2011/05/16

昨日の記事で取り上げたJavaScriptSerializerを用いると、連想配列から楽にJSONを作成できることが分かったのですが、この記事を書いていて思ったのは、「PowerShellの連想配列って意外に使えるな」という点でした。

現在のところ、PowerShellは独自のクラスを記述する方法がありません(Add-Typeコマンドレットを用いてC#などでクラスを書いて利用することはできますが)。Add-Memberコマンドレットを用いると、既存のオブジェクトに対し、任意のプロパティやPowerShellスクリプトで記述したメソッドを追加することはできます。素のオブジェクトであるPSObjectをNew-Objectして作ったオブジェクトでもこれは可能なので、一応ユーザー定義オブジェクトを作ることは可能です。ですが、Add-Memberコマンドレットを使うのはちょっとめんどくさいです。

Windows PowerShellインアクション」ではAdd-Memberを使いPowerShellの関数を駆使してクラス定義構文のようなものを実装した例はありますが、いささか大仰な感は否めません。

しかし連想配列をユーザー定義オブジェクト代わりに使うと、簡単にできますしそこそこ便利に使えます。

連想配列をオブジェクトの代わりにすることのメリットとデメリット

連想配列をオブジェクトの代わりにすることのメリットは以下の三点があるかと思います。

  1. 簡単な記述(連想配列のリテラル)でオブジェクトが作成できる
    PowerShellの連想配列リテラル@{}を使うことで、簡単に記述できます。またそれを配列化するのも@()を使うと容易です。
    $pcItems=
    @(
        @{
            code=25;
            name="ハードディスク2TB";
            price=7000;
        },
        @{
            code=56;
            name="メモリ8GB";
            price=8000;
        }
    )
  2. ドット演算子で値の参照、設定ができる
    PowerShellの連想配列は「連想配列[キー名]」のほかに、「連想配列.キー名」でもアクセスできる。
    Write-Host $pcItems[1].name # 値の参照
    $pcItems[1].name = "test" # 値の設定
    $pcItems[0].maker = "Seagate" # 要素の追加
    
  3. 連想配列の配列に対してWhere-Objectコマンドレットでフィルタをかけることができる
    これは2とも関係しているのですが、通常のオブジェクトと同様にWhere-Objectコマンドレットでのフィルタ、ForEach-Objectコマンドレットでの列挙が可能です。
    $pcItems|?{$_.price -gt 7000}|%{Write-Host $_.name}

このようにメリットはあるのですが、本物のオブジェクトではないのでそれに起因するデメリットがいくつかあります。

  1. 要素(プロパティ)をいくらでも自由に追加できてしまう
    これはメリットではあるのですが、デメリットでもある点です。後述するデメリットのせいで、同じキーをもつ連想配列の配列を作ったつもりでも、どれかのキー(プロパティ名)を間違えていた場合、それを検出するのが困難です。
  2. メソッドがうまく記述できない
    連想配列要素にスクリプトブロックを指定し、&演算子で実行することでメソッド的なことはできます。しかしこのスクリプトブロック内では$thisが使えず、オブジェクトのプロパティにアクセスすることができないのでいまいちです。
    $pcItem= @{
        name="ハードディスク2TB";
        price=7000;
        getPrice={Write-Host $this.price};
    }
    &$pcItem.getPrice # 何も表示されない。$thisが使えない
    # getPrice={Write-Host $pcItem.price}ならOKだが…
  3. Get-Member、Format-List、Format-Tableなどが使えない
    これらのコマンドレットはあくまで連想配列オブジェクト(Hashtable)に対して行われるので、意図した結果になりません。たとえば$pcItems|Format-Listした場合、
    Name  : name
    Value : ハードディスク2TB
    
    Name  : code
    Value : 25
    
    Name  : price
    Value : 7000
    
    Name  : name
    Value : メモリ8GB
    
    Name  : code
    Value : 56
    
    Name  : price
    Value : 8000
    こんな表示になってしまいます。
連想配列をユーザー定義オブジェクトに変換する関数ConvertTo-PSObject

