2014/04/15

PowerShellはゆるふわな言語ですが、そのゆるふわさがたまによく牙を剥きます。今日はそんなお話。

あえとすさんがこんなツイートをされていました。

直観的には、$xには'A', 'B', 'C'の3要素が格納された配列となるのでLengthは3、$x[2]は最後の要素である'C'が入っていそうです。

さて、何故だかわかりますか。シンキングタイム3分。

…では解説です。

まず、'A' + @('B', 'C')というのは実は3要素の配列を返さず、単一の文字列を返します。というのもPowerShellは+, -等の二項演算子を利用する際、左辺と右辺の型が異なる場合は、まず右辺の型を左辺の型に暗黙の型変換を行ってから演算を行います。この場合だと右辺は@('B', 'C')なので文字列配列(厳密にはobject[])、左辺は文字列型なので、文字列配列が文字列に型変換されるわけです。

さて、ここで配列→文字列の型変換がどうやって行われるかという話なのですが、まず配列要素がそれぞれ文字列型に変換されます。この変換は型によってそれぞれ挙動が違いますが、特にPowerShell上で定義がない場合はToString()されたものが返されます。今回のは配列要素が元々文字列なので変換はありません。

次に、文字列同士がユーザー定義$OFSに格納されている文字列で連結されます。$OFSはデフォルトではnull(定義なし)なのですが、nullの場合は" "(半角スペース)として扱われます。

※ちなみにOFSとはOutput Field Separatorの略です。awkとかPerlとかにも同様の変数があり、PowerShellのはそれらを参考にしたものと思います。

よって、@('B', 'C')が文字列に変換されると、'B'と'C'が$OFSのデフォルトの" "で連結され、'B C'となります。変換の後+演算子が実行されて、'A'と'B C'が連結されるので、'AB C'となります。この値が$xに格納されるわけです。

$xには配列ではなく単一の文字列が格納されているので、Lengthプロパティはstringクラスのものが参照されるので、文字数を返却します。$xの中身はA,B,半角スペース,Cの4文字なので$x.Lengthは4になります。

また文字列変数に数値でのインデックスアクセスをすると、該当文字位置に格納されたchar型の文字が返されるので、$x[2]は$xに格納された3番目の文字(インデックスは0から始まるので)、' '(半角スペース)を返すわけですね。

これであえとすさんの疑問は解消したわけですが、じゃあ本来の目的である、「単一の値と配列を連結して配列を得る」にはどうするか、というと…

となるわけです。こうやって非配列値をあらかじめ@()により要素数1の配列にしておくと、+演算子の左辺と右辺がどちらも配列型となるため型変換は行われず、配列同士の+演算、すなわち配列の連結処理が行われるわけですね。

その1とありますがその2があるかは不明。なお、闇が沢山あるのは事実です。('A`)ヴァー

2011/05/16

昨日の記事で取り上げたJavaScriptSerializerを用いると、連想配列から楽にJSONを作成できることが分かったのですが、この記事を書いていて思ったのは、「PowerShellの連想配列って意外に使えるな」という点でした。

現在のところ、PowerShellは独自のクラスを記述する方法がありません(Add-Typeコマンドレットを用いてC#などでクラスを書いて利用することはできますが)。Add-Memberコマンドレットを用いると、既存のオブジェクトに対し、任意のプロパティやPowerShellスクリプトで記述したメソッドを追加することはできます。素のオブジェクトであるPSObjectをNew-Objectして作ったオブジェクトでもこれは可能なので、一応ユーザー定義オブジェクトを作ることは可能です。ですが、Add-Memberコマンドレットを使うのはちょっとめんどくさいです。

Windows PowerShellインアクション」ではAdd-Memberを使いPowerShellの関数を駆使してクラス定義構文のようなものを実装した例はありますが、いささか大仰な感は否めません。

