sc.Run("ConvertArray",jsArray2d);
}

まあやっていることは本当にJScriptの配列をバラしてVBScriptの二次元配列に詰め直しているだけです。

ただいくつかポイントがあって、まずVBScriptからはJScriptのオブジェクトメンバーにドット演算子でアクセスができます。JScriptの配列はオブジェクトと同一であり、配列はオブジェクトに0,1,2...という名前のプロパティが存在することになります。しかしVBScriptで数字のメンバ名はそのままではドット演算子でアクセスできないので、[]でくくる必要があります(これ、予約語なんかもそうですね。あとVB6でもVB.NETでも同じなので覚えておくといいかも)。なので次元数2の配列の長さを調べるのにjsArray.[0]でまず内側の配列オブジェクトを取得しているわけです。

さらにポイントとして、VBScriptでJScriptの配列を含むオブジェクトメンバを列挙するのにコード例のようにFor Each Next構文が使えます。ただしFor Nextを使ってインデックスアクセスはできません。というのもjsArray.[3]とかはあくまでjsArrayオブジェクトの3プロパティの値を参照しているにすぎず、jsArray.[I]という書き方ができないからです(これだと単にIプロパティの値を見てることになる)。Eval関数を併用すれば可能ではありますが、コードの中にコードを含ませさらにその中にまたコードを含ませるのも微妙なのでここでは使ってません。

あとは紹介した記事の関数部分だけ置き換えればJScriptのVBArrayオブジェクトを用いたテストもできるかと思います。注意点はExcelオブジェクトは配列添え字が1から始まるのに対し、VBScriptの配列は0から始まる点です。LBound関数を使えばその差違は吸収できるかな、と思います。

最初は多次元配列というかn次元配列に拡張した関数を書いてやろうと企んでましたが挫折しました。ネストしたループではなく再帰呼び出しである必要がありますし、ReDimは次元数を動的に指定することができないので実行するVBScript自体を動的生成しなければいけません。興味がある方はチャレンジしてみてください。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2011/10/09/204198.aspx

2010/09/20

文字列を連結する際、+=演算子などを使うとループ回数によっては非常に時間がかかることがあります。これは+=演算子が実行されるたびに毎回string型の新しいインスタンスを生成しているからです。同じ文字列変数に対して+=演算子で文字列を追加していくループがある場合は、+=演算子の代わりにStringBuilderクラスを使うのが良いです。

たとえば、

$str=""
@("aaaa","bbbb","cccc","dddd")|
%{$str += $_}
$str

というようなコードと同様の結果を得るためには、

$sb=New-Object System.Text.StringBuilder
@("aaaa","bbbb","cccc","dddd")|
%{[void]$sb.Append($_)}
$sb.ToString()

のようにします。[void]にキャストしているのは、AppendメソッドがStringBuilderのインスタンスを返すため、それを表示させないようにするためです。結果はいずれも

aaaabbbbccccdddd

となり、文字列の連結が可能です。

このようにループ回数が少ない場合はそれほど所要時間に差はないのですが、数千の文字列を連結していく場合だと+=演算子を使うと非常に時間がかかります。どれくらい差が出るのか、スクリプトを書いて検証してみました。

function Measure-StringJoinCommand
{
    param([int]$itemCount)
    
    $randomStrs=@()
    @(1..$itemCount)|%{$randomStrs += Get-Random}
    $StringJoinTime=@()
    $StringBuilderTime=@()
    @(1..3)|
    %{
        $StringJoinTime +=
            (Measure-Command {
                $str=""
                $randomStrs|%{$str+=$_}
                $str
            }).Ticks
        $StringBuilderTime +=
            (Measure-Command {
                $sb=New-Object System.Text.StringBuilder
                $randomStrs|%{[void]$sb.Append($_)}
                $sb.ToString()
            }).Ticks
    }   
   
    $result=New-Object psobject
    $result|Add-Member -MemberType noteproperty -Name ElementCount -Value $itemCount
    $result|Add-Member -MemberType noteproperty -Name StringJoinTime -Value (($StringJoinTime|Measure-Object -Average).Average/10000)
    $result|Add-Member -MemberType noteproperty -Name StringBuilderTime -Value (($StringBuilderTime|Measure-Object -Average).Average/10000)
    $result|Add-Member -MemberType noteproperty -Name StringJoinTicksPerElement -Value (($StringJoinTime|Measure-Object -Average).Average/$itemCount)
    $result|Add-Member -MemberType noteproperty -Name StringBuilderTicksPerElement -Value (($StringBuilderTime|Measure-Object -Average).Average/$itemCount)
    $result 
}