このように、連想配列の記述のお手軽さは捨てがたいものの、いくつかの問題点もあるのが現実です。そこで連想配列のお手軽さを生かしつつ、ユーザー定義オブジェクトの利便性も取るにはどうすればいいか考えました。結論は、「連想配列を変換してユーザー定義オブジェクトにする関数を書く」というものでした。それが以下になります。

#requires -version 2
function ConvertTo-PSObject
{
    param(
        [Parameter(Mandatory=$true, ValueFromPipeline=$true)]
        [System.Collections.Hashtable[]]$hash,
        [switch]$recurse
    )
    process
    {
        foreach($hashElem in $hash)
        {
            $ret = New-Object PSObject
            foreach($key in $hashElem.keys)
            {
                if($hashElem[$key] -as [System.Collections.Hashtable[]] -and $recurse)
                {
                    $ret|Add-Member -MemberType "NoteProperty" -Name $key -Value (ConvertTo-PSObject $hashElem[$key] -recurse)
                }
                elseif($hashElem[$key] -is [scriptblock])
                {
                    $ret|Add-Member -MemberType "ScriptMethod" -Name $key -Value $hashElem[$key]
                }
                else
                {
                    $ret|Add-Member -MemberType "NoteProperty" -Name $key -Value $hashElem[$key]
                }
            }
            $ret
        }
    }
}

ご覧のようにコード的には割にシンプルなものが出来ました。連想配列またはその配列をパラメータにとり、またはパイプラインから渡し、連想配列要素をプロパティまたはメソッドに変換してPSObjectにAdd-Memberしてるだけです。-recurseパラメータを付けると連想配列内に連想配列がある場合に再帰的にすべてPSObjectに変換します。

それでは実際の使用例を挙げます。

# 一番単純な例。パラメータに連想配列を渡すとPSObjectに変換する。
$book = ConvertTo-PSObject @{name="Windows PowerShell ポケットリファレンス";page=300;price=2000}
Write-Host $book.name # 「Windows PowerShell ポケットリファレンス」と表示
$book.name="test" # プロパティに値をセットする
Write-Host $book.name # 「test」と表示
#$book.size="A5" # 存在しないプロパティに値を代入しようとするとエラーになる

# 連想配列をコードで組み立てていく例。
$mutaHash=@{} # 空の連想配列を作る
$mutaHash.name="mutaguchi" # キーと値を追加
$mutaHash.age=32
$mutaHash.introduce={Write-Host ("私の名前は" + $this.name + "です。")} # スクリプトブロックを追加
$mutaHash.speak={Write-Host ($args[0])} # パラメータを取るスクリプトブロックを追加
$muta = $mutaHash|ConvertTo-PSObject # 連想配列はパイプラインで渡すことができる
$muta.introduce() # 「私の名前はmutaguchiです。」と表示
$muta.speak("こんにちは。") # 「こんにちは。」と表示

# 連想配列の配列→PSObjectの配列に変換
$stationeryHashes=@()
$stationeryHashes+=@{name="鉛筆";price=100} 
$stationeryHashes+=@{name="消しゴム";price=50}
$stationeryHashes+=@{name="コピー用紙";price=500}
$stationeryHashes+=@{name="万年筆";price=30000}
$stationeries = ConvertTo-PSObject $stationeryHashes
# "200円以上の文具を列挙"
$stationeries|?{$_.price -ge 200}|%{Write-Host $_.name} # 「コピー用紙」と「万年筆」が表示

# 連想配列の配列をリテラルで一気に記述する
$getPrice={Write-Host $this.price} # 共通のメソッドを定義
$pcItems=
@(
    @{
        code=25;
        name="ハードディスク2TB";
        price=7000;
        getPrice=$getPrice
    },
    @{
        code=56;
        name="メモリ8GB";
        price=8000;
        getPrice=$getPrice
    },
    @{
        code=137;
        name="23インチ液晶ディスプレイ";
        price=35000;
        getPrice=$getPrice
    }
)|ConvertTo-PSObject
$pcItems[1].getPrice() # 「8000」と表示
$pcItems|Format-List
<#
表示:
name  : ハードディスク2TB
code  : 25
price : 7000