しかし連想配列をユーザー定義オブジェクト代わりに使うと、簡単にできますしそこそこ便利に使えます。

連想配列をオブジェクトの代わりにすることのメリットとデメリット

連想配列をオブジェクトの代わりにすることのメリットは以下の三点があるかと思います。

  1. 簡単な記述(連想配列のリテラル)でオブジェクトが作成できる
    PowerShellの連想配列リテラル@{}を使うことで、簡単に記述できます。またそれを配列化するのも@()を使うと容易です。
    $pcItems=
    @(
        @{
            code=25;
            name="ハードディスク2TB";
            price=7000;
        },
        @{
            code=56;
            name="メモリ8GB";
            price=8000;
        }
    )
  2. ドット演算子で値の参照、設定ができる
    PowerShellの連想配列は「連想配列[キー名]」のほかに、「連想配列.キー名」でもアクセスできる。
    Write-Host $pcItems[1].name # 値の参照
    $pcItems[1].name = "test" # 値の設定
    $pcItems[0].maker = "Seagate" # 要素の追加
    
  3. 連想配列の配列に対してWhere-Objectコマンドレットでフィルタをかけることができる
    これは2とも関係しているのですが、通常のオブジェクトと同様にWhere-Objectコマンドレットでのフィルタ、ForEach-Objectコマンドレットでの列挙が可能です。
    $pcItems|?{$_.price -gt 7000}|%{Write-Host $_.name}

このようにメリットはあるのですが、本物のオブジェクトではないのでそれに起因するデメリットがいくつかあります。

  1. 要素(プロパティ)をいくらでも自由に追加できてしまう
    これはメリットではあるのですが、デメリットでもある点です。後述するデメリットのせいで、同じキーをもつ連想配列の配列を作ったつもりでも、どれかのキー(プロパティ名)を間違えていた場合、それを検出するのが困難です。
  2. メソッドがうまく記述できない
    連想配列要素にスクリプトブロックを指定し、&演算子で実行することでメソッド的なことはできます。しかしこのスクリプトブロック内では$thisが使えず、オブジェクトのプロパティにアクセスすることができないのでいまいちです。
    $pcItem= @{
        name="ハードディスク2TB";
        price=7000;
        getPrice={Write-Host $this.price};
    }
    &$pcItem.getPrice # 何も表示されない。$thisが使えない
    # getPrice={Write-Host $pcItem.price}ならOKだが…
  3. Get-Member、Format-List、Format-Tableなどが使えない
    これらのコマンドレットはあくまで連想配列オブジェクト(Hashtable)に対して行われるので、意図した結果になりません。たとえば$pcItems|Format-Listした場合、
    Name  : name
    Value : ハードディスク2TB
    
    Name  : code
    Value : 25
    
    Name  : price
    Value : 7000
    
    Name  : name
    Value : メモリ8GB
    
    Name  : code
    Value : 56
    
    Name  : price
    Value : 8000
    こんな表示になってしまいます。
連想配列をユーザー定義オブジェクトに変換する関数ConvertTo-PSObject

このように、連想配列の記述のお手軽さは捨てがたいものの、いくつかの問題点もあるのが現実です。そこで連想配列のお手軽さを生かしつつ、ユーザー定義オブジェクトの利便性も取るにはどうすればいいか考えました。結論は、「連想配列を変換してユーザー定義オブジェクトにする関数を書く」というものでした。それが以下になります。

#requires -version 2
function ConvertTo-PSObject
{
    param(
        [Parameter(Mandatory=$true, ValueFromPipeline=$true)]
        [System.Collections.Hashtable[]]$hash,
        [switch]$recurse
    )
    process
    {
        foreach($hashElem in $hash)
        {
            $ret = New-Object PSObject
            foreach($key in $hashElem.keys)
            {
                if($hashElem[$key] -as [System.Collections.Hashtable[]] -and $recurse)
                {
                    $ret|Add-Member -MemberType "NoteProperty" -Name $key -Value (ConvertTo-PSObject $hashElem[$key] -recurse)
                }
                elseif($hashElem[$key] -is [scriptblock])
                {
                    $ret|Add-Member -MemberType "ScriptMethod" -Name $key -Value $hashElem[$key]
                }
                else
                {
                    $ret|Add-Member -MemberType "NoteProperty" -Name $key -Value $hashElem[$key]
                }
            }
            $ret
        }
    }
}