@(100,300,500,800,1000,3000,5000,8000,10000,30000,50000,80000)|
    %{Measure-StringJoinCommand -itemCount $_}|
    Format-Table -Property `
        @{Label="Elements";Expression={$_.ElementCount.ToString("#,##0")};Width=8},
        @{Label="StringJoin(msec)";Expression={$_.StringJoinTime.ToString("#,##0")};Width=20},
        @{Label="StringBuilder(msec)";Expression={$_.StringBuilderTime.ToString("#,##0")};Width=20},
        @{Label="StringJoin(tick/element)";Expression={$_.StringJoinTicksPerElement.ToString("#,##0")};Width=30},
        @{Label="StringBuilder(tick/element)";Expression={$_.StringBuilderTicksPerElement.ToString("#,##0")};Width=30}

CPU=Intel(R) Core(TM)2 CPU 6600 @ 2.40GHz,memory=3GB,Windows 7 x86での実行結果は次の通り

Elements StringJoin(msec)     StringBuilder(msec)  StringJoin(tick/element)       StringBuilder(tick/element)   
-------- ----------------     -------------------  ------------------------       ---------------------------   
100      8                    6                    830                            646                           
300      22                   22                   719                            746                           
500      36                   34                   718                            689                           
800      60                   55                   755                            690                           
1,000    86                   72                   857                            721                           
3,000    264                  192                  880                            638                           
5,000    573                  334                  1,146                          667                           
8,000    1,534                522                  1,917                          653                           
10,000   2,562                731                  2,562                          731                           
30,000   23,386               2,204                7,795                          735                           
50,000   60,805               3,730                12,161                         746                           
80,000   184,407              6,541                23,051                         818   

この表は左から、連結する文字列要素数(ループ回数)、+=演算子を使った場合の所要時間(ミリ秒)、StringBuilderを使った場合の所要時間(ミリ秒)、+=演算子を使った場合の1要素あたりの所要時間(tick=100ナノ秒)、StringBuilderを使った場合の1要素あたりの所要時間(tick=100ナノ秒)、です。なお1要素当たりの平均文字数は9文字程度です。また、測定は3回おこない平均値を取っています。

この表によるとループ回数が5000回程度であれば所要時間にさほど差違は見られませんが、それ以降は急激に+=演算子の所要時間が増えることが分かります。また、+=演算子はループが5000回より増えるとループ回数が増えれば増えるほど1要素あたりにかかる時間も増えるのに対し、StringBuilderの場合はほぼ一定です。

というわけで1ループあたりに追加する文字数とループ回数が少ない場合は+=演算子でもそれほど問題にはなりませんが、そうでない場合はStringBuilderを使うのが良さそうです。これらの値が増加する可能性がある場合は、最初からStringBuilderを使っておけば、ある日突然処理がめちゃくちゃ重くなる、という事態も避けられるでしょう。PowerShellでStringBuilderを使っているサンプルがネットにはあまり見当たらなかったのですが、PowerShellでも積極的に使うと幸せになれると思います。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2010/09/20/193089.aspx

2008/12/07

レガシASPでサイトを作ってると、Shift-JISなサイトを作るのが基本になると思います。なんでかというと、FileSystemObjectが基本的にShift-JISの読み書きにしか対応しておらず(UTF-16もいけますが)、いまどきのUTF-8を使うのはちょっと面倒です(FSOの代わりにADODB.Streamを使えば行けますけどどうでしょうねー?私はあんまり好きじゃないです)。

ただ、UTF-8な他のWebサイト/サービスと連携する場合はどうしても避けて通れません。そこでレガシASPでShift-JISなページを作る際、UTF-8文字列を扱う上で知っておくべきこと。

1. escape関数を使うとShift-JISでURLエンコードがされる

ASPはだいたいVBScriptで書くと思うんですが、隠し関数であるescape関数を使うとURLエンコードができます。ですが、escape関数は呼び出し元のページコードの文字コードでエンコードします。なのでShift-JISなページで呼び出すとShift-JISのエンコードURLを出力します。(ちなみにWSHで使うとUTF-16のものになる)