name  : メモリ8GB
code  : 56
price : 8000

name  : 23インチ液晶ディスプレイ
code  : 137
price : 35000
#>

# 連想配列の中に連想配列を含めたもの→PSObjectをプロパティの値に持つPSObject
$blog=
@{
    utl="http://winscript.jp/powershell/";
    title="PowerShell Scripting Weblog";
    date=[datetime]"2011/05/16 00:25:31";
    keywords=@("スクリプト","PowerShell","WSH"); # 配列を含めることもできる
    author=@{name="mutaguchi";age=32;speak={Write-Host "ようこそ私のブログへ"}} # 連想配列を含める
}|ConvertTo-PSObject -recurse # -recurseパラメータを指定すると再帰的にすべての連想配列をPSObjectに変換する
$blog.author.speak() # 「ようこそ私のブログへ」と表示
Write-Host $blog.keywords[1] # 「PowerShell」と表示
# ※配列要素に連想配列以外の値が含まれている場合は展開しない

このように簡単な関数一つで、連想配列にあった問題点をすべて解消しつつ簡単な記述で独自のオブジェクトを記述できるようになりました。おそらくかなり便利だと思いますのでぜひ使ってみてください。

余談:ScriptPropertyを使う場合

余談ですが、今回使用したNotePropertyはプロパティに代入できる型を指定したり、リードオンリーなプロパティを作ったりすることができません。そういうのを作りたい場合はScriptPropertyを使います。Add-Memberコマンドレットの-valueパラメータにゲッターを、-secondValueパラメータにセッターをそれぞれスクリプトブロックで記述します。

しかしこいつはあまりいけてないです。これらのスクリプトブロック内で参照するフィールドを別途Add-MemberでNotePropertyを使って作成する必要があるのですが、これをprivateにすることができません。よってGet-Memberでもばっちり表示されてしまいますし、フィールドを直接書き換えたりもできてしまいます。

また今回のように連想配列をPSObjectに変換する場合はprivateフィールド名も自動生成する必要があるのですが、それをScriptProperty内のゲッター、セッターから取得する方法がなく、たぶんInvoke-Expressionを使うしかありません。

これらを踏まえて元の連想配列要素の値の型を引き継ぎ、それ以外の型を代入できないようにしたScriptPropertyバージョンも一応書いてみました。ConvertTo-PSObject関数のelse句の部分を以下に置き換えます。

#$ret|Add-Member -MemberType "NoteProperty" -Name ("_" +$key) -Value $hash[$key]
"`$ret|Add-Member -MemberType ScriptProperty -Name $key -Value {[" + $hash[$key].gettype().fullname + "]`$this._" + $key + "} -SecondValue {`$this._" + $key + "=[" + $hash[$key].gettype().fullname + "]`$args[0]}"|iex

まあこれはいまいちなんで参考程度に。

2012/08/23追記
この記事を書いた時は知らなかったのですが、実は単にNotePropertyだけを持つユーザー定義オブジェクトを作成するのであれば、もっと簡単な方法があります。

# PowerShell 1.0
$o=New-Object PSObject|Add-Member noteproperty Code 137 -pass|Add-Member noteproperty Name 23インチ液晶ディスプレイ -pass

# PowerShell 2.0
$o=New-Object PSObject -Property @{Code=137;Name="23インチ液晶ディスプレイ"}

# PowerShell 3.0
$o=[pscustomobject]@{Code=137;Name="23インチ液晶ディスプレイ"}

3つのコードはほぼ等価です。PowerShell 2.0と3.0では連想配列リテラルを用いて簡単にカスタムオブジェクトを作れるようになりました。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2011/05/16/199086.aspx

2011/05/15

PowerShellでJScript.NETを利用してJSONをパースするの続きです。

あれからまた色々調べていると、.NET Framework 3.5から追加されたSystem.Web.Script.Serialization.JavaScriptSerializerクラスを用いるとJSONのパースと作成が簡単に行えることがわかりました。