ご覧のようにコード的には割にシンプルなものが出来ました。連想配列またはその配列をパラメータにとり、またはパイプラインから渡し、連想配列要素をプロパティまたはメソッドに変換してPSObjectにAdd-Memberしてるだけです。-recurseパラメータを付けると連想配列内に連想配列がある場合に再帰的にすべてPSObjectに変換します。

それでは実際の使用例を挙げます。

# 一番単純な例。パラメータに連想配列を渡すとPSObjectに変換する。
$book = ConvertTo-PSObject @{name="Windows PowerShell ポケットリファレンス";page=300;price=2000}
Write-Host $book.name # 「Windows PowerShell ポケットリファレンス」と表示
$book.name="test" # プロパティに値をセットする
Write-Host $book.name # 「test」と表示
#$book.size="A5" # 存在しないプロパティに値を代入しようとするとエラーになる

# 連想配列をコードで組み立てていく例。
$mutaHash=@{} # 空の連想配列を作る
$mutaHash.name="mutaguchi" # キーと値を追加
$mutaHash.age=32
$mutaHash.introduce={Write-Host ("私の名前は" + $this.name + "です。")} # スクリプトブロックを追加
$mutaHash.speak={Write-Host ($args[0])} # パラメータを取るスクリプトブロックを追加
$muta = $mutaHash|ConvertTo-PSObject # 連想配列はパイプラインで渡すことができる
$muta.introduce() # 「私の名前はmutaguchiです。」と表示
$muta.speak("こんにちは。") # 「こんにちは。」と表示

# 連想配列の配列→PSObjectの配列に変換
$stationeryHashes=@()
$stationeryHashes+=@{name="鉛筆";price=100} 
$stationeryHashes+=@{name="消しゴム";price=50}
$stationeryHashes+=@{name="コピー用紙";price=500}
$stationeryHashes+=@{name="万年筆";price=30000}
$stationeries = ConvertTo-PSObject $stationeryHashes
# "200円以上の文具を列挙"
$stationeries|?{$_.price -ge 200}|%{Write-Host $_.name} # 「コピー用紙」と「万年筆」が表示

# 連想配列の配列をリテラルで一気に記述する
$getPrice={Write-Host $this.price} # 共通のメソッドを定義
$pcItems=
@(
    @{
        code=25;
        name="ハードディスク2TB";
        price=7000;
        getPrice=$getPrice
    },
    @{
        code=56;
        name="メモリ8GB";
        price=8000;
        getPrice=$getPrice
    },
    @{
        code=137;
        name="23インチ液晶ディスプレイ";
        price=35000;
        getPrice=$getPrice
    }
)|ConvertTo-PSObject
$pcItems[1].getPrice() # 「8000」と表示
$pcItems|Format-List
<#
表示:
name  : ハードディスク2TB
code  : 25
price : 7000

name  : メモリ8GB
code  : 56
price : 8000

name  : 23インチ液晶ディスプレイ
code  : 137
price : 35000
#>

# 連想配列の中に連想配列を含めたもの→PSObjectをプロパティの値に持つPSObject
$blog=
@{
    utl="http://winscript.jp/powershell/";
    title="PowerShell Scripting Weblog";
    date=[datetime]"2011/05/16 00:25:31";
    keywords=@("スクリプト","PowerShell","WSH"); # 配列を含めることもできる
    author=@{name="mutaguchi";age=32;speak={Write-Host "ようこそ私のブログへ"}} # 連想配列を含める
}|ConvertTo-PSObject -recurse # -recurseパラメータを指定すると再帰的にすべての連想配列をPSObjectに変換する
$blog.author.speak() # 「ようこそ私のブログへ」と表示
Write-Host $blog.keywords[1] # 「PowerShell」と表示
# ※配列要素に連想配列以外の値が含まれている場合は展開しない