JScriptのencodeURIComponent関数はどんな場合でもUTF-8文字列を出力するので、これを使うといいでしょう。使い方はこうです。

Set sc = CreateObject("ScriptControl")
sc.Language = "JScript"
Set js = sc.CodeObject
Response.Write js.encodeURIComponent("文字列") 

逆にShift-JISなページでShift-JISなエンコードURL文字列を取得したい場合は単にescape関数を呼び出せばいいです。
さらに別なケースですがUTF-8なページでShift-JISなエンコードURLを取得したい場合は、こんな関数を使うといいんじゃないでしょうか

2. XMLHTTPでPostメソッドでSendする際は必ずUTF-8でURLエンコードがされる

Set xh = CreateObject("MSXML2.XMLHTTP")
xh.Open "POST", "http://hogehoge/hoge.aspx", False
xh.Send "文字列"

このように何も考えずに書いても、勝手にUTF-8でURLエンコードされてPostされるので大丈夫です。

3. UTF-8なページのHTMLを読み込む際

標準機能だけでやろうと思うとADODB.Streamを使うしかないと思います。
ちなみに読み込むページの文字コードが不明の場合は判定した上で変換する必要がありますが、これはかなり面倒なので、BASP21を使うといいんじゃないでしょうか。

Function GetPageString(strUrl)
 Set bobj = CreateObject("basp21")
 Set oHTTP = CreateObject("Msxml2.XMLHTTP")
 oHTTP.Open "GET", strUrl, False
 oHTTP.Send
 GetPageString = bobj.Kconv (oHTTP.responseBody,4)
End Function

これは引数にURLを与えるとそのHTMLを文字列として取得します。対象の文字コードが何であってもOKなのがミソ。

4. UTF-8のURLエンコードされたクエリ、あるいはPOSTされたデータを受ける際

これのやり方が分からない!具体的にはトラックバックpingなんかを受け取る際に困ります(さすがにShift-JISでトラックバックpingを送れ!というのはゴーマンだと思います)。私はここだけASP.NETを使って逃げました。どなたかやり方わかります?

追記。Request.BinaryReadしたやつをADODB.Streamにかけたあと&でsplitして=でsplitしてDictionaryに入れてdecodeURIComponentすればいけるかな?

ただし、ここだけASP.NETを使う際にも注意が必要です。まずweb.configの<system.web>セクションに

<globalization
requestEncoding="Shift-JIS" responseEncoding="Shift-JIS" fileEncoding="Shift-JIS"/>

というのを埋め込んで、まずレスポンスエンコーディングをShift-JISにしておきます。IISの設定でもいいですが。

続いてコーディング。Request.QueryStringやRequest.Formは使えないので、Request.InputStreamを使ってごりごり読まないと駄目じゃないかな・・・。なぜかVB.NETですがUTF-8なトラックバックpingをShift-JISなページで受けるサンプルコードを。

Dim str As System.IO.Stream
Dim counter, strLen, strRead As Integer
str = Request.InputStream
strLen = CInt(str.Length)
Dim strArr(strLen) As Byte
strRead = str.Read(strArr, 0, strLen)

Dim Forms As New Dictionary(Of String, String)

For Each item As String In Split(Encoding.UTF8.GetString(strArr),"&")
	If InStr(item, "=") Then
		Dim s As String() = Split(item, "=")
		If s.Length = 2 And Not Forms.ContainsKey(s(0)) Then
			Forms.Add(s(0), HttpUtility.HtmlEncode(HttpUtility.UrlDecode(s(1), Encoding.UTF8)).Trim().Replace(vbNullChar, ""))
		End If
	End If
Next

↑自分でも謎なコードを書いてたのでちょっとマシなのに修正。コンパイル通るかどうかわかりませんが・・・さらにゴミコードが残ってたのでバッサリ切りました。

ただし!これの問題は改行コードが消えることなんです。対処法は見つけていません(勘違いでした)。もっといい方法があったら教えてください。そもそもInputStreamを使わないでRequest.Formとか使いたいんですが、Shift-JISのところにUTF-8が来るとうまくいかないですねぇー。

というわけで長々と書きましたが、Shift-JISにこだわらなければこんなに苦労することはないです。FileSystemObjectがUTF-8を読み書きできないので私はSJISにこだわってるだけです。FSOはWSHからも使いますので・・・

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2008/12/07/162931.aspx

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