まずはパースから。

$json=@'
{"items":
    [
        {
            "code":25,
            "name":"ハードディスク2TB",
            "price":7000
        },
        {
            "code":56,
            "name":"メモリ8GB",
            "price":8000
        },
        {
            "code":137,
            "name":"23インチ液晶ディスプレイ",
            "price":35000
        }
    ]
}
'@
Add-Type -AssemblyName System.Web.Extensions
$serializer=new-object System.Web.Script.Serialization.JavaScriptSerializer
$obj=$serializer.DeserializeObject($json)

$obj["items"][1]["name"] #「メモリ8GB」と表示される
$obj.items[1].name # 上と同じ
$obj["items"]|%{$_["name"]} # 名前が列挙される

このように、JavaScriptSerializerをNew-Objectして、DeserializeObjectメソッドを呼ぶだけで、JSONをパースした結果がオブジェクトに格納されます。このときJSオブジェクトはDictionary<string,object>に、JS配列はobject[]にされて格納されます。よってオブジェクトのアクセスは前回JScript.NETを使った場合と同様にパラメータ付プロパティでできますし、配列のアクセスは数値の添え字で可能です。

前回に比べて良くなっている点は、DictionaryなのでPowerShellにおける連想配列と同様に、プロパティアクセスが可能である点です。よって、$obj.items[1].nameのようにドット演算子で楽に値を取得できます。

さらにJS配列はオブジェクト配列として格納されています。よって、foreachすればその要素がそのまま列挙できます。前回に比べて素直なコードになっていることが分かると思います。

.NET 3.5が使える環境ではPowerShellでJSONをパースするにはJavaScriptSerializerが本命なんじゃないかなと思います。

そしてJavaScriptSerializerクラスを使うと、JSON文字列を作成することも容易です。ここでは先程の例のJSONを逆にPowerShellで作ってみます。

Add-Type -AssemblyName System.Web.Extensions
$serializer=new-object System.Web.Script.Serialization.JavaScriptSerializer

$serializer.Serialize(
@{items=
    @(
        @{
            code=25;
            name="ハードディスク2TB";
            price=7000
        },
        @{
            code=56;
            name="メモリ8GB";
            price=8000
        },
        @{
            code=137;
            name="23インチ液晶ディスプレイ";
            price=35000
        }
    )
})

このように、Serializeメソッドの引数にPowerShellの連想配列を渡すだけです。連想配列の要素に連想配列や配列を含むことで、オブジェクトを構築していきます。

これを実行すると結果は次のようになります。

{"items":[{"name":"ハードディスク2TB","code":25,"price":7000},{"name":"メモリ8GB","code":56,"price":8000},{"name":"23インチ液晶ディスプレイ","code":
137,"price":35000}]}

これは最初に示したJSONとまったく同じであることが分かると思います。このように非常に直感的かつ簡便にJSON文字列を作成することができます。PowerShellの連想配列と配列を使ってオブジェクトを組み立てるだけなので、難しいことを考える必要はなく、柔軟性も高いです。JSONの作成もJavaScriptSerializerが本命でしょうね。JavaScriptSerializerはPowerShellとの相性が抜群です。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2011/05/15/199058.aspx

2011/05/14

PowerShellでJSONをパースする方法はいくつかあると思います。

1. System.Runtime.Serialization.Json.JsonReaderWriterFactoryクラスを用いる

これは.NET Framework 3.5から追加されたクラスで、JSONデータを読み書きするXMLReader/Writerを提供します。すなわちJSONをパースしてXMLに変換することが可能です。XMLはPowerShellから簡単に扱えるので有用な方法と言えるでしょう。

PowerShellからの使用方法についてはこちらの記事が参考になります。:JSON Serialization/Deserialization in PowerShell | Keith Hill&apos;s Blog

2. 頑張って自力でパースする

.NET 3.5が入っていない環境では1の方法が使えないので別の方法を考える必要があります。JSONはテキストデータなので、頑張って自力でパースすることもできなくはないでしょう。

PowerShellでやっている例はこちらになります。:Convert between PowerShell and JSON - Home("Source Code"のリンクをたどっていくとソースがあります)