このように簡単な関数一つで、連想配列にあった問題点をすべて解消しつつ簡単な記述で独自のオブジェクトを記述できるようになりました。おそらくかなり便利だと思いますのでぜひ使ってみてください。

余談:ScriptPropertyを使う場合

余談ですが、今回使用したNotePropertyはプロパティに代入できる型を指定したり、リードオンリーなプロパティを作ったりすることができません。そういうのを作りたい場合はScriptPropertyを使います。Add-Memberコマンドレットの-valueパラメータにゲッターを、-secondValueパラメータにセッターをそれぞれスクリプトブロックで記述します。

しかしこいつはあまりいけてないです。これらのスクリプトブロック内で参照するフィールドを別途Add-MemberでNotePropertyを使って作成する必要があるのですが、これをprivateにすることができません。よってGet-Memberでもばっちり表示されてしまいますし、フィールドを直接書き換えたりもできてしまいます。

また今回のように連想配列をPSObjectに変換する場合はprivateフィールド名も自動生成する必要があるのですが、それをScriptProperty内のゲッター、セッターから取得する方法がなく、たぶんInvoke-Expressionを使うしかありません。

これらを踏まえて元の連想配列要素の値の型を引き継ぎ、それ以外の型を代入できないようにしたScriptPropertyバージョンも一応書いてみました。ConvertTo-PSObject関数のelse句の部分を以下に置き換えます。

#$ret|Add-Member -MemberType "NoteProperty" -Name ("_" +$key) -Value $hash[$key]
"`$ret|Add-Member -MemberType ScriptProperty -Name $key -Value {[" + $hash[$key].gettype().fullname + "]`$this._" + $key + "} -SecondValue {`$this._" + $key + "=[" + $hash[$key].gettype().fullname + "]`$args[0]}"|iex

まあこれはいまいちなんで参考程度に。

2012/08/23追記
この記事を書いた時は知らなかったのですが、実は単にNotePropertyだけを持つユーザー定義オブジェクトを作成するのであれば、もっと簡単な方法があります。

# PowerShell 1.0
$o=New-Object PSObject|Add-Member noteproperty Code 137 -pass|Add-Member noteproperty Name 23インチ液晶ディスプレイ -pass

# PowerShell 2.0
$o=New-Object PSObject -Property @{Code=137;Name="23インチ液晶ディスプレイ"}

# PowerShell 3.0
$o=[pscustomobject]@{Code=137;Name="23インチ液晶ディスプレイ"}

3つのコードはほぼ等価です。PowerShell 2.0と3.0では連想配列リテラルを用いて簡単にカスタムオブジェクトを作れるようになりました。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2011/05/16/199086.aspx

2011/05/04

配列変数がnullかそうでないかを調べることはたまにあるかと思います。しかし、

if($array -eq $null)
{
	'$arrayはnull!'
}
else
{
	'$arrayはnullじゃない!'
}

とするのはダメです。たとえば$array=@($null,$null,121,123)というような配列を渡すと「$arrayはnull!」と表示されてしまいます。

なぜこんなことが起きてしまうかというと、-eq演算子は比較演算子であると同時に、配列をフィルタする演算子でもあるからです。たとえば、1,2,2,3,3,3,4,5という要素を持つ配列のうち、2と一致する要素を持つ配列だけを抽出するのはこんな感じです。

PS > $array=@(1,2,2,3,3,3,4,5)
PS > $array -eq 2
2
2

-eq以外にも各種比較演算子が同様に使えます。3以上の要素のみ返すなら$array -ge 3となります。

つまり最初に挙げた例の場合、左辺の$arrayが配列であれば、TrueかFalseを返すのではなく、右辺の値(ここでは$null)と一致するものを抽出して配列として返すのです。よってもし$arrayに複数の$nullが要素として含まれていると、

if($array -eq $null)

if(@($null,$null))