3. ScriptControl+JScriptを用いる

もう少し簡便な方法はないかなと思っていろいろ考えたんですが、PowerShellではScriptControlを用いるとJScriptやVBScriptを実行することができます。そしてJSONはJavaScriptで扱うことを想定しているだけあって、JScriptではeval()するだけでJSONをオブジェクトに変換することができます。そこで実際にやってみたのですが…

$json=@'
{"items":
    [
        {
            "code":25,
            "name":"ハードディスク2TB",
            "price":7000
        },
        {
            "code":56,
            "name":"メモリ8GB",
            "price":8000
        },
        {
            "code":137,
            "name":"23インチ液晶ディスプレイ",
            "price":35000
        }
    ]
}
'@
$sc=new-object -com ScriptControl
$sc.Language = "JScript"
$jscode="function parseJSON(json){return eval('(' +json + ')').toString();}"
$sc.AddCode($jscode)
$jsobj=$sc.CodeObject.parseJSON($json)
$jsobj

このコードを実行すると、確かにJSONがパースされ、結果が$jsobjという変数に格納されるのですが、残念ながらPowerShellはJScriptのオブジェクト(JScriptTypeInfo)を展開することができないようなのです。

JScriptTypeInfoオブジェクトはVBScriptでは扱うことができるので、まずJScriptでパースし、その結果オブジェクトをVBScriptに渡し、オブジェクトはScripting.Dictionaryオブジェクトに変換し、配列はVBScriptの配列(Safe Array)に変換し、その結果オブジェクトをPowerShellに戻すという方法を考えました。PowerShellはCOMオブジェクトやSafe Arrayは扱えるので理屈の上ではうまくいきます。(参考までに、ASPでこの方法を実際にコードにしてる方がいらっしゃいました。:ASPでJSONパーサーを書いてみた - ゆるゆると

しかしこの方法は当初の目的「簡便にJSONをパースする」からだいぶ離れてしまっています。

4. JScript.NETを用いる

そうだ、JScriptが駄目ならJScript.NETを使えばいいじゃない。JScript.NETなら結果は.NETのオブジェクトで返るしPowerShellでも読めるだろう、ということで、この前このブログで紹介したAdd-Typeコマンドレットを使ってJScript.NETのコードを実行する方法を利用してやってみました。

($jsonの値は先ほどのスクリプトのを使います)

$code=@"
static function parseJSON(json)
{
    return eval('(' +json + ')');
}
"@
$JSONUtil = (Add-Type -Language JScript -MemberDefinition $code -Name "JSONUtil" -PassThru)[1]
$jsobj = $JSONUtil::parseJSON($json) # $jsobjはJSObject

$jsobj["items"][1]["name"] #「メモリ8GB」と表示される

$items=$jsobj["items"] # $itemsはJSArrayObject
$items|%{$items[$_]["name"]} # 名前が列挙される

という感じでうまくいきました。

ここで$jsobjに格納されているのはMicrosoft.JScript.JSObjectクラスのオブジェクトです。このクラスのItemプロパティ(引数付きプロパティ、PowerShellではParameterizedPropertyと呼ばれる)にプロパティ名を引数として渡すと、その値が返却されます。PowerShellでは引数付きの既定プロパティはC#のインデクサと同様の構文で値が参照できるので、$jsobj[“items”]のように[]でアクセス可能です。これは$jsobj.Item(“items”)としても同様の結果が得られます(プロパティなのに()で値を取るところはVB風味?)。

配列の列挙ですが、JSObjectと、オブジェクトが配列の場合はその派生クラスであるJSArrayObjectクラスになりますが、これらはIEnumerableインターフェースを実装しているのでforeachで列挙が可能です。しかしここで列挙されるのはあくまでkey、すなわちプロパティ名の方です。値が列挙されるわけではありません。ご存じのとおり、JavaScriptの配列、連想配列、オブジェクトは同じものであり、配列の場合はkeyが配列インデックスの数字に相当します。そのため配列をforeachしても「0,1,2…」という数字が列挙されるだけです。

なので配列を列挙する場合は、この例のように、一旦JSArrayObjectを変数で受けて、それに対してforeachし、列挙した要素(インデックスの数字)をJSArrayObject.Itemプロパティの引数に与えることで、JS配列要素の値を取得してやる必要があると思います。

1のXMLを経由する方法のように、JSONをドット演算子でプロパティアクセスできないのは残念ですが、.NET 3.5が入っていない(がPowerShell 2.0は入ってる)環境では、それほど手間をかけずJSONを扱えるという点でそれなりに有用ではないでしょうか。

JSObjectもXMLみたいに型アダプタがあればプロパティアクセスできるようになるでしょうし、Add-Memberコマンドレットを駆使してJSObjectに動的にプロパティを追加する関数を書くのもいいかもしれません。が、そこまでいくとやはりお手軽からはかけ離れてしまうので今回はこの辺にとどめておきましょう。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2011/05/14/199047.aspx

2009/12/03

TwitterはRESTなAPIを備えているので、httpの通信ができれば基本的にどんな言語でもクライアントを作ることができるのがいいです。そこで私もPSTweetsというPowerShell版Twitterクライアントを作っているのですが、認証周りで問題が発生しています。

Twitterの認証には標準認証とOAuthが使えるのですが、現在はセキュリティ上の理由で標準認証は非推奨です。標準認証がなぜまずいかというと、マッシュアップサービスでTwitterに対して認証が必要な操作をする場合、ユーザーがその第三者のサービスにTwitterのIDとパスワードを送らなければならないためです。そのサービスがユーザーの認証情報を安全に保持してくれる保証はありません。

そこで考えられたのがOAuthという認証方法です。OAuthはとてもややこしいプロセスを含んでいますが、実質はそんなに難しいものではないです。要は、Twitterというサービス(これをサービスプロバイダという)にアクセスするための権限を、マッシュアップやクライアントを提供する第三者(これをコンシューマという)に委譲する仕組みです。ユーザーが「コンシューマを使いたい!」と思ったら、コンシューマは「じゃあついったーのページに飛ばしますから、あなたのアカウントを私が自由に使うことを許可してね」と言います。それでユーザーがTwitterのOAuth承認ページで「許可」すると、コンシューマはユーザーのアカウント情報を使ってTwitterのAPIを叩けるようになり、ユーザーはコンシューマにTwitterのパスワードを知らせることなくコンシューマの提供するサービスを利用することができるわけです。

さて、このOAuthをコンシューマが利用するには、Twitterにあらかじめ申請する必要があります。といっても登録ページでクライアント/サービス名などを入力するだけです。そうすると、コンシューマキーとコンシューマシークレットという文字列をもらえます。これはクライアントを特定するためのユーザー名とパスワードみたいなものです。ちなみにこの情報はコンシューマを提供する人のTwitterのユーザーアカウントに紐づいています。

コンシューマを通じてユーザーがTwitterのサービスを使うには、コンシューマを通じてTwitterからアクセストークンというものを貰う必要があります。このとき、コンシューマはTwitterに毎回コンシューマキーとコンシューマシークレットを送らなければなりません。

ここでコンシューマが独立したサーバーで運営されているサービスならば何も問題ありません。ユーザーがコンシューマキーとコンシューマシークレットを知る必要もユーザーに知られる危険性もありません。ところが、デスクトップクライアントだとどうなるかというと、コンシューマはデスクトップクライアントそのものです。なので、デスクトップクライアントはコンシューマキーとシークレットを何らかの方法で取得し、Twitterに送る機構が必要になります。

ここで、いくつかの方法があると思います。コンシューマキーとシークレットをデスクトップクライアントに暗号化して埋め込むのも一つの方法でしょう。ですが、結局は復号してTwitterに送らなければならないので、その通信をキャプチャすればユーザーは知ることができます。

なぜコンシューマキーとシークレットをユーザーに知られるとまずいかというと、それらを使うとまったく別のクライアントやサービスを、そのサービス名を詐称して作ることができてしまうからです。これがどうして問題なのかというと、そうなるとOAuthの承認が有名無実化してしまうためです。ユーザーがOAuthの承認ページで承認するサービスが本物かどうか調べるすべがありません。

メール登録制にしてコンシューマキーとシークレットを配布するとか考えましたが、なんだか大昔のシェアウェアのようで、なんとかシリアル集がはびこったように誰かが漏らしてしまう危険性を考えると難しいです。