と解釈され、2要素を持つ配列なのでこれは条件文中でTrueに評価されて結果、ifステートメントの中が実行されてしまうわけです。

$nullが一要素しか含まれない配列、すなわち$array=@($null,121,123)のような配列ではまた挙動が変わり、「$arrayはnullじゃない!」と表示されます。これはなぜかというと、

if($array -eq $null)

if(@($null))

と解釈されるためです。@($null)はFalseと解釈されるので、結果elseが実行されるわけです。

$nullを要素に含まない配列$array=@(1,2,3)とかだと問題が起きないのは、$array -eq $nullが長さ0の配列@()を返し、これはFalseと評価されるからです。(これも良く考えると理由がよくわかりませんが)

このように-eq演算子が配列フィルタとして働いてしまうのを防ぎつつ、配列変数が$nullではないかを確認するには次のようにすると良いでしょう

if($null -eq $array)
{
	'$arrayはnull!'
}
else
{
	'$arrayはnullじゃない!'
}

右辺と左辺を入れ替えただけですが、問題なく動きます。

これが気持ち悪いならば

if($array -isnot [array] -and $array -eq $null)

のようにして変数が配列かどうかまず判断するのでもいいかもです。

これ、案外ハマりどころだと思います。「配列要素に二つ以上nullが含まれるときだけ結果がおかしくなる」のも気づきにくい原因。ぜひ気を付けてください。

ちなみに

if($array)
{
    '$arrayはnullじゃない!'
}
else
{
    '$arrayはnull!'
}

なんてのも駄目です。$array=@($false)や$array=@(0)など、要するに、要素数1でその要素がFalseと解釈される配列が来ると「$arrayはnull!」と表示されてしまいます。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2011/05/04/198780.aspx

2011/03/25

PowerShellは一次元のobject配列を多用しますが、実は他言語と同様に、多次元配列やジャグ配列(配列の配列)もちゃんとあります。

ジャグ配列

ジャグ配列の作成

PS > $array = @(@("a","b"),@("c","d","e"))

配列の参照

PS > $array
a
b
c
d
e
PS >  $array.Length
2
PS >  $array[0]
a
b
PS >  $array[0][1]
b

ジャグ配列の作成は、配列をまず作って、その配列を要素に持つ配列を作成するとできます。とても直感的かと思います。ただしここで注意しなければならない点は、

PS > $array = @(@("a","b") + @("c","d","e"))

のように、配列を+演算子で連結するのは駄目であるという点です。こうしてしまうと単に一次元配列同士が連結された要素数5の一次元配列が生成されてしまいます。

さて、このようにジャグ配列に含まれる配列とその数があらかじめ分かっている場合はこのように,演算子を使えば問題ありませんが、そうではない場合はちょっと工夫が必要です。たとえば「テキストファイルの一行ごとにchar[]配列を作り、それらを要素に持つジャグ配列を作成する」ことを考えてみましょう。まず最初に駄目な例。

$lines = @(Get-Content file.txt)
$array = @()
foreach($line in $lines)
{
	$array += [char[]]$line
}

これは一見うまくいきそうですが、先ほどと同じパターンで$arrayは単なるchar[]の一次元配列になってしまいます。目的のジャグ配列を得るには次のようにします。

$lines = @(Get-Content file.txt)
$array = @()
foreach($line in $lines)
{
	$array += ,[char[]]$line
}

ここでは配列要素の追加処理の際、配列に「,」を前置することによって「配列要素を展開することなく、配列そのものとして扱う」ようにしています。こうすることで$arrayにはchar[]配列そのものが要素として追加され、結果としてジャグ配列が格納されます。

 

多次元配列

2x2の多次元配列を作成

PS > $array = New-Object "object[,]" 2,2

要素に値を代入

PS > $array[0,0] = "a"
PS > $array[0,1] = "b"
PS > $array[1,0] = "c"
PS > $array[1,1] = "d"

配列の参照

PS > $array
a
b
c
d

配列のスライス

PS > $array[@(0,0)]
a
PS > $array[@(0,0),@(0,1)]
a
b
PS > $array[@(0,0),@(1,0)]
a
c