コンシューマキーとシークレットを自分で取得してもらうというのも考えましたが、それはユーザーにとってかなり敷居が高いうえ、クライアント名がみんなバラバラになってしまいます(Twitterクライアント名はユニークであるため)。

コンシューマキーとシークレットを保持し、ユーザーからのリクエストに応じてアクセストークンを発行するサーバーを立てるというのも考えましたが、それってもうデスクトップTwitterクライアントじゃなくて、Twitterマッシュアップのデスクトップクライアントになってしまいます。

なので、デスクトップクライアントでOAuthを使うのは事実上無理なんじゃないかというのが私の結論です。

標準認証でもいいんですが、現在は標準認証は非推奨であり、そのため今からクライアントを作る場合は標準認証だとクライアント名をTwitterに登録することができなくなっています(タイムラインには「APIで」という表示になってしまう)。昔はメールでクライアント名を申請できたんですが、今はできません(この体制になる前に申請されたクライアントなら、今でも標準認証でもクライアント名を名乗れます)。これから作るクライアントで、クライアント名を名乗るにはOAuth必須です。ボット作者など、コンシューマ=ユーザーの場合はそれでもいいんですが…。これはぜひなんとか改善してもらいたいところですね。といっても、Twitter側からみると、それがコンシューマからのアクセスなのか、ユーザーからのアクセスなのか、区別をするのは難しいでしょうから、デスクトップアプリに限り標準認証でもクライアント名を名乗れるようにする、というのは難しいんじゃないかという気はします。

最近、新しいデスクトップクライアントがあまり登場せず、一方でやたらTwitterのマッシュアップサイトが増えたと思いませんか?中には、それデスクトップアプリでいいじゃないというものもちらほら。もしかして、この制限ができたためなんじゃないかと邪推までしています。うーむ、なんとかならないですかねー?

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2009/12/03/183506.aspx

2007/10/04

・.で始まるタイトルのファイルが同期されない

例) .NETのサイトです.url

これは.で始まるファイルをUNIX風にhiddenとみなすためと思われます。個人的にはシェルがちゃんとurlファイルと認識してるんだから例外として扱ってほしかったですね。どこかに設定あります?

 

・アクセスするたびにお気に入りバーの順序が変わる

最終アクセス日時が変わるのでお気に入りをクリックするたびに、ほかのPCと同期してしまうため順序が狂う。

これはちょっと・・・

 

結論:Groove2007をIEのお気に入り同期に使うのは微妙かな。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2007/10/04/99806.aspx

2007/09/11

ひろえむさんところより。

ネタ元:フィールドSEあがりの安納です

Windows Script Host ( WSH ) 5.7 (英語版) が公開されています。

Windows XP 用はこちら
Windows 2000 用はこちら
Windows Server 2003 用はこちら

Vistaには5.7が載っているのですが、ほかの現行OSも5.6から5.7にバージョンアップとのことです。内容は、フィールドSEあがりの安納ですさんところより

が変わったかといいますと、大部分はバグフィックスとセキュリティ向上です。これまでリリースされてきたセキュリティパッチも含まれています。

追加された機能としては、およそ以下の通りです。 

JScript 関連

ガベージコレクションの性能改善
ECMA 327 Standard
新サマータイム対応

※すいません、JScriptに関して私が語れることはありませんです...はい...

VBScript 関連

GetUILanguage ファンクションによる現在の表示言語取得
→Vista だと簡単に言語変更できますからそれに対応したものでしょう。
  言語を確認してからメッセージを表示するといったことが可能になりますね。

共通事項

2GB 以上のアドレスへのアクセス

このほかに、メモリリークへの対応やデッドロック対応なども含まれているので、意味不明のエラーに悩まされたことのあるかたがたは日本語版のリリースをもうちょっと待ってみてください。

ということなので、マイナーチェンジですね。ようやく5.7の正体がつかめました。たしかにサマータイムの制度が変わったりしましたからねー。日本語版が出たら入れてみようかと思います。Windows Updateで入るかもしれませんが。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2007/09/11/95263.aspx