配列の作成の仕方がちょっと気持ち悪いですが、これはサイズ固定の一次元配列を作るときと同じ要領です。

配列のスライスも可能で、切り出したい要素のインデックスを「要素のインデックスを表す配列」で指定します。たとえば$array[0,0]を取り出したい場合は$array[@(0,0)]になるわけですね。複数の要素を切り出したい場合は「要素のインデックスを表す配列」の配列(つまりはジャグ配列)を指定することになります。

 

おまけ:一次元配列のちょっとしたtips

変数、プロパティ、コマンドレットの戻り値などで、その値が配列かそうでないかが事前に分からない場合でも、必ず配列として処理したい場合には@を用います。

$lines = Get-Content file.txt

Get-Contentコマンドレットはテキストファイルが1行の場合は、$linesには文字列の配列ではなく文字列が格納されます(複数行なら行ごとの文字列が格納された配列になる)。よってこの場合$linesが配列かどうかは事前には分からないことになります。テキストファイルの1行目を取得するつもりで $lines[0] とやっても、もしテキストファイルが1行だった場合は、その1行の一文字目が返ってきてしまいます。このような事態を防ぐには、

$lines = @(Get-Content file.txt)

のようにすると、$linesには必ず配列が格納されます。たとえテキストファイルが1行でも、要素数1の配列になります。

これとは逆のケースで、「配列か非配列かわからないが、必ず非配列として扱いたい」場合は次のようにするのも手でしょう。

$value = @($unknown)[0]

この場合だともし$unknownが配列だったとしても、その1要素目をとってきて$valueに格納してくれます。本来なら$unknownが配列かどうか確かめて、その要素数がいくつであるかなどを確認すべきなんですが、「非配列か要素数1の配列どちらかが返されるパターン」というのはADSIやXMLなど扱う際に意外と多くて、そういう場合に有用かと思います。

JavaScriptの配列操作と同じようなことをする方法

$array = @(1..5)
# push(配列末尾に値を追加)
$array += 6

# unshift(配列先頭に値を追加)
$array = @(0) + $array

# shift(配列先頭の値を削除)
$array[0]; $array = $array[1..($array.length-1)]

# pop(配列末尾の値を削除)
$array[$array.length-1]; $array=$array[0..($array.length-2)]
元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2011/03/25/197857.aspx

2009/12/03

PowerShellには色々な演算子がありますが、その中のひとつに、ある文字列が正規表現にマッチするかどうかを判定する-match演算子というのがあります。使い方は、

"文字列" -match "正規表現"

です。たとえば、文字列にGUIDが含まれるかどうかを調べるには

"これはGUIDを含む文字列です。771d8236-9cc9-46d0-b78c-571746f81393とかね!" -match "[A-Fa-f0-9]{8}\-[A-Fa-f0-9]{4}\-[A-Fa-f0-9]{4}\-[A-Fa-f0-9]{4}\-[A-Fa-f0-9]{12}"

とすると、Trueと表示されます。

ちなみに、一度-match演算子を使うと$matchesというHashtable型のシェル変数に、マッチ情報が入ります。この場合、$matches[0]にGUIDが入ります。サブ式を定義してある場合、$matches[1],$matches[2]...にそれらの値が入ります。ただし$matchesには最初のマッチ情報しか入らないので複数のマッチがある場合はあまり使えないです。素直に

$regex=[regex]"a" 
$regex.Matches("aaa")|ForEach{$_.value}

とかしたほうがいいです。

ところで、-match演算子の左辺には実は配列も指定できます。たとえば、

 "aa1","aaa","2","b" -match "\d"

とすると、

aa1
2

と表示されます。\dは数字が含まれるという正規表現ですが、これを配列に対してかけると、True/Falseではなくマッチした配列要素を返します。これ、私知らなかったんです!なかなか便利だと思うのでぜひつかってみてください。なおこの場合$matchesには何も入りません。

元記事:http://blogs.wankuma.com/mutaguchi/archive/2009/12/03/183512.aspx


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