2007/09/02

PS Microsoft.PowerShell.Core\Registry::HKEY_CLASSES_ROOT> Copy-ItemProperty Microsoft.PowerShellConsole.1\Shell\Open\Com
mand  -name "(default)" "microsoft.powershellscript.1"
Copy-ItemProperty : 指定されたレジストリ キーは存在しません。
発生場所 行:1 文字:18
+ Copy-ItemProperty  <<<< Microsoft.PowerShellConsole.1\Shell\Open\Command  -name "(default)" "microsoft.powershellscri
pt.1"
PS Microsoft.PowerShell.Core\Registry::HKEY_CLASSES_ROOT> Copy-ItemProperty Microsoft.PowerShellConsole.1\Shell\Open\Com
mand  -name "(default)" "microsoft.powershellscript"
Copy-ItemProperty : パス 'HKEY_CLASSES_ROOT\microsoft.powershellscript' が存在しないため検出できません。
発生場所 行:1 文字:18
+ Copy-ItemProperty  <<<< Microsoft.PowerShellConsole.1\Shell\Open\Command  -name "(default)" "microsoft.powershellscri
pt"
PS Microsoft.PowerShell.Core\Registry::HKEY_CLASSES_ROOT>

存在するのに。なぜ?存在しないパスを指定すると微妙にエラーメッセージが変わる。HKCU:などでは正常です。アクセス権の問題でもないしなんだろう・・・・うーむ・・・

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2007/09/02/93430.aspx

2007/03/03

ニコニコ動画(γ)
http://www.nicovideo.jp/

ニコニコ動画はYouTubeなどの動画投稿サイトに上げられた動画にリアルタイムにコメントを字幕のように挿入できるサイトです。

ですが先日DDoS攻撃を受け、また、YouTubeからアクセスを遮断されたため、βサービスが中断していました。

γでは、YouTubeただ乗りではなく、独自に動画サーバーを持つことになるようです。
そのため負荷対策としてスタート時はアカウント制になりました。
そのアカウント登録がさきほどから始まりました。
先着100000名にはγサービスを3/5から利用できる権利を得られます。おはやめに。
なお同一IPアドレスから複数アカウントを取ると、すべてのアカウントを消されますのでご注意を。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2007/03/03/64877.aspx

2007/01/15

スクリプト センターの新着記事にこんなのが。

VBScript からも .NET Framework のクラスを利用できる?!
NET Framework のクラスは VBScript からアクセスできないと皆さん思っていませんか? 後悔する前にこの記事を読みましょう!

System.Collections.ArrayListなんかを普通にCreateObjectして使えるんですねー。

しらんかったー!すげー!

たしかにProgIDがレジストリに登録されてるから、使えるような気はしてましたが、まさか本当に使えるとは。

これってどういう仕組みなんだろう?どのクラスが使えてどのクラスがだめかは筆者も調査中とのことですが、相当いろんなことができるんじゃないでしょうか。

少なくともCOMコンポーネントにはコンストラクタがない(ですよね?)のでコンストラクタが必須のクラスは駄目でしょうね。

まだまだWSHいけるんじゃないですか?PowerShellもいいですけどWSHも使いましょう。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2007/01/15/56349.aspx

Windows PowerShell でのスクリプティング
http://www.microsoft.com/japan/technet/scriptcenter/hubs/msh.mspx

Microsoft TechNetに、PowerShellスクリプティングの日本語版サイトが公開されました。英語版記事へのリンクと英語版記事の翻訳、日本語版独自記事があります。

このブログにリンクを張っていただきました。ありがとうございます!

また、私もこのサイトに寄稿させていただきました。
イベントログへのアクセスと filter の使い方
http://www.microsoft.com/japan/technet/scriptcenter/topics/msh/mvpcolumn_eventlog.mspx
Get-EventLogコマンドレットの使い方と、filter構文の使い方を説明しています。

ちなみに英語版はこちらです。
Scripting with Windows PowerShell
http://www.microsoft.com/technet/scriptcenter/hubs/msh.mspx

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2007/01/15/56347.aspx

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